未経験だけど農業に就職した女性

農業未経験でも就職できるのはなぜ?リアルな農家に聞いた採用事情

毎日、パソコンと向き合う事務作業。増えない給与明細。満員電車で揺られる日々。

思えばかなり疲れていませんか?

ふとニュースでお野菜や農家さんを目にすると「農業楽しそうだな〜」と思ったことがあるはずです。

しかし、農業に興味を持っても仕事にする人はごぐわずか。みんな「未経験」だからと言って農業を諦めてしまっているんですよね。

農業界は「素人が踏み入ることが難しい世界」というイメージを持たれやすいですが、実は違うんです。未経験の人でも、就職して農業を経験することは全然出来るんですよ。

今回は、実際の農家さんの話を引用して、農業未経験者でも農業法人に就職出来る理由と就職するにあたってやっておきたいことについて述べていきます。

新規就農を考えている人、必見です。

農業経験ゼロ!未経験でも農業法人に就職できるわけ

未経験でも農業法人に就職できる理由

農業経験ゼロの素人でも農業で就職することは可能です。

実際の農家さんの話をもとに、未経験でも農業界に参入できる理由をご紹介します♪

理由1:そもそも農家でも農業経験がない人が多いから

農家と聞けば、「農学部や農業学校に通っていた人ばかりでは?」とイメージしますよね。

実はこれ全く違います。

実際に私が訪問したある農家さんは、他業界から転職してきた人が大半でした。農業の可能性を感じて、ブライダル業界から転職してきたという農家さんもいらっしゃいました。

全国新規就農相談センターの「新規就農者の就農実態に関す調査」では、全新規就農者のうち就農前に農業関連で働いていたという人は全体のわずか9.7%しかいないという結果が出ています。

さらには、全新規就農者のうち農業系の高校や大学に通っていた人の数は半数を下回るという結果も出ています。

最終学歴割合(%)
農業高校2.2
農業系以外の高校26.4
農業大学校4.5
農学系の大学・大学院10.4
農学系以外の大学・大学院34.8

また、農業大学校を卒業しても全員が農家になるわけではありません。

農水省の「道府県農業大学校における農業教育・就農支援の現状と課題」によると、卒業後に農業に従事と関係ない企業に就職をした人はなんと35.9%

このように農業と全く関わりがなくても、農家になった人が十分にいるということがわかります。採用側も農業界の事情をわかっていますので、未経験者も採用しているのです。

ちなみに、ある農場長のお話ですが、農業学校を出たからといって実際農業で生計を立てていく技術が高いか?といえばそうでもないです。普通の人とスタートラインは同じだとか。

理由2:農業以外のスキルの方が役に立つ意見が多いから

農業以外のスキルの方が、就職後の仕事に役に立っているという意見が多いです。

農業大学校など農業に関する学校では、幅広く農業について学びますよね。逆を言えば、自分の興味あることを専門的に学べる機会は少ないとも言えます。

農家さんの話でも、学校で習った知識は全然役に立たないという意見が多数でした。

机上の空論ばかりで、教科書に載っている話は自分の土地の性質までは考慮していない
正直、お遊び程度の内容でしかなかった

厳しい意見が並びますが、人によっては農業系の進路を選択しても農家のスキルに繋がらないようです。

逆に、就農前に農業以外の職種だった人でも、前職での経験を生かせているという声はちゃんとあります。

  • 営業スキル
  • マーケティングスキル
  • プロモーションスキル
  • 財務・経理の知識

農業は体力的な仕事がある一方、販路拡大のための人脈作りだったり営業スキル、経営・財務に関する知識も必須です。就職という形であっても、企業からすると多様なスキルを持つ人材は貴重な存在となるのです。

特に、この記事を読んでいる女性の方は、チャンスです!

女性は特にマーケティングやプロモーションのスキルが高い人が多く農業経営に大きく貢献できるからです。

実際、農業経営が上手くいっている農家さんの共通点として、「消費者がどうすれば喜ぶか」を深くまで考察しているという点が挙げられます。

そして女性は男性に比べて、「なんとなくかわいいから」「なんとなくおしゃれだから」などと、受け取った人が喜ぶようなものに対する感性に長けています。そしてその感性は往々にして正しいです。

したがって、女性はマーケティングやプロモーションのスキルが元々高く、農業経営に大きく貢献できるというわけです。

正直多くの消費者に愛される商品やブランドなどは女性のアイデアから生み出されたものが多いです。成功している農家さんが独身ではなくご夫婦であることも関係していそう!

理由3:農業界では就職するのに特別な資格はいらない

農業界では、就職において特別な資格は求められていません。最低限必要な資格といえば自動車免許ぐらいです。

また、大型免許があると、企業によっては喜ばれることがあります。

未経験でも農業法人に就職するためにやっておきたいこと

農業で就職するのに必要なこと

農業を全くしたことがないという人でも、農業に携わることは可能という話をしてきました。ですが、何もせずいきなり面接に行っても採用される率は低いでしょう。

ちゃんと農業法人に就職できるよう、やっておきたいことを解説します。

農業がやりたいという熱意を伝えられるようにしよう

農業をしたことがない人は特に、「どうしても農業がやりたいんだ」という熱意を伝えられるようにしておく必要があります。

一体なぜでしょうか?

答えは採用側としてはすぐに辞められては困るから。農業法人も一つの企業。採用にはコストがかかります。採用には慎重なスタンスをとっています。

「本当にこの人を雇っていいのだろうか?ウチとしては長く勤める人を採用したいんだけど大丈夫だろうか」

すぐに辞められると、人材育成にかけた時間やお金が全て無駄になります。採用側としては早期離職が一番のネック。特に未経験の人だと、馴染めずすぐに根を上げるのではないかという不安を抱いています。

だからこそ、農業をやりたいという強い思いをぶつけられるようにすることが必要なのです。自分のまっすぐな思いが伝われば、すぐには辞めないと採用側も安心することができ、無事採用に繋がるというわけです。

実際に農家のもとへ行って働く

熱意を見せるのに手っ取り早いのが、経験してみるということ。「自分から農家とアポを取って農場で働きに行った」と話せれば、凄く熱意があるんだなと感じますよね。

まずは無給でもベテラン農家のところで働きに出ましょう。技術や信頼関係もgetできます。上手くいけば、

  • 農家の紹介で企業に就職できる
  • 土地をもらえる
  • 土地やお金、いい農作物の種を持っている人を紹介してもらう

など非常に多くのメリットを手にできます。

そのまま農家として独立できてしまうかもしれないですね!!

農業を体験する方法は5つあります。自分に合った方法で農業を体験してみてください。

農業をしたことがないというなら、まずは体験しましょう!農家のもとで修行してから、就職しても遅くはありません。実体験ベースの話をして、熱意を伝えるようにしましょう。

農業に関する知識を蓄えよう

実際に農家のもとに行って働く他に、農業について知識を入れておくとさらに熱意があることを伝えられます。

農業を勉強するならツールを使いましょう。農業を独学で学べる神ツールについてはこちら。

アプリでも農業を勉強することが可能です。

その他、必須ではありませんが熱意を見せるために資格を取るという方法もあります。

日本農業技術検定という農業を学ぶ学生や農業を仕事にしたい人のための検定があります。

合格すれば、合格証明書を発行できるので、農業への熱意をアピールしやすいですよね。ぜひ挑戦してみてください。

まとめ

新規就農を考える女性に向けて、未経験でも農業法人に就職できる理由や就農に必要なことを紹介してきました。

簡潔に振り返りましょう。

未経験でも就農できる理由

  1. 農家でも農業経験がない人が多いから
  2. 農業以外のスキルが役に立つという意見が多いから
  3. 農業界では就職するのに特別な資格はいらないから

未経験でも農業法人に就職するためにやっておきたいこと

  1. 農業がやりたいという熱意を伝えられるようにする
  2. 農業に取り組む

新規就農に際し、まず農業法人で働くという選択肢は非常に理にかなっています。女性が何もないところから農業を始めるのは非常に困難。ハードルがとても高いです。

ハードルの高さを解決するために、就職の他に、「農家との結婚」という選択をする女性の方も非常に多いです。

優しいパートナーに教わりながら始める農業もすごく楽しいです。農家を志す女性はぜひ選択肢の一つとして頭に入れておきましょう。