コールラビは和名で「かぶかんらん」とも呼ばれるアブラナ科の野菜です。かんらんはキャベツの仲間を指し、かぶのように肥大した茎の根元部分を食べます。
アブラナ科らしい味に加えて、リンゴのような甘みがふわっと感じられます。珍しい味にハマる人が続出の野菜です♩
また、種まきからたった2か月で収穫でき、手間も少なめなので、家庭菜園初心者の方にもおすすめの野菜となっています。
今回は、おいしいコールラビの家庭菜園での育て方を若手農家が解説します。
“種まきの時期”や”植え付けの方法”だけでなく、おいしい状態で収穫するためのコツもご紹介!
あなたも”柔らかくて甘みが強い”ベストな状態でコールラビを楽しむことができますよ♩
コールラビの栽培期間
コールラビの栽培は、真冬を除いて可能です。
関東地方では3月の暖かくなってきた頃から種まきが始められ、9月の終わりまで種まきができます。
暖かい時期は、順調に生育すれば、種まきから約2ヶ月ほどで収穫できます。
寒い時期は生育がゆっくりになるので、9月の終わりに種まきをすると、年明け1月くらいまで収穫可能です。
初心者の方は、4月頃と9月の始め頃に種まきをすると育てやすくおすすめです!
コールラビの土作り
苗の植え付けの約2週間前に、1㎡あたり苦土石灰100gを施して、よく耕しましょう。
その約1週間後に、1㎡あたり完熟堆肥3kg、化成肥料200g をまいて改めて耕します。
また、排水性をよくするために、幅80cm、高さ10㎝ほどの畝を立てます。
マルチはなくてもOK。ですが、春の早い時期に育てる場合は、地温確保のためにマルチを敷くと効果的です。雑草予防にもなり、管理が格段に楽になりますよ。
コールラビの種まき
3号のポリポットか、セルトレイに種まき用の用土を詰めます。
上の画像のように、指先で穴をあけ、ポットであれば4~5粒、セルトレイであれば2~3粒の種をまきましょう。
少し土を被せて鎮圧し、たっぷりと水やりをしてください。
コールラビの育苗管理
発芽し始めるまでは、濡れた新聞紙をかけて保湿しておきましょう。
発芽が始まれば新聞紙を外して、日当たりの良い場所で管理してください。
水やりは毎日おこないますが、曇りや雨の日は控えめにしましょう。また、なるべく朝から午前中に水やりをするようにしてください。
発芽が揃ったら、生育のよい2~3本を残して間引きます。
最終的に、本葉が4~5枚に育つまで育苗してください。
コールラビの植え付け
本葉が4~5枚になったら植え付けをおこないます。
まずは株間20~30cm、条間25cmで植え穴をあけておきます。
そして、ポットから根鉢を崩さないように抜いて植え付けていきます。この時に、根鉢の表面と畝の表面の高さが揃うように植え付けてください。
植え付け後はたっぷりと水やりをします。害虫対策として防虫ネットでトンネル掛けすると効果的ですよ。
コールラビの手入れ
追肥と土寄せ
上の写真のように茎が太り始めた頃に、1㎡あたり化成肥料30~50gほどを施します。
肥料をまいた後は、除草を兼ねながら土寄せをしてください。
マルチをしている場合は土寄せをしなくてOKです。
摘葉
茎が太ってくると、下葉が垂れ始めてきます。
そのままでもよいですが、摘葉することで風通しがよくなり、病害虫の被害を受けにくくなります。
また、摘葉は茎の肥大を促す効果も期待できます。
摘葉する際は、垂れた葉の根元をハサミで切って取り除きます。摘葉後は5~6枚の葉を残すように注意してください。
コールラビの収穫
コールラビは球形の可食部が直径5~10cmほどになったら収穫できます。
目安としては、野球ボールぐらいのサイズになったら収穫と覚えておきましょう♩
収穫方法は、球の根元をハサミで切って収穫をします。
大きくなったものから順番に収穫していくと、残りの株への日当たりが良くなり順次成長していきますよ。
ちなみに、コールラビには緑色や紫色の皮の品種がありますが、皮を剥くとどちらも白っぽいです。
収穫が遅れると筋っぽくなり硬くなるので遅れずに収穫しましょう。
コールラビの病害虫対策
コールラビにも病気や害虫が発生します。
対策としては、”防虫ネットをかけること“・”畝を立てること“・”連作をしないこと“です。
アオムシ
アブラナ科であるコールラビはアオムシが付きやすいです。葉を食害するので、可食部への影響は少ないですが、生育が悪くなります。
対策としては、防虫ネットをして産卵されるのを防ぎましょう。こまめに見回りをして見つけ次第捕殺してください。
ヨトウムシ
ヨトウガ類の幼虫で、葉を食害してボロボロにしてしまいます。アオムシと違い、昼間は土に隠れ、夜に活動するので見つけにくく厄介な存在です。葉っぱに穴が開いているにも関わらず、害虫類が見当たらない場合は本種を疑いましょう。
対策としては、やはり防虫ネットを掛けて親の産卵を防ぐのが第一です。
また孵化したての幼虫は、葉の裏に隠れるので、見つけ次第捕殺します。成長すると土の中に隠れるようになるので、夜に見回りして捕殺するのが効果的です。なかなか見つけられない場合や、夜に見回りができない場合は薬を散布して駆除しましょう。
根こぶ病
根こぶ病とは糸状菌によって、根にこぶできて次第に枯れていく病気です。
初期症状は日中に萎れ、夜間に回復するということを繰り返します。やがて生育が悪化して、最終的に枯れてしまいます。
対策としては、まずアブラナ科の野菜の連作をStopしましょう。また、水はけが悪いと発生しやすいので、畝を立てて水はけをよくしてください。
万が一発症してしまった場合は、抜き取って畑の外で処分しましょう。
立枯れ病
立枯れ病はカビが原因で発症します。茎の根元から腐敗し、やがて枯れてしまう病気です。
高温多湿の環境で発症するケースが多いので、こちらも対策として畝を立てて水はけをよくしましょう。
また植え付けの際に、深く植えすぎると茎が土に埋もれ、茎周りが多湿な環境となるので、深植えに注意してください。万が一発症した場合は、抜き取って処分しましょう。
連作障害
コールラビを含みアブラナ科の作物は連作障害が発生しやすいです。
アブラナ科を育てた場所で、またアブラナ科を育てる場合は、2〜3年ほどあけて栽培してください。
プロ農家のワンポイントアドバイス
コールラビで一番大切なのは、収穫のタイミングです。
大きなものは見栄えがいいので、ついつい収穫を先延ばしにしがちです。
しかし本当に美味しい時期は短いので、早めに収穫を心がけましょう。
ベストな時期に収穫できれば、とっても柔らかくて甘味が強く最高ですよ♩
今回は初心者の方でも失敗しないように、育て方をかなり細かく解説しました。
もちろん全部を理解する必要はありません。自由に始められるのも家庭菜園の楽しいところですよね。
あなたが実際に育てていて何かわからないことがあった時、この記事に立ち戻ってくるときっと役立つと思います。
それではまた!