暑い夏など食欲がない時でもスルスルといただける”オクラ”。
手間が比較的かからずに、グングン成長するので、家庭菜園が初めての方にもおすすめの野菜です。
ですが、成長速度が速いため、すぐに実が固くなってしまうという初心者が失敗しがちなポイントもあります。
というわけで今回は、若手農家がオクラの育て方・栽培方法を解説します。
“おいしくやわらかいオクラを作るポイント”や、”長く収穫し続けるコツ”を1つ1つ紹介するので初心者でも安心ですよ。
記事最後には、オクラ栽培の裏技もご紹介します♩
オクラの種まき
オクラは初心者の方でも種から育てられます。
畑へ直接まく”直まき”と、ポットにまく”ポットまき”、それぞれの時期や気をつけるポイントについて解説していきます。
種の準備
種まきの時期
オクラの種まきを成功させるには、適期を守ることが一番重要です。
種まきに適した時期は、4月〜6月中頃のあたたかく(日中の気温が20℃以上)なってからです。
特に直まきの場合は、しっかり気温が上がっている時期(5月下旬〜6月中頃)に行うことが重要です。
気温がしっかり上がる前に種まきをするのであれば、”ポットまき”にしましょう。
霜に当たるとすぐに弱って枯れてしまいます。
芽が出てくるまでは不織布等で覆うなどの霜対策を必ずしましょう。
種まきの仕方
直まきとポットまきですが、どちらも種まきの仕方は同じです。
まず事前準備として、種まき前に一晩、水かぬるま湯につけておきましょう。発芽の成功率を上げられます。
種をまく穴のサイズは直径10cm、深さは人差し指の第1関節ぐらいです。
オクラの種は光を嫌う性質があるので、発芽させるには土に埋めて、光が届かないようにする必要があります。
穴1つあたりに種を4、5粒まきます。直まきでは株間30cm、列間は45cm程度開けてどんどんまいていきます。▶︎家庭菜園での種まきの基本をチェック!
種を埋めたらしっかり土を押さえて、水をたっぷり上げておきましょう。
発芽するまでこまめに水やりして、土を湿らせておきます。
1つの穴に対して4本程度苗を栽培してみましょう。
オクラの土作り
ポットまきで苗を育てたら、畑やプランターなどに植え付けして育てていきます。
初心者の方は苗を購入して育てる方が、種から育てるよりも簡単でおすすめです♩
プランターで栽培する場合
プランターに植える場合は、深型のものを準備しましょう。オクラの根は下方向によく伸びます。
続いて、栽培に必要な土ですが、排水性と保水性の良い土が適しています。ホームセンターなどで販売されている野菜用培養土が便利です。
畑で栽培する場合
畑に植える場合、植える2週間前までに苦土石灰を撒いてよく耕しておきます。
そして植える1週間前に、1㎡(1平米)あたり牛糞肥料を2kg、鶏糞肥料を100cc、油粕を50cc入れよく耕しておきましょう。
肥料をあまりにも入れすぎてしまうと、葉が茂りすぎて実があまりつかなくなるので注意です。
▶︎簡単!畝立ての方法を見てみる
▶︎マルチの張り方の基本を見てみる
オクラの植え付け
植え付けに適した時期は、種を直まきする時と大体同じです。
5月下旬〜6月末頃、日中の気温が20℃を超えるあたたかな頃がベストです。
オクラの植え方
植える時に大切なのは、”根を傷つけないようにすること”です。
オクラの根は細くて少量しかなく、傷つけると枯れてしまいます。
まず、ポットから取り出して土に植えるまでの間は、根周りの土を崩さないように注意が必要です。
土が乾燥していると崩れやすいので、ポットごと水で濡らした後、ポットから取り出すと良いでしょう。
ポットを逆さまにして、底の部分を指で押すようにすると、上手く苗を取り出せますよ。
オクラは、1つの穴に2〜4本一緒のまま植えるのが良いでしょう。
1ヶ所に1本植える方が苗は早く成長しますが、その代わり栄養が行き過ぎて、実が硬くなるのも早まります。
2〜4本まとめて植えることで、収穫の手間も少なくなり、柔らかなものが収穫できますよ。
オクラの手入れ
剪定
葉が茂ってきた時・収穫の後のタイミングで、不要な葉っぱを取り除きます。
葉が混み合っている場所で剪定をすると、風通しがよくなり、病虫害の発生を防ぐことができます。
また、収穫した後には、実を採った場所の下側についている葉を取り除きます。
収穫部分のすぐ下、1〜2枚の葉だけを残して、それより下の葉は除去します。
“管理がしやすくなる”+”栄養が葉に取られずに残りの実にいく”というメリットがあります。
追肥
成長力旺盛なオクラは、肥料の成分をグングン吸収します。
植え付けから1ヶ月後、種まきからは2ヶ月後ぐらいにオクラが開花し始めます。
この開花したタイミングから、収穫が全て終わるまで、追加で肥料を与え始めます。
特にこだわりがなければ、隔週ごとに化成肥料を与えればOK。1ヶ所にスプーン1杯ずつの分量が目安です。
一方、有機栽培では、発酵油粕や鶏糞や液肥、ぼかし肥料などを隔週ごとに散布します。
支柱を立てる
オクラは背丈が高くなるので、支柱を立てて苗が倒れるのを防ぎます。
支柱を立てる時期の目安は、苗が30cm位に成長した頃です。
最大で草丈2m程になるので、2〜3mの長めの支柱が必要です。
苗のそばに支柱を立てたら、麻紐で苗と支柱を”ゆるめに”結べばOK。
プランターや鉢の場合は、畑と違って底が浅いので、支柱を立てても不安定になりがちです。
ベランダの手すりなど、他の物と支柱を結んで補強すればOKです。
オクラの収穫
いよいよ収穫です!
収穫のタイミングは、”オクラのさやの部分が5〜8cmの長さになったら”です。
目安としては、花が咲いて3〜4日後です。
収穫方法ですが、オクラは硬くて手での収穫はできません。ハサミで切り取りましょう。
成長の早いオクラは、実もすぐ硬くなり、美味しく食べることができなくなります。
オクラがやわらかいうちに収穫する、若どりが大事です。
収穫の時期を逃さないよう、花が咲いたら毎日観察を怠らないようにしましょう。
オクラ栽培の裏技
宮下農園のオクラ栽培の裏技をご紹介します。
4月初旬にまいた種はお盆前になると、背伸びしても収穫できないほどに成長してしまいます。
ここで、主枝を160cmのところで摘芯(ハサミでカット)し、地面から1-2本出ている側枝の方を育てていきます。
このようにすれば、側枝がどんどん成長し、収量がUPし、霜が降りるまで柔らかいオクラを収穫できます♩
ぜひお試しください。
農家のワンポイントアドバイス
オクラはアブラムシがよくつきます。1匹残すと手に負えないくらい大量に増殖していきます。
対策としては、こまめに葉の裏を確認し少ないうちに駆逐しておくことです。
おすすめは、ヤシの実洗剤とサラダ油を水で割った液。吹きかけると手早く駆逐できますよ。
また、柔らかいオクラを味わうためにも、早めに収穫する“若どり”が大事です。
新鮮で柔らかい美味しいオクラをあなたも楽しんでくださいね♩
それではまた!