農家の労働時間ってどのくらいでしょう?会社員より長いのでしょうか?
農業の労働時間って多いのかな?
朝も早いし大変なイメージ…
でも農業は高齢の方も多いし、暗くなったら仕事は終わり。
意外に短いのかも…?
会社員の残業もなかなかだよね…
この記事では、農林水産省のデータを元に、農業の労働時間を大公開!
わかりにくい、農家と会社員の法的な労働条件の違いについても理解することができます。
これから農家の下で研修を積む予定の人・これから従業員を雇う農家は知っておきたい情報が詰まっています♩
農業の労働時間は長いのか?
まず、日本の労働者の平均労働時間は2000時間(出典:経団連「2020年労働時間等実態調査」)です。
さて、農業の労働時間は2000時間と比較すると長い or 短い?
一体どちらでしょう?
結論から言うと、農業の労働時間は非農業と同等、または少し多いぐらいです。
個人経営の主業農家の労働時間を見てみると、
家族2.85人で4180時間 + 雇用者2.64人で931時間
(出典:農林水産省「令和元年 営農類型別経営統計 」)
わかりやすく言い換えてみると、
1人メインで農業する場合だと、2200(メイン)+1000+1000=4200時間というイメージですね。
労働時間2000時間の会社員とそこまで変わらないというところでしょうか。
このように、農業で稼ぐことは決して楽なことではありませんが、自分で考えて行動ができ、仕事に対する自由度が高めなのは農業の特権ですね。
好きなときに休憩したり、ぶっ続けで集中して働くことも可能です。
ちなみに。。。
統計上は上記の通りですが、新規就農したての農業経営者の労働時間はもっと多くなります。
労働時間2800時間という新規就農者の話も耳にしますね。
ひえっ!
とはいえ、農家に限らず起業してすぐは質より量です。がむしゃらに量をこなすのが成功に必要というのも事実です。
農家と会社員 法的な労働条件の違いとは?
これから農家の下で研修を積む予定の人、今後従業員を雇おうと考えている農家は知っておくべきことがあります。
それは、農業と農業以外では法的な労働条件が異なるということです。
基本的には農業にも労働基準法が適用されますが、季節や天候に左右されやすい特性から、一部適用されない項目(労働基準法の適用除外)があるんです。
この適用されない、労働時間・休憩・休日に関する規定は「農業適用除外6項目」と呼ばれます。
簡単にポイントをまとめると、以下の3つです。
・残業代は出るが、割増価格になるとは限らない
・深夜業割増は通常通り存在する
具体的には以下の表の通りです。
農業 | 他産業 | |
労働時間 | 限度なし | 1日8時間、1週40時間を超えて労働させてはならない(休憩時間を除く) |
休憩 | 定めなし | 労働時間が6時間を超えた時は 45分以上、8時間を超えた時は1時間以上の休憩を与えなくてはならない |
休日 | 定めなし | 1週間に少なくとも1日、または4週間で4日以上の休日を与えなくてはならない |
割増賃金 | 深夜労働にかかる割増率以外の割増率は不要 | 1日8時間、1週40時間を超える労働、法定休日の労働、深夜労働については割増率に乗じた賃金を支払わなければならない。 |
年少者の特例 | 年少者へ時間外、休日労働及び深夜労働させることができる | 満18歳に満たない年少者を深夜労働に就かせてはならない |
妊産婦の特例 | 時間外、休日労働をさせることができる | 妊産婦が請求した場合には、変形労働時間制、非定型的変形労働時間制を採用している場合であっても、1日または1週間の法定労働時間を超えて労働させてはならない。時間外労働、休日労働をさせてはならない |
今後従業員を雇う予定の農業経営者向けの情報
農業はついつい労働時間が長くなりがちです。
なんとなく長時間労働を美徳とする空気はありませんか?
長時間労働は疲労やストレスの原因になり、離職率を増加させます。
時間管理を行い、適切な労働時間にすることは作業効率・モチベ-ションUPにつながります。
農業経営者としては、農業に労働時間規制が適用されていない趣旨を踏まえ、従業員が働きやすい労働環境を作りあげましょう!
具体的には、1日8時間の労働時間で、繁忙期には労働時間を増やす代わりに、ボーナスを支給したり、農閑期の労働時間を短縮しましょう♩
これから農家の下で研修を積む人向けの情報
「いい労働条件が整備された環境で栽培技術を習得したい!」と考える人は、大規模の農業法人へ就職するのがおすすめです。
農家も強い組織作り・大規模化を目指し、近年は一般企業と同程度の労働基準を目指すようになってきています。
とはいえ、農業経営体は家族経営体が大半を占めており、人事労務まで手が回らないという経営体が多いのも事実。
個人よりも法人、また規模が大きくなればなるほど、人事労務を含めた経営マネジメントがしっかりしています。
強い組織づくりのためには優秀な人材が必要。
優秀な人材を確保するには、従業員に「この職場を辞めたくない」「この組織に貢献したい」と感じさせる必要がある。
となると従業員が働きやすい環境を作る必要がある。
従って、結果的に従業員に対して好待遇になるわけです。
というわけで、栽培技術などを学びたい就農希望者は大規模農業法人に就職するのがおすすめです!
またこちらでは、これから作物を選ぶという方におすすめ!労働時間が短い、儲かる作物ランキングを大公開!
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(引用:農林水産省・厚生労働省「農業者・農業法人労務管理のポイント」)