キャベツ農家って儲かると耳にしたけど、実際の年収はいくらだろう?
新規就農予定だけど、初心者にも設備投資が少なそうなキャベツなんてどうだろう?
こんな疑問を抱える方へ、この記事では農林水産省や行政が公開しているデータを元にキャベツのリアルな年収を大公開!
記事の後半では、キャベツ農家のメリット・デメリットや、キャベツ農家で年収1000万円を目指すために必要なことを解説しています♪
キャベツ農家のリアルな年収って?
さっそく結論です。
キャベツだけ育てている農家のデータですが、売上470万円・所得160万円です。
では、もっと詳しくみていきましょう♩
以下は、キャベツ 冬どり 平坦地 (10aあたり)の経営指標になります。
収量 | 4,800kg |
粗収益 | 47万円 |
所得 | 16万円 |
所得率 | 34.1% |
単価 | 98円/kg |
1時間当たり所得 | 2,238円/h |
出典:ぐんまアグリネット「R2農業経営指標」
そして、キャベツ農家一戸あたりの平均栽培面積はだいたい1ha(厳密には98.9a 出典:農林水産省 2005年 品目別経営統計)。
したがって、キャベツのお金事情ですが、売上470万円・所得160万円となります。
少し古いデータですが、農林水産省のデータも引用。上とそこまで変わらないですね。
10aあたり | 1戸あたり | |
農業粗収益(売上)【万円】 | 39.2 | 388 |
農業経営費(経費)【万円】 | 21.0 | 208 |
農業所得(年収)【万円】 | 18.2 | 180 |
キャベツは儲かるのか?【他の農作物と比較】
続いて、「他の農作物と比べてキャベツは儲かるのか?」というお話です♩
キャベツ栽培のメリット・デメリットを詳しくみていきます!
キャベツ栽培のメリット
特に強調したいのが、キャベツ農家は”労働時間短め。時給高め“ということ。
キャベツ農家一戸当たりの労働時間は888時間。時給は2,255円(出典:農林水産省 2007年 品目別経営統計)。
時給2255円って、結構いいお値段ですね♩
キャベツ栽培のデメリット
キャベツ栽培のデメリットは端的に言って”単価が低い“ということ。
以下の表は、東京都中央卸売市場の令和2年9月〜令和3年9月の平均取扱金額になります。市場でいくらで取引されているかわかります。
品目 | 平均取扱金額(円/kg) |
---|---|
キャベツ | 79 |
トマト | 355 |
ブロッコリー | 371 |
なす | 390 |
ほうれんそう | 497 |
にら | 671 |
アスパラガス | 1,164 |
(野菜全体) | (241) |
このようにキャベツは他の農作物に比べて㎏当たりの単価は非常に低いことがわかります。
ちなみに。。。
「卸売市場での取扱額が低いならば、産直ECで販売すればいいんじゃない?」という意見もあるかもしれません。
たしかに、食べチョクでキャベツを出品されている検索してみると大体1kg300円くらいで、1kg80円の市場での取扱額と比較すると単価が4倍程高くなります。
とはいえ、産直ECで販売したとて単価が非常に低い部類です。
従って、産直ECで個別に売るなんかよりも、大量に生産して大量に卸すのが手間がかからなくていいというのがキャベツ農家の本音です。
キャベツで年収1000万を目指すために必要なこととは?
結論から言うと、以下の2つが必要です。
・機械を導入し大規模で栽培する
ところで、キャベツ単独で年収1000万を目指すには、どのくらいの栽培面積が必要でしょうか?
先に述べたように、10aあたり年収180万だから単純計算で5.5ha(550a)必要です。
ここまでの広さになってくると、
・積極的に雇用する(家族だけでは2ha~3haが限界です)
・機械を導入し大規模で栽培する
が必須になってきます。
↓このように、プロ農家は機械を導入して手作業の工程を省いています。
お疲れ様です🍵
— SITO.(シト)@キャベツ農家 (@IaaIto) November 1, 2021
定植も7割完了🌱
植えた後はトラクターブームで10aの圃場に1000L灌水します。植わりが浅く乾燥しがちな枕地付近では速度を下げて入念にやる等工夫。ノズルも農薬散布用から灌水専用ノズルを使います。収穫するまでの灌水はこの作業のみ🙌#農業 #キャベツ pic.twitter.com/J1e5WwTS6d
おまけですが、新規就農したキャベツ農家の生活をのぞき見できる動画を載せておきます。
いかがだったでしょうか?
キャベツは売上470万円・所得160万円の作物でした。
キャベツ農家は農家の中でも設備投資が少なく、時間単価が高かったですね。
そして、キャベツ農家で年収1000万円を目指すには、当たり前ですが規模の拡大が重要でしたね。
それではまた!
こちらの記事では、儲かる作物について詳しく紹介していますよ。
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