皆さんは、農家=忙しいというイメージをお持ちではありませんか?
確かに、朝は早く、起きてすぐ作物の様子をチェックする必要があったり、日中は出荷準備に追われたりと、やることが沢山あります。
とはいえ、冬の栽培しない時期は、やることが少なくなります。余った時間で、農家は一体何をしているのでしょうか?
そこで今回は、農家の方々の話をもとに「冬の時期に農家が行なっていること」を紹介していきたいと思います。
農家の情報はまだまだ一般的には不透明。周囲に気軽に聞ける農家がいないよ、という方はぜひ参考にして下さい。
農家の冬は暇!?農閑期はいつから?
結論から言うと、農閑期と呼ばれる、農家の手が空く時期は11月〜3月。何を育てているかで若干違いは出ますが、大まかには同じ時期だと考えてよいでしょう。
より具体的にイメージしやすくするために、例として稲作農家の年間スケジュールを見てみましょう。
1〜3月 | 土づくり |
4〜5月 | 苗づくり |
6〜9月 | 田植え・管理 |
10月 | 収穫 |
11月〜12月 | 土づくり |
上記のように、稲作農家に関しては冬から春にかけては肥沃な土を作るための準備をしていることがわかります。
このように基本的には、11月〜3月がオフシーズンとなります。
農家は冬何してる?農家の冬の過ごし方
11月から3月にかけて、農家はオフシーズン、いわゆる農閑期に入ります。この農作業をしていない時期、農家が何をして過ごしているのかを紹介していきますね。
過ごし方①来シーズンに向けて栽培準備をしている
冬の時期、農家はやることが少なくなりますが、完全になくなるわけではありません。来年度も良質な作物を栽培するために以下のような準備を行います。
- 剪定(枝を切ること)
- 土づくり
- 機械の整備
剪定
果樹を栽培する農家が主に行います。木の先っぽ、枝先を敢えて切ることで、残った枝に栄養がいくようにする作業です。雨風雪に負けないような太くて強い枝になるように、栄養が行き渡らせるのです。
土づくり
堆肥や石灰をうまく混ぜ合わせて、栄養のある土を作ります。
- 酸性度
- 化学肥料
などの調節などが土づくりには必要です。元気な実を実らせるために、土づくりから精魂込めて作業をしています。
機械の整備
機械のメンテナンスをしています。給油・給水のほか、オイルやフィルターの交換、タイヤやハンドルなどの点検をしています。ハウスの修繕を行う農家もいますよ。
過ごし方②研修・勉強会に参加している
栽培準備が終われば、研修や勉強会に参加しています。
どんな勉強会に参加しているんだろう?
大まかに分類すると3つになります。
- 栽培技術を学ぶ研修
- 経営を学ぶ研修
- 農業に必要な資格の研修
栽培技術の研修
農家は個人で経営している人が多いので、研修や勉強会などに積極的に参加して栽培技術を学んでいます。中には、弟子入りして師弟関係を築いている農家もいるそうですよ。
また、少数ですが「アグトレ」と言う海外に研修に行く農家も。
海外の現地農家は凄くて、植物の成長の仕組みや、農薬に関する考え方など本当に学べることが多いそうです。他にも、個人で海外に行って好きなところで学ぶ人もいるらしいですよ。
経営の研修
農家は1経営主として、価格設定や営業、時間の使い方など様々な視点で学ぶべきことがあります。
従業員との接し方や雇い方なども勉強する場合もあります。経営に欠かせない簿記などの研修を受ける農家もいます。
農業に必要な資格の研修
農業には機械が必須。比較的手が空く冬の時期に、トラクターやコンバインなどの機械を操作するための免許を取ったりします。
あぜ道などを走らせるときには運転免許が必要となり教習所で受講し試験に合格しなければなりません。いざ収穫の時に、慌てて免許を取るとということがないよう前もって準備しています。
過ごし方③バイト・副業をしている
家族を養っていくためにも、より稼ぎを求めてバイトや副業を行う農家もいます。
農家の中では、特にメジャーとされている副業が2つあります。
- 土木作業
- 除雪作業
この2つです。農家は体力に自信がある方が多いです。休みの時でも体が鈍らないように動かしているんですよ。
そのほかには、スキー場でのインストラクターなどのアルバイトなども多いですね。
また、最近は変わり種の副業をされている農家もいて、
- プログラミング
- webデザイナー
- ハンドメイド
で活躍される方も。
過ごし方④冬野菜の栽培・ハウス栽培をしている
冬の寒い時期がメインとなる
- 大根
- 白菜
などの冬野菜を栽培する農家もいます。
その他、ハウス栽培が出来る農家さんは時期に依らず栽培を行っていますよ。
えっ!1年中働いているの?大変じゃない?
確かに、オフシーズンの間も農作業をしているとなると、大変に感じるかもしてませんが、合間合間に休みをとっているので大丈夫なんです。
意外に感じるかもしれませんが、農家は稼げる職種です。人を雇うだけのお金はあるので、休みの日は従業員に任せたり、まとまった仕事をみんなで片付けて休める日を作ったりと工夫することができるのです。
過ごし方⑤休んで英気を養っている
次の栽培に向けての準備、勉強会の参加、バイトなどを毎日しているわけではありません。適度に休んでいます。友人や恋人とお出かけしたり、趣味に没頭・家族サービスなどをしたりと、リフレッシュの時間もちゃんと確保しています。
休み無しは大変ですからね…(笑)
実際の農家さんの様子を除いてみましょう。
北海道の農家さんって冬はこうやって遊んでたりするらしい。
— やまのぼり (@yamanobori1812) February 9, 2019
このモービル(100万超えのおもちゃ
)は遊びのために買ってお仕事用は別にある…#美瑛 pic.twitter.com/TBFWMIjqNV
毎年恒例農閑期家族旅行でレゴランド
— にがや克仁(かやくり農園) (@niganiganou) February 19, 2019
あいにくの雨でしたが、閑散期でアトラクション乗り放題
外国の旅行者が多いと思っていたら、従業員も外国の方多め
きめ細やかな対応良かったです#レゴランド pic.twitter.com/AJ5a2JqtaL
農家は、休むときはしっかり休んで、英気を養っています。そして、冬を越すと精一杯頑張るのです!
まとめ
農家の冬の過ごし方について話をしてきました。簡単にまとめてみましょう。
11月から3月の農閑期にかけて農家が行っていること
- 来シーズンに向けての栽培準備
- 研修・勉強会への参加
- バイト・副業
- 冬野菜の栽培・ハウス栽培
- 休んで英気を養う
いかがでしょうか。より農家の生活をリアルにイメージすることが出来たのではないでしょうか。
さらに農家のことを知りたい、興味があると言う方は「あぐりマッチ」で聞くことが出来ます。ぜひダウンロードして、現役の農家さんに聞いてみてください。