「トマトを育ててみたいけど何からしたらいいかわからない…」
「最後までたくさん収穫したい!」
これからトマトを育てようとしている方なら誰もが思うことでしょう。
トマト栽培が難しそうと感じている方も安心してください。
本記事では、トマト農家である私が、初心者の方に向けてトマトの育て方を1から解説していきます。
私が実際にたくさんの収量を上げている技術をベースにしているので、大きい実をたくさん実らせる栽培方法を知りたい方にぴったりの内容となっています。
トマト栽培の基本
トマトの特徴としては、非常に多くの日射量を必要とし、多湿になりにくい排水性の良い畑で良く育ちます。
家庭菜園でも、日当たりの良い場所に植え、畝を高くするなどして排水性を良くすることで、トマトに適した環境を作ることが可能です。
また、露地栽培では病気になりやすいため、夏から秋口まで長期間収穫したい場合は、雨除けハウスを利用して育ててみましょう。
トマトの栽培時期
トマトの1年間の具体的な栽培スケジュールは以下のようになります。
土準備:5月上旬
植え付け:5月中旬
肥料:6月中旬~9月下旬
誘引:5月中旬~8月下旬
収穫:7月上旬~10月中旬
上記は一般的なトマト栽培の流れですが、地域よって植え付け時期が多少前後します。
トマトは寒さに弱いので、寒冷地は少し植え付け時期を遅らせる必要があるでしょう。暖地であれば、早めの植え付けも可能になります。
目安としては、最低気温が10度を超えるようになったら植え付けの適期であると判断しましょう。
トマトの土作り・畑の準備
トマトの根が伸びやすいように、土をできるだけ深く耕して柔らかくしておき、肥料をまいて畝を作ります。
まずは肥料。畑全体にまいて、細かく混ぜ込みましょう。
肥料は、窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)のバランスの取れた以下の肥料が手軽でおすすめですよ。
そして畝作り。
最後にマルチを張り、支柱を立てて準備は完了です。
トマトは人の身長よりずっと高く伸びていくので、支柱もできるだけ長いものを選ぶと良いですね。
そして、いよいよ植え付けの2~3日前になったら、トマトを植える場所に2リットルほどたっぷりと水をかけて十分に畝を湿らせておきます。
苗の準備
まだトマト栽培に慣れていない方は、トマトの苗を種から育てるのではなく、
植え付け直前の苗を購入して植えるのがおすすめです♩
とはいえ「どんな苗を選べばいいの?」という疑問があるでしょう。
良質なトマトの苗を選ぶポイントは下記の4つです。
- 蕾が膨らんできて花が咲く直前
- 葉の色が濃く、厚みがある
- 花の下の葉っぱの数が7~8枚程度
- 伸びすぎていない(草丈30cm以内が理想)
ちなみに上の写真では、左側:良質な苗、右側:伸びすぎて弱々しい苗。
植え付け
蕾が膨らんできて、花が咲く直前の苗が植え付け適期になります。
植え付けは、トマトの根を切らないようにポットから苗を抜き、畝にポット土が入るだけの穴を掘って植え付けます。
植える際、植え穴を深く掘りすぎず、畝面とポット土の面を同じ高さにして植えるように注意しましょう。
最後に、周りの土で隙間を埋めて、たっぷり水をかけて馴染ませてあげれば完了です。
2株以上植える場合は、50cm程度の株間をあけて植えるようにしましょう。
水やり
トマトの管理作業の中でも、水やりは少し慣れが必要な作業になります。
下記の5点を意識して水やりをしてみて、観察をしながら水やりの感覚をつかんでいきましょう。
水やりのポイント
- 植え付け直後は5日間ほど毎朝たっぷりと水をあげる
- その後、2週間程度は水やりを控える
- 晴れが続くときは生育段階に合わせて1日に1~2L与える
- できるだけ朝に水をあげる
- 水が多すぎるより少なめの方が良い
トマトは水分過多に弱いので、少なめの水で始めて、成長するにつれて徐々に増やしていくと失敗しにくいですよ♩
着果処理
トマトは実をつけるために、「トマトトーン」というホルモン剤を使います。
このトマトトーンを水で薄め、霧吹きなどで3花以上開花した花房にかけることで、高い確率で実をつけることができます。
一度かけた花に2度目をかけると奇形果になりやすいので、トマトトーンをかけた花房には輪ゴムをかけるなど、印をつけておくといいですね。
花が咲いているのにトマトトーンをかけないと、実を付けずに花が落ちてしまうので、各段の花房が3花咲くタイミングを逃さないようにしましょう。
脇芽かき
トマトは主枝と葉っぱの間から、上の写真のような「脇芽」という小さな芽が伸びてくるので、こまめに取るようにしましょう。
脇芽は小さいうちなら根元から手で簡単に折ることができます。
大きくなりすぎた脇芽は、園芸用のハサミなどを使って取ることができますが、できるだけ小さいうちに取っておくのがベストです。
誘引
トマトは非常に生育が早く、あっという間に伸びてどんどん草丈が高くなっていくので、支柱に固定する「誘引」という作業が必要になります。
誘引は10日に1回程度、各段の花房の近くを麻紐で支柱に縛って固定しましょう。
摘果
大玉トマトは1玉が大きくなるので、1房につける玉数を調節する必要があります。
特に低段(1~3段目)は実のつけすぎで樹が弱りやすいので、1房に3~4果程度に制限しましょう。
4段目以降は摘果をしなくてもいいのですが、できれば4~5果にすると1玉が大きく充実したものになりますよ。
果実がピンポン玉くらいの大きさになったときに、形の悪いものや小さいものを取るようにしましょう。
追肥
トマトは植え付け前に撒いた肥料だけでは栄養が不足してしまうので、栽培中に肥料を追加する必要があります。
1段目の果実がピンポン玉大になった頃が追肥を始める適期です。
もし1段目の花に実がつかず、樹が過度に大きくなっていた場合は、追肥を見送って樹が落ち着くのを待ちましょう。
追肥は収穫量に大きく関わってくるので、1度だけでなく、栽培終盤まで週に1回程度は行いましょう。
摘芯
トマトが順調に生育してくると、支柱を超えるくらいの高さになり、誘引するのが困難になってきます。
そうなる前に、トマトの頂上部を切り落として成長を止めましょう。
一番上の花房から、上2枚の葉っぱを残したところで芯を切り落とします。
摘芯を早くすると収穫時期が短くなり、遅くすると収穫時期が伸びますが、誘引場所が確保できるうちに摘芯をすると良いでしょう。
収穫
トマトは花が咲いてから50日~60日(7段目の花が咲く頃)ほどで収穫ができるようになります。
ハサミを使わなくても、へたの節の部分を指で押さえながら持ち上げると、簡単に取ることができます。
収穫が遅れると果実が割れてしまうことがあるので、赤くなったものからどんどん収穫していきましょう。
トマトの病害虫対策【農家が教える3つの技】
初心者の方がトマト栽培を挫折してしまう原因の一つに、病気や害虫の被害があります。
病害虫の被害は広まってから止めるのが難しいので、発生する前から対策をしておきましょう。
初心者の方でも簡単にできる病害虫対策を3つ紹介するので、ぜひ実践してみてください。
対策①:下葉かき
収穫が終わった花房より下の葉っぱを落として、風が通りやすいようにします。
トマトの病気は多湿で発生するものが多いため、通気性の確保は非常に有効な病気対策になるのです。
収穫の進み具合に合わせて下葉かきを進め、最終的には3段目くらいまでスッキリさせてあげましょう。
対策②:テデトール
テデトールとは、その名の通り「手で取る」という意味で使われます。
病気の葉っぱや害虫などを見つけたら、いち早く手で取って被害の拡大を防ぎましょう。
当たり前で地味な作業ですが、プロの農家でもテデトールは基本の対策です。
対策③:農薬散布
抵抗のある人もいるかもしれませんが、やはり農薬は病害虫対策にかかせません。
現在は、正しい使い方をすれば人体には害がないものしか流通していないので、トマトを病害虫から守りたい方は使用方法をよく調べて使ってみてください。
プロトマト農家からのワンポイントアドバイス
最後に、トマト栽培で重要になるポイントをまとめます。
- 1段目は必ずトマトトーンで実をつける
- 週に2回は脇芽を取る
- 追肥を切らさない(樹の勢いが強い場合は控える)
上記の3点は、トマト農家の私も実践している、トマトの収穫量に大きく関わってくるものです。
この3点さえ意識できれば、食べきれないほどのトマトを収穫できますよ♩
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