反収とは「1反(約10a)あたりの作物の収量」ですが、反収の高い作物って何なのでしょうか?
野菜の反収を一覧で見たいな
反収の大きい野菜を知りたい!
もっというと儲かる農作物を知りたいなぁ
そんな農家さん・農業に興味がある方に向けて、
今回は野菜の反収一覧・反収が大きい野菜ランキング・実際に反収を上げるポイントを大公開!
「農林水産省と東京中央卸売市場が公開する最新のデータ」がソース元となっているので、今すぐ利用できる情報になっていますよ♩
野菜の反収一覧【2022年最新版】
今回は、農林水産省が公開している最新の作況調査(令和2年産)に基づいて
野菜の反収を見ていきます♩
以下は、各野菜における10aあたりの収量(kg)をまとめた表になります。
(参考:農林水産省「令和2年産 作況調査」)
野菜の反収ランキング【1反あたりの売上も】
それではいよいよ、反収が大きい野菜ランキングを見ていきましょう♩
以下は、先程の農林水産省「作況調査」に基づき作成した
「野菜の反収ランキング トップ10」になります。
…どうでしょう?
あなたが栽培する作物はランクインしていますか?
以下、それぞれの野菜の反収を見ていきますが、合わせて取引価格・1反あたりの売上高も掲載しています。(取引価格は東京中央卸売市場の令和3年取扱実績を参照。)
「どのくらいの収量か?」だけで終わらず「どのくらいの売上が出るか?」までわかりますよ♩
【第1位】なす(冬春)👑
反収:11,100kg
取引価格:430円/kg
1反あたり売上:477万円(反収×取引価格)
12~6月に出荷されます(※そのため、取引価格は12〜6月の取引額から計算。以下同様)。
なすは一般的に夏野菜のイメージが強いですが、ハウスで育てることで敢えて時期をずらし、高単価での取引を実現します。これが冬春なすです。
【第2位】きゅうり(冬春)👑
反収:10,600kg
取引価格:317円/kg
1反あたり売上:336万円(反収×取引価格)
12~6月に出荷されます。
冬春なす同様ハウスで育てて、夏になる前に高単価でさばくというのが冬春きゅうりです。
【第3位】ピーマン(冬春)👑
反収:10,200kg
取引価格:502円/kg
1反あたり売上:512万円(反収×取引価格)
11月~5月に出荷されます。
特に宮崎県での栽培が盛んです。温暖な冬季の気象条件がピーマンの栽培に最適なんです。
【第4位】トマト(冬春)
反収:9,940kg
取引価格:339円/kg
1反あたり売上:337万円(反収×取引価格)
12月~6月に出荷されます。
特に熊本県での栽培が盛んです。冬季の日照時間が長いのがトマトの栽培に向いています。
【第5位】白菜(夏)
反収:7,040kg
取引価格:97.0円/kg
1反あたり売上:68.3万円(反収×取引価格)
7~9月に出荷されます。
冬の鍋の主役「白菜」も夏にも出荷されています。
冷涼な気候が向いているため、夏の白菜は涼しい地域、たとえば長野県での栽培が有名です。
【第6位】セロリ(セルリー)
反収:5,460kg
取引価格:251円/kg
1反あたり売上:137万円(反収×取引価格)
比較的マイナーな野菜セロリ。
冬季の収穫が多く価格が落ちるため、8~9月に収穫できると高単価になります。
【第7位】玉ねぎ
反収:5,320kg
取引価格:113円/kg
1反あたり売上:60.1万円(反収×取引価格)
出荷量の6割を占める北海道では、玉ねぎは9〜4月の秋から春にかけて出荷されます。
そのため、北海道の収穫時期が来る前の夏頃に売り抜くと高収益を実現できます。
【第8位】キャベツ
反収:4,740kg
取引価格:74.0円/kg
1反あたり売上:35.1万円(反収×取引価格)
元々キャベツは冷涼な気候を好み、夏場には栽培が難しい野菜でした。
今では品種改良がされ、産地をリレー式にすることで年間を通して流通するようになりました。
また、キャベツなど葉野菜は年によって価格が変動しやすく、相場を読むのはなかなか難しいのが特徴です。
【第9位】だいこん
反収:4,630kg
取引価格:82.0円/kg
1反あたり売上:38.0万円(反収×取引価格)
大根の旬は11~2月です。旬が来る前の6〜10月に相場が高くなります。
【第10位】にんじん
反収:3,830kg
取引価格:128円/kg
1反あたり売上:49.0万円(反収×取引価格)
にんじんは年間を通して価格の変動が比較的少ない野菜です。
貯蔵もできることから需要に合わせて供給量を調整することで価格が安定しやすいです。
野菜の反収を上げるには?【収量アップの方法3選】
さて、最後に「反収を上げるための方法」を紹介して締めたいと思います。
反収を上げるためには、大きく分けて以下の3つの方法があります。
①播種・定植数を最適化する
②ロス率を下げる
③品種を見直す
①播種・定植数を最適化する
一個一個を大きくしようとして、播種・定植数が少なすぎる場合、当然ですが反収は下がります。
逆に、これでもかと敷き詰めてしまうとサイズが大きくならずに反収が伸びません。
土質や気候にもよるため、毎年PDCAを回すことで自身の畑における最適な播種・定植数を導き出しましょう。
②ロス率を下げる
多くのプロ農家はロス率を抑えられる栽培技術を習得しています。
ロス率を抑えるためには、定植後の栽培管理や収穫管理をすることが大切です。どの段階でどんなロスがどの程度発生しているかを数値で記録しましょう。
また、園内を頻繁に見回り、観察し、データや気づきをデータとして毎日蓄積していくことも欠かせません。
③品種を見直す
反収を上げるためには、そもそも品種を見直してみるのも大事でしょう。
品種選びは反収だけでなく取引単価との兼ね合いもあるため、慎重になる必要があります。