和洋中すべての料理に使用でき、煮物や炒め物、漬物にもできる”カブ”。
そんなカブですが、種まきからたった2ヶ月間ほどで収穫できるため、実は初心者におすすめの野菜なんです♩
本記事では、種まきから収穫まで育て方をカブ農家がわかりやすく教えます。
さらに記事最後には、カブ栽培を楽にするための農家のワンポイントアドバイスも!
ぜひ最後までご覧ください。
カブの基本情報
カブはアブラナ科、アブラナ属に分類されます。
丸い部分はもちろん、地上部の茎もおいしく食べられます。
根元の丸い球(胚軸)の大きさで、小カブ(5〜6㎝)、中カブ(10㎝前後)、大カブ(15㎝以上)に分けられます。
プランターで育てる場合は、最も収穫量が多い小カブがおすすめですよ。
カブの栽培時期
カブは種まき〜収穫が2ヶ月とお手軽に育てられるお野菜です。
栽培時期は「春まき」と「秋まき」の2種類があります。
家庭菜園初心者には、害虫の被害が少ない秋まきがおすすめです。
春まきは3月中旬〜4月に種をまき、5月中旬〜6月下旬に収穫。
秋まきは9月〜10月中旬に種をまき、11月〜12月に収穫です。
もちろん、ハウスやトンネルをかぶせることで収穫時期を伸ばすこともできますが、家庭菜園の場合は秋まき(もしくは春まき)で育てるのが失敗しにくいですよ。
カブの土作り
プランターで育てる場合
ホームセンターなどで販売されている野菜用の培養土を使用することで、初心者でも美味しく育てることができます。
プランターは深さ15cm以上の物を使用してください。
プランターの底に石を詰め、水はけを良くしておくと病気が発生しにくいですよ。
石を詰めたらプランターの8分目まで土を入れましょう。
畑で栽培する場合
こちらの肥料はバランスがよくておすすめ。
また有機栽培でしたら、ぼかし肥料や油粕を種まきの一週間以上前にまき、よく耕しておきます。
カブの種まき
プランター栽培の場合
条間を15㎝あけて2列で筋まきをします。
プランターが小さい場合は1列でも構いません。
深さは1㎝ほどでまき、土を被せたら必ず鎮圧してください。
プランターの下から流れるくらいたっぷり水をあげましょう。
畑で栽培する場合
こちらも条間を15cmあけて2列で筋まきをします。
土の深さは1cmほどで筋まきをし、上から軽く土をかぶせます。
土を被せたら必ず鎮圧してください。雨や水やりの時に種が流れたり土がえぐれてしまいます
種まき後、気温にもよりますが、2〜5日で発芽します。
また、秋まきの場合は特に必要ありませんが、春まきの場合、防虫ネットを貼って害虫対策をしましょう。
水やり
発芽までは土が乾かないように水やりをします。
プランターで栽培する場合は、発芽後も表面の土が乾いてきたら水やりをしましょう。
何度も水を与えていると、土が固くなりカブの成長を邪魔してしまうため、定期的に土をほぐしてあげましょう。
間引き
カブは間引きを3回行います。
間引くことで栄養を集中させ、根の部分を大きく立派に育て上げることができますよ。
間引きのタイミングですが、
1回目は本葉が1〜2枚のころ
2回目は本葉が3〜4枚のころ
3回目は本葉が5〜6枚のころ
です。
間引きするときの各株の間隔は以下の表の通りです。
| 1回目 | 2回目 | 3回目 |
小カブ | 2〜3㎝ | 4〜6㎝ | 10㎝ |
中カブ | 3〜5㎝ | 6〜10㎝ | 15〜20㎝ |
大カブ | 5〜10㎝ | 15〜20㎝ | 30〜40㎝ |
間引きの際は、残す苗の根っこを傷つけないようにするため、間引く苗の軸からハサミで切ると良いでしょう。
カブの追肥・土寄せ
2回目と3回目の間引きのタイミングにあわせて追肥をします。
追肥の量は使用する肥料によって決まっているので、商品情報を確認して追肥をしてください。
一応目安をお伝えしておくと、化成肥料(窒素8・リン酸8・カリ8)の場合、1平方メートルに20gぐらいになります。
有機栽培の方は、有機肥料やぼかし肥料(糠が主成分)を使用してください。有機栽培にすると甘いカブが楽しめるのでおすすめですよ♩
また、追肥をしたら土寄せをします。
カブの葉が倒れてしまうと、いびつな形のカブが育ってしまうため、土寄せをしてまっすぐ育つように調整しましょう。
カブの収穫
収穫が近づくと根の部分が太り、地面から見えるようになります。
収穫の目安ですが、小カブは40日〜50日、 中カブは50日〜60日、大カブは60日〜90日です。
小カブなら5〜6㎝、中カブなら10㎝前後、大カブなら15㎝以上のサイズで収穫するとよいでしょう。
なお、収穫のタイミングには注意が必要です。収穫が遅れると、カブが肥大し割れてしまったり、筋が入り食感が固くなり品質が落ちてしまいます。
カブの害虫対策
カブにはヨトウムシやアブラムシがつきます。
予防策としては、春まきの場合は特に、防虫ネットを使用しましょう。
また、農薬を散布する場合はダイアジノンというものを使ってください。
「農薬を使うのはちょっと…」という方は、土作りの際に米ぬかを散布してみてください。ヨトウムシ等は米ぬかを食べると、脱水症状を起こし死んでしまうんです。
また、カブの天敵といえばアブラムシです。1匹から数万の子どもが生まれるので、見つけ次第確実に処理することが重要です。
おすすめの対処法は、”サラダ油とヤシの実洗剤を水で割ったもの”を霧吹きで散布するという方法です。アブラムシを窒息させる効果がありますよ。
手間はかかりますが、ピンセットやお箸、ガムテープなどで駆除することもできますよ。
さらに別の方法としては、コンパニオンプランツをカブの側に植えて、害虫被害を抑えるという方法もあります。
・ネギ:根こぶ病やモンシロチョウ等の害虫を遠ざける
・リーフレタス:アブラムシ等の害虫を寄り付かなくする
(※コンパニオンプランツ・・・側に植えることで、よい影響をもたらす植物のこと)
▶︎コンパニオンプランツについて詳しくみてみる
カブの病気
カブの病気には”白さび病”や”根こぶ病”があります。
ほとんどの場合、多湿が原因なので、水はけが良い環境を作りましょう。
畑で栽培する場合、畝を15cmほどにし、黒マルチで覆い四隅を斜めの傾斜にすると、雨水を外に排水できます。
また、畝立ての際、畝溝を5cmほどとり、畝下の排水ができるようにしておけばバッチリです。
プランターの場合、プランターの底に石を詰め水はけを良くするのがいいでしょう。
その他、病気の原因でよくあるのは、連作です。
カブを含め、アブラナ科を育てた土での連作は避けましょう。例えば、シソ科のバジルなどと交互に育てると連作を防げますよ。
プロ農家のワンポイントアドバイス
本文中で”間引きは3回”と紹介しましたが、間引き回数を減らして楽に栽培する方法があります。
それは、催芽まき(さいがまき)という手法です。
催芽まきの手順
- カブの種を濡れたキッチンペーパーに包みジップロックに入れる
- そのまま二時間ほど冷蔵庫に入れる
- 取り出し2~3日20度ほどで管理(ホットカーペットがおすすめ)
- 発芽したものをプランターや畑にまく
こうすることで、発芽不良の種を早期発見できると同時に、芽が出ることを促進して収穫を少し早める効果があります。
ぜひお試しください!!
まとめ
いかがだったでしょうか?
カブ栽培のそれぞれの工程でのポイントをまとめます。
・家庭菜園初心者は害虫の被害が少ない秋まきがおすすめ
・プランターで栽培する場合は収穫量が増える小カブが最もおすすめ
・プランターの底に石を詰め水はけを良くする
・種まきは条間15㎝あけて、筋まきをする
・本葉の数が増えるに伴い、間引きをする
・2回目と3回目の間引き時に追肥をする
・目安として小カブは種まき後40日〜50日、大きさは5〜6㎝で収穫
小カブがうまく栽培できたら、中カブや大カブにもぜひチャレンジしてみましょう!
それではまた!