プラム(すもも)の育て方・栽培方法のコツ|家庭菜園のプロが教える

プラム(すもも)の育て方・栽培方法のコツ|家庭菜園のプロが教える

プラム(すもも)の栽培時期・栽培カレンダー

桃より簡単に栽培できて、家庭菜園でないとなかなか味わえない濃厚な甘味のフルーツ「プラム(すもも)」。

今回は家庭菜園のプロが、プラム(すもも)のご家庭で簡単にできる育て方・栽培方法のコツを解説します!

「酸っぱいからちょっと苦手…」という方もいるかもしれませんが、コツさえつかめば、濃厚な甘さの完熟プラム(すもも)を味わえますよ♩

プラム(すもも)、プルーンは同じ仲間の果実

プラム(すもも)、プルーンは同じ仲間の果実

プラム(すもも)


プラム(すもも)と似たような果実にプルーンがあります。

生食されている丸い形のものが、“プラム(ニホンスモモ)”、

細長くてドライフルーツになっているものが“プルーン(セイヨウスモモ)”という違いがあります。

プラム(すもも)、プルーンは同じ仲間の果実

プルーン


ニホンスモモは原産地は中国で、日本へは奈良時代頃伝わりました。

一方、プルーンはヨーロッパ南東部(コーカサス地方)原産で、日本には明治時代初期に伝わりましたが、気候的に合わず、また酸味がなかなか抜けないため栽培されませんでした。

そのため、現在ではほとんどがドライフルーツとして輸入されています。

プラム(すもも)の苗:異なる品種と一緒に植える必要がある

プラム(すもも)の栽培時期・栽培カレンダー

家庭菜園でのプラム(すもも)栽培は、日本の気候に合致し、耐寒気温もマイナス18℃と全国で育てることができるニホンスモモが最適です。

ニホンスモモの代表的な品種には、赤くモモを小ぶりにしたような「大石早生(おおいしわせ)」や、皮が緑で果肉が赤い状態で販売されていることが多いが完熟すると皮も赤くなる「ソルダム」、紫色で大粒の「貴陽(きよう)」があります。

これらの品種は1本では実がならず、自身とは異なる品種の木を植えることが必要です。

受粉用の品種としておすすめなのは、ビューティ、ハリウッド、サンタローザなどがあります。

ネット通販では「相性の良い2品種をあらかじめセットとして販売しているもの」があります。失敗しにくく、おすすめですよ♩

プラム(すもも)の苗木を探す

プラム(すもも)の土:あまり土を選ばないので栽培しやすい

地植えの場合、植え付け時には、庭土に腐葉土を入れます。酸性が強すぎる場合は、苦土石灰などで弱酸性か中性になるように調整してください。

鉢植えの場合は、市販の果樹用の土を使用すればOK。

プラム(すもも)の植え付け:11月頃日当たりの良い場所に植え付け

植え付けは11月~3月ですが、プラム(すもも)は開花期が3月下旬と早く、根が2月頃から動き出します。

そのため11月頃植え付けるとしっかり根付いてくれます。

プラム(すもも)は、日当たりが良く乾き気味のところが好みなので、植え付ける際は日当たりの良い場所を選びます。鉢植えの場合では、晴天の日は日に当てるようにしてください。

開花・人工授粉:確実に受粉させよう

開花・人工授粉:確実に受粉させよう

プラム(すもも)の開花は、3月下旬から4月で、梅より少し遅いくらいで、桜との中間です。

開花・人工授粉:確実に受粉させよう

受粉樹が必要な品種は、受粉樹があってもなかなか自然では受粉しづらく、人工授粉を行いましょう。

人工授粉の方法は簡単で、お互いの花を摘んで、相手の花にこすりつければOKです。

摘果:摘果することで最後に大きな実を収穫!

摘果:摘果することで最後に大きな実を収穫!

自然受粉や人工授粉がうまくいくと、数多くの実がつきますが、そのままにしていると小さな実にしかなりません。

果実が1cmくらいのサイズになったら、摘果をします。

密集している実は、葉16枚に実1個になるように間引きます。果実の間隔は約10cmぐらいになります。

収穫:収穫は酸味が抜けるまで待ってから

収穫:収穫は酸味が抜けるまで待ってから

いよいよ収穫。

プラム(すもも)の収穫時期は、果実の色を見て、試食して判断します。

品種によっては、早くから甘くなるものと、少し水分が抜け皮にしわができないと完熟しないもの(プルーンなど)があります。

プラム(すもも)は、種のまわりの酸味がなかなか抜けないので、ギリギリまで木で完熟すると酸味が抜けおいしくなります♩

とはいえ、ギリギリまで待ちすぎると、鳥の被害にも遭いやすいので、気持ち早めに収穫し、何日か放置して追熟させるのがおすすめです。

ちなみに、ニホンスモモの皮部分にはえぐみがあるので、皮をむくとえぐみがとれさらに食べやすくなります♩

仕立て:背を高くしないことが原則

プラム(すもも)の樹高は2.5m~3mであまり大きくならないのですが、人工授粉ができる範囲の高さで栽培しましょう。

苗を植え付けるときに、棒状の苗を50cmに切り詰めて芯を止め、しっかりした枝を育てます。

枝は2本を骨格の枝(主枝)として、上へ伸びる枝を切り詰めて高さを抑え、横に広げるように仕立てます(開心自然形仕立て)。

剪定:多くの花がつく「短果枝」を残す

剪定:多くの花がつく「短果枝」を残す

剪定は12月~2月の休眠期に行います。

植えてから何年か経ち、枝が混み合ってきたら風通しが良いように間引きます。

その際、短い枝(短果枝/たんかし)に実がつきやすいので切らないようにしてください。長い枝は1/3程度切り詰めます。

剪定の時期には「花芽」が大きくなってきます。枝の至るところに丸い芽がまとまってつきます。ふっくらとしているのが花芽で、細長い「葉芽」との区別はつきやすいです。

剪定:多くの花がつく「短果枝」を残す

プラム(すもも)の肥料:元肥7、追肥2、礼肥1の割合で

肥料は2月(元肥)、5月(追肥)、9月(礼肥)に分けて、7:2:1の割合で行います。

元肥をひと握り、追肥・礼肥は元肥から計算した割合で、株元から少し離れたところにばらまきましょう。

プラム(すもも)の病害虫:ふくろみ病は早い対策で根治

病気で注意するべきものは、灰星病(はいぼしびょう)です。

感染すると果実が腐り、ミイラ状になってしまいやっかいです。

特に雨に当たると感染するので、鉢植え栽培の場合は軒下などに避難してください

プラム(すもも)、特にセイヨウスモモは加湿にも弱いので、梅雨時は軒下に入れたままにした方がいいでしょう。水は土が乾いたらあげるくらいでOKです。

害虫にはシンクイムシがいますが、摘果後残した実に袋がけをすると防げます

実が色づいてからは鳥にも注意してください。鉢植え栽培の場合、防鳥ネットをかけるのがおすすめです。

家庭菜園プロのワンポイントアドバイス

家庭菜園プロのワンポイントアドバイス

すもも栽培では、あまり雨に当たらないようにできる鉢植え栽培がおすすめ!

虫や鳥に気をつけながら、熟すのを待ちすぎると落果することがあるので、ほんのちょっと早取りをして、追熟するのがいいかもしれません。