農家が経費で落とせるものって何がある?税金対策に役立つ情報を解説

【農家が経費で落とせるもの大全】税金対策に役立つ情報を解説!

農業経営に関する経費って何となくしか理解していないなぁ
経費で落とせるもの・落とせないものを理解しておきたいな。

お得な税金対策を知りたいな。

車を買うのはどうなんだろう?

このような農家さんのために、本記事では「農家が経費で落とせるもの/経費にならないもの」を徹底解説します。

正しくかつお得に税金対策を行うために「農家が経費で落とせるもの」をしっかり理解しておきましょう!

経費計上の重要性

本題に入る前に、そもそも「経費で落とせるもの」を把握することの重要性について解説します。

「経費で落とせるもの/落とせないもの」の判断基準を間違えていると、単純にあなたが損したり、場合によってはペナルティが付与されることもありますよ。

「経費で落とす」とは?

よく「経費で落とす」という表現を耳にする機会があると思いますが、これは「経費として計上・申告する」ことを意味します。

例えば「○○の費用10万円を経費で落とす」という場合には、10万円を事業の経費として計上し、申告することを意味しているのです。

経費計上を適切に行うことの重要性

経費計上を適切に行うことには、2つの重要な意味があります。

1つ目は「税金対策になる」ことです。

基本的に、事業で収める税金は「利益」に一定の税率をかけ算して納税額が決まります。

この利益計算の基本モデルは「売上ー費用ー控除」で求められるため、経費が多いほど最終的に利益は小さくなり、納税するべき金額も小さくなるのです。

 

2つ目に「税務調査を乗り切るため」という理由もあります。

経費が多いほど利益は小さくなり、納税額も小さくなりますので、少しでも多くの経費を計上して利益額を小さく見せたいと考えるでしょう。

しかし、「経費として認められる支出」については問題ないのですが、「経費とは認められない支出」まで経費として申告すると、場合によっては「過少申告」などのペナルティが課せられます。

そのため、経費で落とせる支出を正確に把握することは、正しく納税してペナルティを回避するために必要なことなのです。

農家が経費で落とせるもの一覧

農家が経費で落とせるもの一覧

いよいよ本題です。

農業界もビジネスモデルの変化に伴い、さまざまな経費が農業経費として認められてきています。

2022年2月時点では、以下のような経費が農業経費として扱われており、農家が経費として落とせるものとして認められています。

農家が経費として落とせるもの一覧(※2022年2月現在)

・雇人費:雇用に関する費用(交通費支給も含む)
・小作料、賃借料:小作料や選果場、農機具などの利用料
・減価償却費:農業用の車や農機具などの減価償却費
・貸倒金:農業の売掛金の貸倒損失の計上
・租税公課:農業に関わる消費税や固定資産税、自動車税など
・種苗費:種苗の購入費用
・肥料費:肥料の購入費用
・農具購入費:取得価格10万円未満または使用期限1年未満の農具の購入費用(該当しないものは「減価償却費」に)
・農薬衛生費:農薬の購入費用
・修繕費:農機具や農業用車両、農業用施設などの修繕費用
・諸材料費:農業用に購入した消耗品の購入費用
・動力光熱費:農業に使用した水道光熱費、燃油代など
・作業用衣料費:農業に使用する衣料(作業着や長靴など)の費用
・荷造運賃手数料:生産物の販売に必要な経費
・農業共済金:共済掛金や農業用車両の任意保険料など
・利子割引料:農業に関わる借入金等の支払利息
・土地改良費:農業用の土地の改良事業に関わる費用
・研修費:農業関係の講習会の負担金や研修用資料の購入費用など
・通信費:農業に使用した切手や電話、インターネット利用料など
・接待交際費:農業に関わる慶弔費や交際費など
・固定資産処分損:農業用資産を処分した際の損失分
・雑費:上記の他の項目に該当しない農業用の支出

 

参考
https://www.town.shiroishi.lg.jp/var/rev0/0003/7278/11611116139.pdf
https://www.town.masaki.ehime.jp/uploaded/attachment/4828.pdf
http://nana-77.sakura.ne.jp/nanawatari/jitikai/Tax/tax-keihi.php

農家が経費で落とせない支出とは?

農家が経費で落とせない支出とは?

一方、農家のあなたが経費計算する際には「農業経費とは認められない支出」も理解しておく必要があります。

「経費になるものはどんなものか」を考えればOK

農業経費にならない支出を全て覚えるのは大変ですが、

逆に「農業経費になる支出はどんな支出か?」を考えれば簡単に理解できます。

「農業経費として認められる支出」とは、農家が「事業(農業)のために支払ったお金」のことです。

上記で挙げたような内容であれば、基本的に農業経費として認められるため、農家は経費で落とせる支出だといえます。

例えば「農業用の畑に植えるための種の購入代金」「農業用ビニールハウスを修繕した際の費用」のように、明らかに農家が農業用のために支払ったお金は、農業経費として申告して税金対策になるのです。

農業経費にならない支出とは?

では「農業経費にならない支出」とは何かといえば、支出全体のうち「農業経費として認められるものをすべて除いた残り」ということになります。

例えば「日々の食費」「農業に使わない自動車に関する費用」「農業に関係しない書籍の購入費用」などは、農家は経費で落とせない支出となります。

農業経費は「農業のために使ったお金」であるため「農業とは全く関係しない支出」は農業経費とは認められず、これを経費として申告してしまうと税務調査でペナルティを科せられる可能性があるのです。

グレーゾーンの支出はどうなる?

ここで気になった方も多いでしょうが、支出の中には「農業にもプライベートにも使っている支出」があるはずです。

では、こうしたグレーゾーン的な支出はどうするのかというと、家事按分という考え方を用います。

例えば、農業にもプライベートにも使っている「建物に関する費用」「自動車に関する費用」「通信に関する費用」のうち、いくらかは農業用で、残りはプライベート用になりますので、前者は経費として計上するべき支出ということになります。

そこで、家事按分はこうした支出を「事業分」と「プライベート分」に分けて、事業分の割合だけ経費として認めるという扱いをするのです。

例えば「自宅兼農業用の建物」の場合、農業用の部屋の面積が全体の4割であれば、その建物の家賃のうち4割については農業経費として認められます(白色申告の場合は事業分5割以上の場合に限定される)。

農家が税金対策をするための税制支援

農家が税金対策するにはまずは適切に経費計上することが重要ですが、さらに税金対策をしたいのであれば「税制支援」を利用することをおすすめします。

農林水産省のホームページでは、農業経営の安定と発展を後押しするための税制措置について掲載されており、これらの税制のうち利用可能な制度を利用することによって納税において優遇を受けられるのです。

▶︎農林水産省 税制措置のページ

農家として健全な経営を続けていくためには、面倒かもしれませんがこうした税制支援についても一通り目を通しておき、臨機応変に対応できる知識を身に着けておくことが重要です。

農家が経費で落とせるものは正確に把握しておこう!

いかがだったでしょうか?

農家が経費で落とせるものを理解しておけば、自然と税金対策と税務調査対策になります。

正しく経費計上して税金対策を行い、経営をスムーズに続けられるようにしましょう。

また、各種税制支援も税金対策になりますので、利用できる制度は利用して税金で優遇措置を受けてくださいね。