【農家の年収】専業・兼業・副業でどう違う?
@weekendfarmer_haru

【農家の年収】専業・兼業・副業でどう違う?

新規就農予定だが、作物も形態も決まっていない。
専業にするか兼業にするか迷うな。

専業・兼業でそれぞれどのくらい稼いでいるか知って、
自分の就農スタイルの参考にしたいな。

このように就農を考えている方に向けて、今回は農水省のデータを元に農家の年収を紐解いていきます!

早速いきましょう♩

農家の年収は専業・兼業・副業でどう違う?

農家の年収は専業・兼業・副業でどう違う?

「農家の年収は専業/兼業でどう異なるか」という本題に入る前に注意点を。

農家には色んな分類の方法がありますが、
大きく「主業農家・準主業農家・副業的農家」の3つに分類できます。

詳しい語句の解説は後ほど補足しますが、要は「農業メインで生計を立てているか、別の仕事メインか、老後など趣味程度で行っているか」です。

 

それでは、この3つの経営形態別に年収を見て見ましょう♩

以下は、令和2年に農水省によって公開された最新のデータです。

 主業経営体準主業経営体副業的経営体
農業粗収益(売上
【万円】
2,028544247
農業経営費(経費
【万円】
1,366503191
農業所得
【万円】
66241.756.5

(引用:農林水産省「農業経営統計調査 平成30年 経営形態別経営統計(個別経営)」

 

注目するべきは農業所得の部分。いくら売上(年商)が高くても所得が低ければ、儲かっていないのと同義です。

表より農業所得はそれぞれ、主業経営体:662万円、準主業経営体:42万円、副業的経営体:57万円

農業を主な仕事としているか、別の職業と兼業して生計を立てているかによって、ここまで農業所得が異なるものなんです!

主業経営体は準主業経営体・副業的経営体と比較すると、実に10倍以上の農業所得をあげていますね。

 

【語句の説明】
主業農家

農業所得が主(農家所得の50%以上が農業所得)で、1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家。

準主業農家
農外所得が主(農家所得の50%未満が農業所得)で、1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいる農家。

副業的農家
主業農家及び準主業農家以外の農家。1年間に60日以上自営農業に従事している65歳未満の世帯員がいない農家。

農業以外の収入も合わせて見てみよう 主業・準主業・副業でどう違う?

農業以外の収入も合わせて見てみよう 主業・準主業・副業でどう違う?

さて、先ほどは形態別に”農業所得”を見てきました。

しかし「兼業」や「副業」という言葉にも表れるように、農業以外からも収入を得ている農家は多いのです。

先ほどの農業所得に農業以外の収入も合わせ、農家の総所得を見ていきましょう♩

 主業経営体準主業経営体副業的経営体
農業所得
【万円】
66241.756.5
農外所得
【万円】
47.6418150
年金等の収入
【万円】
90.895.2219
農業生産関連事業所得【万円】0.72.90.2
総所得
【万円】
801558426

まず注目するべきは、農外所得(農業以外での所得)の部分。

農外所得はそれぞれ、主業経営体:48万円、準主業経営体:420万円、副業的経営体:150万円

準主業経営体(別の職業と兼業してそちらがメインの収入源の農家)は、農外所得がかなり大きく農業所得はほんのオマケ程度です。

スタイルとしては、平日は会社員で週末や仕事終わりに農業をおこなったりしています。

兼業で農業を始めようと計画している人は、農業以外の職業でどれくらい収入を得るかがポイントとなってきますね

 

また副業的経営体は、語句の定義にもある通り、65歳以上の方ばかりです。それゆえに年金等による収入が総所得の内、かなりのウェイトを占めていますね。

 

さて、総所得を見てみると、主業経営体:800万円、準主業経営体:560万円、副業的経営体:430万円

主業経営体は準主業経営体と比べ、1.6倍もの所得を手にしています。農業をメインで行う農家の所得が大きいことがわかりますね。

この記事を読んでいる方の中には、「農業はやり方次第でもうかる」という理由で農業に興味を持った人も多いのではないでしょうか?

このように大きく稼ぎたい人は、主業農家一択です。もちろん、最初は兼業で始めるのもいいですが、農業で稼ぐならば主業農家を目指しましょう♩

 

「農家は儲からない」と言われることが多いのは、実際に所得が小さい農家が多いという原因もありますが、兼業や副業で農業を行う人も含めた収入データ、しかも農業所得のみを見ているという背景があったのです。

自分の農業形態を選ぶのに迷っている方へ

自分の農業形態を選ぶのに迷っている方へ

農業には本当にさまざまな形があり、100人農家がいれば100通りの形態があります。有機or慣行、市場出荷or直販、単目or複数品目、露路or施設…などなど。

農業経営で失敗しないためには、「将来どのような農業経営を実現したいか、どのくらい稼ぎたいか明確にしておくこと」が最も重要です。

このことを決めておけば、あらゆる局面において判断基準を自分の中で持つことができ、色んな話に惑わされずに済みますよ。

軸を決めた後は、同様の経営類型の経営体で農業アルバイトや農業インターンシップに参加し、経営主の話をたくさん聞き、やりたい農業経営のイメージを鮮明にしていきましょう。

 

最後に、もしあなたが現在会社員で、「将来農業経営者になりたい」と考えているならばこちらの読み物もおすすめですよ。

▶︎書籍「ビジネスパーソンの新・兼業農家論」を見てみる

それではまた!

 

 

▶︎作物別の年収情報はこちら

 

こちらの記事では、儲かる作物について詳しく紹介していますよ。

農家全般の年収や手取りについてのまとめ記事はこちら。

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