農業法人が利用できる補助金はどんなものがある?調べ方と注意点を解説

農業法人が利用できる補助金はどんなものがある?調べ方と注意点を解説

農業法人を設立しようとすると、いろんな事にお金がかかって大変ですよね…

そんな経営者を支援して、農業法人の設立・運営にかかる費用負担を軽減するためには『補助金』などの制度を利用するのが一番だよ

農業法人が利用できる補助金って、どんなものがあるんですか?

では今回は、農業法人が利用できる補助金の調べ方と、補助金を利用する際に注意したいポイントについて解説しよう

農業法人が利用できる補助金について

農業法人が利用できる補助金について

農業法人は、さまざまな「補助金」などの制度を利用し、経営に必要な金銭的な負担を軽減することが可能です。

では、どのような補助金があり、どの補助金であれば利用できるのかについて調べるためにはどうすれば良いでしょう?

結論から言うと、農林水産省のHPにある「逆引き事典」を利用するのが最も手っ取り早いです。
▶︎参考:農林水産省 逆引き事典

 

このページでは、いくつかの条件を設定することによって、その条件において利用できる補助制度の一覧を表示してくれる機能を利用できます。

農業法人が利用できる補助金の探し方って?

引用:農林水産省「逆引き事典」


例えば、”農業法人の設立のために利用できる補助金制度”を調べたいのであれば、「法人化したい」にチェックを入れてみます。

農業法人が利用できる補助金の探し方って?

引用:農林水産省「逆引き事典」


すると、設定した条件に合致する補助制度が一覧で表示されます。

補助制度の詳しい内容については、補助制度の各ページに掲載されていますので確認してください。

農業法人が利用できる補助金の一例

制度名:経営継承・発展等支援事業(令和3年度予算)

  • 制度の概要:後継者が経営継承後の経営発展に関する計画を策定し、その計画に基づく取り組みを行うために必要な経費を市町村と一体となって支援する制度
  • 公募時期:未定(令和4年3月末時点)
  • 補助率:経営発展に向けた取り組みに要する経費【2分の1以内(上限100万円(国と市町村それぞれ2分の1))】
  • 対象者:中心経営体等の後継者である農業者(個人・法人)(市町村による予算措置が必要)

また、採択率はどのくらいなのかという参考として、令和2年度の「農林漁業者のための経営継続補助金」という補助制度の採択率を見てみます。

1次募集の申請数は80,889件であるのに対して、そのうち採択された数は68,292件。

つまり、この制度における採択率は84.4%となります。農業関係の補助金は採択率がけっこう高めでしょう。

農業法人が補助金を利用する際に注意するべきポイント

農業法人が補助金を利用する際に注意するべきポイント

補助金は返済不要な資金でもあるので積極的に獲得を狙っていきましょう。

ですが、補助金の利用には注意するポイントがいくつかあります。

必ずしも利用できるわけではない

補助金の制度は「必ずしも利用できるわけではない」という点に注意が必要です。

補助金の多くは、採択される件数が限られています。

たとえば、採択件数が20件を予定している補助金に対して、期間内に30件の申請があった場合には、30件の申請のうち10件は審査で落ちてしまうことになるのです。

補助金は、一定期間の公募期間を設けるのが一般的であり、この期間内に必要な書類を揃えて申請する必要があります。

基本的には、採択件数に対して応募件数が上回るため、審査において提出された書類をチェックしてその妥当性・必要性を判断し、どの申請に対して採択するかを決定します。

ただし、どれだけ良い提案であっても、提出書類に問題があれば採択に至ることは難しいでしょう。

補助金の申請においては、審査に必要な書類の内容が採択の是非を決める重要なポイントであると言えます。

基本的に「後払い」である

補助金の制度は「多くの場合は『後払い』である」という点に注意が必要です。

たとえば「100万円を上限として、事業費用の2分の1を補助する」という補助金を利用するとします。

このとき、200万円の事業費用についてこの補助金を使えば、100万円の補助金が受け取れるので、実質的に半分の100万円だけ負担すれば良くなります。

しかし、補助金の多くは後払い制であるため、事業者は最初に自己負担で200万円を支出しなければならず、これを準備できなければ補助金の利用もできなくなってしまうのです。

補助金を申請するにあたっては、申請する事業費用の全額を、まず自社で負担できるようにしておきましょう。

事業期間外の支出は補助対象にならない

補助金の制度は「設定された事業期間ではない時期の支出は補助対象外である」という点に注意が必要です。

たとえば2022年4月1日~8月31日までの事業期間が設定された補助金制度を利用したいとしましょう。

このとき、2022年3月31日以前および9月1日以降に支出された事業費用については、他のすべての条件を満たしていたとしても、この補助金制度の対象外になってしまいます。

補助金を利用するにあたっては、申請する補助金制度の事業期間をきちんと確認し、その期間内で対象の事業費用を支出するようにしてください。

適切な事務処理が重要である

補助金の制度は「適切な事務処理がなければトラブルになる可能性が高い」という点に注意が必要です。

補助金を利用する場合、事業期間の終了後、一定期間内に報告書や支払証憑類を適切に提出する必要があります。

この報告が遅れてしまったり、報告内容に問題がある場合は、補助金の支払いが拒否されてしまう可能性があるのです。

また、申請した目的以外の目的で事業費用を支出して申請した場合も、補助金の目的に合致しないため補助金が支払われない可能性が高くなります。

補助金を利用するにあたっては、補助金の目的に合った内容で支出を行い、必要な事務処理と報告を滞りなく済ませるようにしましょう。

会計検査院の検査が入る

補助金の制度は「利用するにあたって会計検査院の検査が入る可能性がある」という点に注意が必要です。

補助金を利用した企業は、会計検査院の検査を受ける可能性があります。

きちんとと事務処理をこなし、正当な目的で支出していれば問題ないのですが、何らかの問題があると判断されてしまうと会計検査院から指摘される可能性があるのです。

とくに、初めて補助金制度を利用する企業の場合、慣れていない申請や報告において何らかの不備が生じる可能性は十分に考えられますが、トラブルがあれば補助金の支給自体に問題が発生する可能性があるので、滞りなく必要な手続きを済ませたいところです。

補助金を利用するにあたっては、検査が入る可能性があることを想定した上で、きちんと事務処理などを実施して下さい。

まとめ:注意点を確認しつつ上手に補助金を活用して農業法人を経営しよう

いかがだったでしょうか?

農業法人が利用できる補助金は数多くの制度があります。

まずは、逆引き事典を利用することで、自社が利用できる補助金制度がどのようなものがあるのかを簡単に把握しましょう。

そして、必要な条件を満たし、所定の手続きを滞りなく済ませれば、あなたも補助金を利用できますよ。

注意点があることを十分に意識しつつ、利用できる補助金を可能な限り利用して、農業法人の経営をスマートに進められるようにしましょう。

それではまた!