ほうれん草農家って儲かると耳にしたけど
実際リアルな年収はどのくらいだろう?
関東にいながらほうれん草で高年収農家になれるって本当?
こんな疑問を抱える方へ、この記事では農林水産省のデータを元に、ほうれん草農家の年収・売上を公開します!
また記事後半では、ほうれん草農家で年収1000万円を達成するために必要なことも理解できますよ。
ほうれん草農家のリアルな年収って?
いきなり結論です。
1戸あたり 売上220万円・年収120万円です。
10aあたり 売上34万円・年収18万円
それでは詳しい数値を見てみましょう! 興味がある方のみどうぞ。
以下は、農水省が出しているほうれん草に関する年収等のデータ(全国平均)です。
1戸あたり | 10aあたり | |
農業粗収益(売上) 【万円】 | 219 | 34.2 |
農業経営費(経費) 【万円】 | 102 | 16.0 |
農業所得(年収) 【万円】 | 116 | 18.2 |
所得率:53.1%
時給:1,290円
平均栽培面積:64a
まとめると、平均でほうれん草農家は、売上220万円・年収120万円です。
ほうれん草の特徴
・比較的簡単に育てられる。虫の被害少なめ。
・栽培期間が短い
まず、ほうれん草の特徴として「しっかりと土作りができていれば比較的簡単に育てること」があげられます。
キャベツや白菜といったアブラナ科野菜と違って虫の被害も少ないので初心者にもおすすめです。
また、ほうれん草は栽培期間が非常に短いのが特徴です。
旬の冬場は、播種から収穫まで100日程度と比較的短いのが特徴です。
ほうれん草農家が多い地域とは? 【研修で行くべき地域】
ほうれん草の産地はどこでしょうか?
正解は大都市近郊、特に東京近郊ですね。
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 割合(%) |
1 | 埼玉県 | 22,700 | 11 |
2 | 群馬県 | 22,400 | 11 |
3 | 千葉県 | 19,400 | 9.1 |
4 | 茨城県 | 16,500 | 7.7 |
5 | 福岡県 | 10,200 | 4.8 |
都市近郊で栽培が盛んな理由は、輸送に時間やコストをかけず、新鮮な状態で食卓に届けられるからです。
また、新規就農しようと考えている人向けの情報です。
就農時に悩むのが「何を栽培しよう?」ということですよね。
覚えておきたいのが、「作物を選ぶ→大産地を選ぶ」あるいは「場所を選ぶ→特産品を選ぶ」という方法が一番成功確率が高くて無難だということ。
というのも、その土地の特産品であれば、受け入れ体制が整っていたり、サポートや施設が充実していたり、高い栽培技術を有している人が集まっており技術を身につけやすいためです。
というわけで、ほうれん草を栽培したいならば関東近郊にいき、研修を通じて栽培技術を学ぶのがコスパ良というお話でした。
ほうれん草農家で年収1000万円を目指す方法は?
結論から言うと、以下の2つの方法があります。
・多品目で収入の柱を作る
ところで、ほうれん草単専業で年収1000万を目指すには、どのくらいの栽培面積が必要でしょうか?
記事冒頭の例では、10aで年収20万円なので、単純計算で約5ha必要です。
正直この数値ならば、単純に規模拡大はおすすめできませんね。
方法①:周年栽培
そこで考えたいのが、旬の冬だけでなく周年栽培するという方法。
ハウスを建てるのに設備投資は必要ですが、狭い面積で大きな収穫量を生み出せます。
ほうれん草 ハウス・周年(10aあたり) | |
農業粗収益(売上) 【万円】 | 309 |
農業経営費(経費) 【万円】 | 186 |
農業所得(年収) 【万円】 | 123 |
所得率 【%】 | 39.8 |
販売量:6,000kg
出典:ぐんまアグリネット「R2農業経営指標」
ハウスによる周年栽培で年収1000万円を目指そうとすると、上の数値から81aですみます。
方法②:多品目で収入の柱を作る
一方、「規模を大きくできない」という方には多品目を栽培する経営が主な戦略となります。
特に関東近郊の農家さんはほうれん草専業ではなく、多品目少量で経営することが多いです。
彼らは多数の品目で着実に収益の柱を作ったり、野菜セットを高単価で販売するという戦略を取ります。
実際、野菜セットが飛ぶように売れており、「日本一小さい専業農家」で有名な西田さんの書籍を紹介しておきます。小規模経営を考えているならば一読しておきたい1冊です。
▶︎書籍「小さい農業で稼ぐコツ 加工・直売・幸せ家族農業で30a1200万円」を見てみる
おまけ:ちぢみほうれん草もアリかもという話
ちぢみほうれん草(寒締めほうれん草)
— タカシ@八百森のエリーよろしく! (@yaoyanotakashi) February 29, 2020
群馬県産JA全農ぐんまJAはぐくみ
葉が肉厚、味が濃い、甘味が強い、栄養価も高い、ほうれん草に比べビタミンCが約3倍
アクが強いので、下茹でしてアク抜きをすると良い。#ちぢみほうれん草 #寒締めほうれん草 #栄養価が高い #味が濃い#JA全農ぐんま #JAはぐくみ pic.twitter.com/RKIrZt0viw
ちぢみほうれん草を見かけないな、普通のほうれん草より好きなのに
— まーるこ (@saramaaru) November 24, 2021
ちぢみほうれん草は甘みが強いことや栄養価が高いことから人気もあり、通常のほうれん草より収益性が高いです。
収入(農業所得)でいうと、10aあたり 23.3万円(通常のほうれん草)→28.3万円(ちぢみほうれん草)です。
出典:ぐんまアグリネット「R2農業経営指標」
それではまた!
こちらの記事では、儲かる作物について詳しく紹介していますよ。
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