収益性がそこそこ高く、自己資金が少なくて済む農業を知りたいなぁ。
新規就農予定だが、品目は未定。
自己資金はあまりないので、融資少なめで兼業農家から始めたいなぁ。
このように、「新規就農したいけれども、いきなり大金を借りずに小さく始め、数年後に軌道に乗ったら大きく借入して経営規模を拡大していきたい」という方は多いのではないでしょうか?
今回の記事では、初期投資額が少ない農業を解説していきます。
親元就農ではなく、新規参入した農家のデータを元にしているため、参考になること間違いなし!
日本農業の将来を考えると、大規模で大きなビジネスを展開するのが理想ですが、リスクを抑えて小さく始める農業も賢い選択ですよ♩
初期投資が少ない農業って? 初期投資額の平均を見てみよう
農業以外で起業する場合もそうですが、初期投資が必要です。
農業の場合では
・ハウスなどの施設
・軽トラやトラクター、草刈機などの機械
が大きな初期投資になります。
さて、そんな初期投資が少額で済む農業形態は何でしょう?
結論から言うと、
1位:露地野菜
2位:果樹
3位:水稲・麦・雑穀・豆
となります。
それではもっと詳しく見ていきましょう♩
以下は、就農1年目の農家の初期投資額になります。
新規就農者の中でも”新規参入者”のみのデータです。
既に農業機械・土地・ノウハウを持っている”親元就農者“を除いたデータなので、
「実家は農家じゃないけど農業を始めたい」という方には参考になる数値ですね。
農業形態 | 平均値 | 中央値 |
露地野菜 | 319万円 | 230万円 |
果樹 | 360万円 | 230万円 |
水稲・麦・雑穀・豆 | 556万円 | 280万円 |
花き | 763万円 | 400万円 |
施設野菜 | 826万円 | 440万円 |
畜産(酪農以外) | 1,420万円 | 350万円 |
酪農 | 2,473万円 | 1,550万円 |
(全体) | 569万円 | 300万円 |
(引用:全国農業会議所全国新規就農相談センター「平成28年度 新規就農者の就農実態調査」)
いかがでしょうか?
「農業は初期投資が結構かかる」と言われますが、農業形態によってかなり大きなばらつきがありますよね。
・露地野菜:初期投資は小さいが収益性は低め
・畜産・施設野菜・花き:初期投資は大きいが収益性は高め
と覚えておけばOKです。
初期投資が少なくて済む農業を志向する方は、露地野菜を第一に考えていきましょう♩
就農の自己資金や売上のイメージをつかもう
ここまで、新規参入者が平均でどのくらいの初期投資をしているのかをみてきました。
就農のイメージをつかむためにも初期投資額だけでなく、自己資金や売上の平均値も頭に入れておきましょう♩
初期投資が少なくて済む露地栽培のケースを取り上げ、
平均でどのくらい自己資金を持って農業に参入し、どのくらいの初期投資をし、どのくらいの売上をあげているのかをみていきます。
就農1年目の自己資金
・営農面での自己資金187万円
・生活面での自己資金151万円
計338万円の自己資金を準備して参入するというのが平均です。
「自己資金は少なくとも300万円準備しておけ」とよく言われますよね。
就農1年目の費用
実際に農業経営を始めると、1年目で319万円の費用がかかります。
費用319万円の内訳は
・機械/施設等への費用:216万円
・種苗/肥料/燃料等への費用:103万円
です。
やはり機械・施設等に大半が注ぎ込まれます。
就農1年目の売上
就農1年目の気になる売上ですが、農産物売上高は161万円となっています。
先ほどの費用319万円と比較するとマイナスですね。
たしかに専業農家の所得は会社員の所得を上回りますが、就農1年目から稼げるという人はあまりいません。
2〜3年でようやく軌道に乗ってきて、一人前になるために5年必要と考えておくのが無難です。
初期投資が少ない、栽培初心者におすすめな作物
最後に、初期投資が少なくて済み、かつ栽培初心者におすすめな露地野菜を3つ紹介して、この記事を締めたいと思います。
・きゅうり
・小松菜
・玉ねぎ
きゅうり
きゅうりは、初夏から秋にかけて作れる野菜です。夏野菜として家庭菜園でもよく育てられますよね。
栽培してから収穫までの期間が短く、単位面積あたりの収量も大きいのもおすすめの理由!
ちなみに、きゅうり専業の農家は、冬に暖房をきかしたハウスで育てます。冬場の高単価で取引することで儲けると言う戦略です。
小松菜
小松菜やほうれん草といった葉物野菜は、
・栽培技術の習得が容易
・一年に何度も収穫できる
のが特徴です。
暑さや寒さに強く、連作障害も起こりにくいのも注目ポイント!
玉ねぎ
玉ねぎは非常に栽培しやすいおすすめの根菜類です。天候の影響を受けにくく、保存も効くので安定した売上が見込めます。
近年、玉ねぎの需要は伸びており、機械化を進めたり、お米の裏作として栽培したりすることで高収入を上げている農家もいますよ。
最後に、「おすすめの作物はわかったけど、実際にどうやって売上を伸ばしていくかイメージが湧かない…」という方におすすめの書籍を紹介して締めたいと思います。
「農地は広くないし従業員もいないけど、効率よく稼ぎたい!」という方は必見です。
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