レタス農家って儲かると耳にしたけど
実際リアルな年収はどのくらいだろう?
レタス専業で高年収農家になれるって本当?
こんな疑問を抱える方へ、この記事では農林水産省のデータを元に、レタス農家の年収・売上を公開します!
また記事後半では、「レタス専業で年収1000万円を目指す方法」と「2022年現在、レタス専業でお金持ちを目指すのは得策か?」という話をしています。
レタス農家のリアルな年収って?
いきなり結論です。
10aあたり 売上60万円・年収10万円
1戸あたり 売上630万円・年収120万円
以下、長野県と群馬県のレタスの経営指標(10aあたりの数値)を用意いたしました。詳しい数値を見てみましょう!
レタス(露地 10aあたり) | |
農業粗収益(売上) 【万円】 | 58.0 |
農業経営費(経費) 【万円】 | 47.2 |
農業所得(年収) 【万円】 | 10.8 |
所得率 【%】 | 18.6 |
時給 【円/時間】 | 1,135 |
単価 【円/kg】 | 145 |
販売量:4,000kg
レタス(露地 10aあたり) | |
農業粗収益(売上) 【万円】 | 48 |
農業経営費(経費) 【万円】 | 40 |
農業所得(年収) 【万円】 | 8.0 |
所得率 【%】 | 16.7 |
時給 【円/時間】 | 2,019 |
単価 【円/kg】 | 106 |
販売量:4,500kg
出典:ぐんまアグリネット「R2農業経営指標」
また、「1戸あたりどのくらいの作付面積で年収がいくらか」が気になりますよね。
さて、1戸あたりの栽培面積は1.08ha(出典:農林水産省 2007年 品目別経営統計)なので、
このデータを元に、先に見た長野県の数値で計算すると次の表のようになります。
10aあたり | 1戸あたり | |
農業粗収益(売上) 【万円】 | 58.0 | 627 |
農業経営費(経費) 【万円】 | 47.2 | 510 |
農業所得(年収) 【万円】 | 10.8 | 117 |
レタスの平均収入は
・10aあたり 売上58万円・年収10万円
・1戸あたり 売上630万円・年収120万円
※10aあたりの所得率・収入低め。
レタス農家の特徴
・年によって価格が大きく変動する。博打に近い
レタスや白菜、キャベツなどの葉野菜は年によって価格が変動しやすいです。
不作の年に自分だけ大量に収穫できれば大金持ちになるかもしれませんが、大豊作の年にはレタスを出荷せずトラクターで潰し、畑の肥料にすることも。。。
2020年の夏は葉野菜の値段が高騰しましたね。
【レタス993円 野菜の高騰続く】https://t.co/1Zv1DqRyL4
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) August 19, 2020
農林水産省が19日発表した主な野菜の小売価格の全国平均値(10~12日)は、レタスが平年の約2.4倍の993円に高騰するなど、調査対象の8品目全ての値上がりが続いた。連日の猛暑で生育停滞も。
一方、最近(2021年の秋)は下落しています。
下げ止まりしていたレタスの価格が再び下落してますね。
— 世界四季報 (@4ki4) November 26, 2021
「タマネギ」高値続く 「レタス」などは安値:FNN https://t.co/CuWnmQM8Bl pic.twitter.com/eZa6MaviDm
レタス農家が多い地域とは? 【研修で行くべき地域】
レタスの収穫量ランキングは以下の表の通り。
順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 割合(%) |
1 | 長野県 | 182,200 | 32 |
2 | 茨城県 | 91,700 | 16 |
3 | 群馬県 | 54,800 | 9.7 |
4 | 長崎県 | 35,900 | 6.4 |
5 | 兵庫県 | 29,300 | 5.2 |
長野県が全国の3割を占めていて圧倒的。レタスといえば冷涼な長野で育てているイメージがありますよね。
新規就農したい人向けの情報ですが、「作物を選ぶ→大産地を選ぶ」あるいは「場所を選ぶ→特産品を選ぶ」という方法が一番成功確率が高くて無難です。
というのも、その土地の特産品であれば、受け入れ体制が整っていたり、サポートや施設が充実していたり、高い栽培技術を有している人が集まっており技術を身につけやすいためです。
というわけで、レタス農家の元に研修に行くならば、大産地長野がおすすめです。
今、レタスで年収1000万円を目指せるチャンスか?
ところで、レタス専業で年収1000万を目指すには、どのくらいの栽培面積が必要でしょうか?
記事冒頭の例では、10aで年収10万だから単純計算で約10ha必要です。
うーん。かなりの大規模だし、所得率が低めなので他の作物と組み合わせるのがベストです♪
ちなみに、よくレタスと共に育てられるのが、水稲や玉ねぎ、ニンニクです。
そして、「そもそもレタスは今育てるべきか」という話ですが、卸売市場での取引額をグラフ化してみました。(出典:市場統計情報 東京都中央卸売市場)
グラフより、ここ15年で取扱量はそこまで変わらず、ここ5年でシンプルに単価が下がりました。
ここから急に価格が上がるとは必ずしも言えず、様子見でしょうか。
やはり他の作物と組み合わせて栽培し、リスクヘッジしておくのが無難でしょう。
おまけ:リーフレタスはレタスよりもいいかもという話
Leaf lettuce. リーフレタスが収穫サイズに育ちました。さっそく4株だけ早採り、シャキシャキの食感です。レタスの奥ではイタリア野菜のプンタレッタ(ラ)が葉っぱを広げてきました。#家庭菜園 #できるだけ無農薬 #横浜の市民農園 #リーフレタス #プリメロ菜園通信 https://t.co/78edUvJccV pic.twitter.com/pUSvUBoWcb
— みやざき (@miyazakiphoto) November 22, 2021
以下はレタスの大産地である長野県の経営指標です。
レタス(10a) | リーフレタス(10a) | |
農業粗収益(売上) 【万円】 | 58.0 | 69.8 |
農業経営費(経費) 【万円】 | 47.2 | 53.0 |
農業所得(年収) 【万円】 | 10.8 | 16.8 |
リーフレタスはレタスよりも10aあたり所得が6万円ほど高く、所得率も高めです。
もしレタス栽培に興味があるならば、リーフレタスの情報収集もしてみるのもいいかもしれません。
それではまた!
こちらの記事では、儲かる作物について詳しく紹介していますよ。
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