新規就農を考えているあなたはどのような不安がありますか?
恐らく悩みのほとんどは「お金」に関することではないでしょうか?
就農にはお金が必要だけど、補助金周りはどうも難しいな…
わかりやすく説明されたものはないかな?
この記事では、そんな就農希望者のあなたに向けて「新規就農者が使える補助金」をわかりやすくご紹介!
最新の支援内容も網羅しているので、脱サラして新規参入する人も親元就農する人もぜひ参考にしてくださいね。
それでは参りましょう!
新規就農者はこれさえ抑えておけばOK!「農業次世代人材投資資金」
就農にはお金が大事!ということで補助金周りを調べたはいいものの、複雑な説明に頭がパンクしていませんか?
補助金周りって結構難しいんですよね。
ですが安心してください。新規就農者が知っておくべき補助金は極論2つです。
それは農業次世代人材投資資金というものの準備型と経営開始型です。
就農準備段階におすすめ:農業次世代人材投資資金(準備型)
・最長2年間にわたり年間最大150万円の支援
就農開始時におすすめ:農業次世代人材投資資金(経営開始型)
・最長5年間にわたり年間120〜150万円の支援
農業次世代人材投資資金を理解しよう!
それでは新規就農者が絶対おさえておくべき「農業次世代人材投資資金(旧:青年就農給付金)」について詳しく解説していきます!
現在の農業において「農業次世代人材投資資金」というのはもはや必要不可欠と言っても過言ではありません。しっかり理解しておきましょう。
まず「準備型」。
こちらは就農準備段階で、各県ごとにある農業学校での技術習得や研修などで無収入状態が続きお金に困らないよう、生活費などに充てることができます。
支援額:最大年間150万円
申請先:各都道府県
対象:49歳以下の新規就農予定の者
その他条件:都道府県が認定した学校などで1年以上研修を受けることや常勤の雇用契約を結んでいないこと、青年新規就農者ネットワークに登録するなどの条件が必要。
続いて「経営開始型」。
こちらは就農開始後収入が不安定な時期に生活費の支援として支給されます。
農業は作付けしたらすぐに収入が得られるという仕事ではありません。1年、2年、下手すれば数年に渡って生活に必要な収入が得られない場合があります。
支援額:最大年間150万円
(5年で経営が軌道に乗るのを見込み、最初の1~3年目は年150万円、4~5年目は120万円を交付)
申請先:各市町村
対象:49歳以下の新規就農者など
その他条件:農林水産省が推進する「人・農地プラン」に位置づけられること。農業法人に就職して働くケースは対象外。
昔の「青年就農給付金」から変更された点
「農業次世代人材投資資金」は以前は「青年就農給付金」と呼ばれていましたが、名前が変わり要件が厳しめになりました。
「青年就農給付金」では就農した後にすぐに辞めても良かったのですが、
「農業次世代人材投資資金」では、もし給付金をもらっていた期間と同期間以上農業を行わなければ、もらった分を返還する必要があると改定されました。
要は「途中でやめると補助金ではなく借金になる」というようなイメージです。
とはいえ、しっかり計画を立ててそれを遂行していけば問題ありませんよ。
2022年度からは経営開始型が新しく!要チェック!
実は2021年度に新たに交付対象になった人を最後に、経営開始型は終了します。
その代わりとして2022年度予算の概算要求に農水省が盛り込んだのが、なんと最大1000万円という資金でサポートする制度。
提出書類等は変わりませんが、大きく変わるポイントがあるので要チェックです!
・2021年度まで
就農5年間で最大690万円の交付
↓
・2022年度〜
最大1000万円の無利子での融資
(※「金額」「交付or融資」に注目!)
2022年度以降の具体的な流れとしては、まず日本政策金融公庫がmax1000万円を無利子で融資。
基本的にこのお金は、就農後3年以内に施設や機械を買うための資金となります。
そしてこの返済資金を、国と地方が毎年肩代わりしていくという内容です。
「設備資金しか出さない」とすると生活が立ち行かなくなるので、前年の世帯所得600万円未満の人に限り、最大で月13万円の交付金を最大3年間、使い道を限定せずに受け取ることができます。
これで設備投資をガッツリしつつ、生活面も安心して農業に取り組むことができますね。
2022年の間は新しい情報の公開がちょくちょくされるので、最新情報はご自身の目で逐一チェックしてみることを強くおすすめします。
まずは青年等就農計画制度で認定新規就農者になっておこう!
ここまで補助金についてみてきましたが、実は補助金を申請する前にしておくべきことがあります。
結論から言うと、認定新規就農者になっておく必要があります。
認定新規就農者になっておけば、先に紹介した補助金の審査が通りやすくなるというわけです。
認定されるためには、青年等就農計画制度にて青年等就農計画を作成し、審査をパスする必要があります。
青年等就農計画制度の具体的な内容
この「青年等就農計画制度」を利用する方は多いので、もう少し詳しく内容をみていきましょう。
・対象:18歳以上45歳未満の青年(例外あり)
・5年後の目標を書いた計画書を提出
・各地域にあった目標が必要
・難易度としてはそこまで高くない
この青年等就農計画制度は新たに農業経営を始める人の中でも、若者世代に対して行われる補助制度で、対象の新規就農者は18歳以上45歳未満の青年となります。
ただし例外もあり、45歳以上でも農業に関する知識・技能を有していれば65歳まで対象になります。また、農業法人であっても上記の条件に見合った役員の半数以上を占める場合で農業経営を始めてから5年以内であれば対象となります。
そして、この制度を希望する場合は経営開始から5年後の目標を設定し、計画書を作成する必要があります。
計画書では就農地や営農の種類、目標の所得に作付け面積など細かな目標設定をし、就農地の市区町村に提出し、審査を行います。
計画書で大事なのは各地域にあった目標が必要ということ。例えば都会地に近い小規模農地で北海道で行う様な大規模営農を目標にしても、審査がおりて補助金が出ることはありません。
新規就農といえどもそれなりに農業の知識と地域情報が必要となってきます。
とはいえ、難易度としてはそこまで難しくはなく、2020年度の認定新規就農者数は11,397人(法人含む)で、そのうち青年等就農計画制度を利用したのは9,225人と全体の80.9%と高い数字です。
認定のための一般的な基準としては、次の通りです。
「認定新規就農者」の認定基準:5年後の農業所得が年250万円程度の見込みがあること
「認定農業者」の認定基準:年500万円程度の収入が実現可能であること
余談:認定新規就農者になっておけば、補助金だけでなく融資でも有利に
この記事では、無料でもらえるお金である「補助金」に関する解説をしてきましたが、
認定新規就農者になると補助金だけでなく融資でも有利になります。
例えば、日本政策金融公庫からは青年等就農資金という融資を受けられます。
・「認定新規就農者」ならば無利子の融資を受ける事ができる
・融資限度額は3,700万円(特認で1億円)
・個人の場合は保証人は不要
・返済期間は12年、据置期間は最大5年以内
新規就農者にとって、非常に使いやすい資金調達の手段です。
まずは補助金、その後融資が最適か
とはいえ、就農前の技術習得など準備段階では収入がゼロとなっていることもあり、決して潤沢な資金援助とは言えません。
そして果樹など収穫までに数年必要な作物に関しては、数年間にわたって収入が少ない状況が続きます。
こういったことも考慮すると、新規就農者はまずは補助金の獲得を目指すのがおすすめです。
他にも役立つ新規就農支援を紹介
他にも、新規就農者が利用できる支援はたくさんあります。
ここでは、就農を考えている人によく使われる支援をまとめてみました。
新規就農の際には、手厚い補助金を余すことなく受け取った方が、成功する可能性が格段に上がりますよ。
農業インターンシップ事業
新規就農するにあたって、自分が農業に向いているのか不安がある場合は「農業インターンシップ事業」の制度を使ってみるのも手です。
公益社団法人日本農業法人協会が行う補助事業で、農業法人などに2日~6週間の期間に原則住み込みで農作業を体験する事が出来ます。
交通費のみ自己負担で、参加費は無料。
実際の農業従事者から話を聞けることもあり、自分に向いている就農方法を考えられる手段の1つです。
移住支援金(東京都からの移住者限定!)
さらにもし、あなたが東京圏で勤務しており、脱サラで就農を考えているのなら「移住支援金」の活用がおススメです。
移住直前の10年間で通算5年以上、東京23区に在住または通勤していた人を対象にした支援制度で、東京圏以外の地域に就職すると最大で100万円(単身者には60万円)の支援があります。
例えば、移住して農業を考えている人は、移住後に農業法人などで就職をし技術・経験を積んだ後に新規就農を目指すとその期間に支援を受け続けられるという事です。
経営継承・発展等支援事業
さらに親の農地を継承する場合には「経営継承・発展等支援事業」を使う事が可能です。
販路の開拓、新品種の導入など新しい取組を行う場合に必要となる経費が100万円を上限に1/2を国・市町村が負担してくれる事業です。
他にも各自治体ごとに農地を貸してくれたり、新しい品種の作付け補助など独自な取り組みも行っています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「本気で農業経営をするぞ」という就農予定の方に対しては、かなり手厚い補助金が用意されています。
自身の生活基盤を安定させたうえで、農業という分野に挑戦できるという事は、安心ですね。
補助金や給付金、様々な支援・施策を活用して、あなたの農ライフをスタートさせてみてはいかがでしょうか?