鍋の主役の野菜といえば白菜。甘くておいしいですよね。
そんな白菜ですが生育旺盛で、短期決戦の栽培になるので、少しコツが必要な野菜です。
そこで今回は、綺麗で丸々とした白菜を栽培している農家が「失敗しない美味しい白菜の育て方」を紹介します!
植え方・肥料のやり方から、よくあるトラブル・その対策方法を1つ1つ画像付きで解説していくので、初心者でも安心ですよ♩
白菜の種類:育てる品種を選ぼう!
通常の白菜に加え、オレンジ白菜・紫白菜があります。
シスリコピンが豊富な”オレンジ白菜“。
オレンジクインというものが有名です。
アントシアニンが豊富な”紫白菜“。色鮮やか♩
白菜の栽培時期
白菜の種をまく時期は、8~9月ごろの暖かい時期が目安です。発芽温度は20〜25℃です。
発芽して、苗が育ってくると植え替えをしますが、植える時期は9月ごろになります。
収穫時期は11~12月ごろが目安ですが、種類によって成長速度に違いがあります。
植え付ける時期を逃さないように気をつけましょう。
育てる環境・条件
白菜を栽培する環境のポイント
- 涼しい場所
- 日光の当たる場所
- 風通しの良い場所
- 適温15~20℃
白菜はほどよく日光に当て、風通しを良くして栽培しましょう。
涼しい環境を好み、結球期の適温は15~20℃となります。
種まき
白菜は”苗”からではなく、”種”から育てていきます。
種まき〜育苗の手順
- セルトレイ(育苗ポット)に土を入れて平面にならしておく
- 種を1区画3~4粒まいて軽く土を被せる
- 種がズレないように丁寧に水をやる
- 本葉が2枚開いたら、丈夫な苗1本だけになるように間引きする
- 本葉が4~5枚になったら植え付ける苗の準備完了
種をまいてからは日陰に置いて、土が乾く前にこまめに水やりをしましょう。
2〜3日で発芽しますが、発芽後は、日当たりの良い暖かい場所で管理します。
植え付け・プランターへの植え方も
プランター栽培の場合
- プランター幅65cm、深さ20cmのものを用意し、鉢底石を敷き詰める。
- プランター土を入れ、育苗ポットと同じくらいの穴を株間20cm空けて掘っておく
- 苗を丁寧に植え、土を被せる
- 底からしみ出るまで水をやる
プランターで栽培する場合、野菜用の「培養土」がオススメです。水はけも良く、栄養も豊富なので便利ですよ。
地植えの場合
- 高さ15cmの畝を立てる。
- 株間50cmあけて、育苗ポットと同じくらいの大きさの植え穴を掘っておく
- 苗を丁寧に植え、土を被せる
- たっぷり水をやる
種を植え付ける2週間前から土を耕しておきましょう。
白菜は根は細く生長していきますが広範囲に根を張るため、深めに耕しておきます。
その際に「苦土石灰」「堆肥」「化成肥料orぼかし肥」をまいて土になじませていきます。
白菜は他の野菜よりも2~3倍ほど肥料が必要になってくる野菜です。与えた肥料が少なかったり、生長が遅くなった場合は、速効性のある「化成肥料」を追加すればOKです。
白菜の手入れ
植え付け後の防虫
苗が小さい時は虫がつきやすく、食害を受けやすいです。
苗を植え付けたら防虫ネットを張るようにしましょう。
霜対策としても有効で一石二鳥です。
追肥
白菜の苗を植え付けて本葉が6〜7枚になったら、丈夫な苗だけを1本だけ残してあとは間引きしましょう。そのタイミングで追肥を施します。
その後は、2週間に1回ペースで定期的に追肥をしましょう。
プランターの場合、化成肥料の代わりに、週1で液肥(液体肥料)を水で薄めて与えるのもオススメです。
ぐんぐん成長中の白菜の様子↓
結球
白菜の結球は外葉の枚数が17〜20枚で、15℃前後の温度にあたると起こります。
結球の仕組みとしては、よく日光に当たる外葉がぐんぐん育ち、内葉がどんどん芯部分に詰まっていきます。最終的には丸まって結球ができあがります。
栽培していると白菜が結球しない場合もあります。
よくある原因としては、種まきや植え付けの時期が早かったり遅かったことや外葉の成長不足です。
植え付け時期の確認や肥料をたっぷりあげることを怠らないよう気をつけましょう。
収穫
お鍋の主役ということもあり、冬の11〜12月が収穫時期です。
早生種なら60~70日、中生種なら90日前後、晩生種なら110~120日が収穫適期となります。
収穫する具体的な目安としては、”結球部分を上から押してみて固く閉じていること”です。
収穫の方法ですが、結球部分を斜めに押して、外葉との間にできたすき間に包丁を入れ、芯を切断すれば簡単に収穫できますよ。
ちなみに、収穫時に結球しない白菜も中にはあります。結球している白菜と比べると硬くはありますが、煮たり、炒めたりとしっかり火を通せば美味しくいただけます♩
冬越し
中生種・晩生種の白菜の収穫は12月以降の寒い時期まで延長することがあります。
寒さで白菜が枯れないように越冬させなければなりません。
しおれた下葉を結球の頭に3枚ほど重ねるか、不織布を被せて越冬の対策をしておきましょう。
白菜栽培でよくあるトラブル
病気
- 軟腐病
白菜の組織が軟化し、腐敗が進行して悪臭を放ちます。
- 白斑病
葉に白色の斑点が徐々に広がっていきます。
- ねこぶ病
茎葉がしおれたり、治ったりを繰り返すことで根っこの部分がでこぼこになってしまいます。
いずれの病気も、虫から持ってこられたウイルスや土壌中の菌が、株の傷口などから入り込んで発生します。
水はけが悪く湿気が多いと虫や菌が発生しやすくなります。
したがって、水はけの良い土を用意し、日当たりと風当たりの良い場所に置くだけで予防策になりますよ。
また、病気が発生してしまったというときは、「ダコニール1000」というものがよく効き、使いやすくておすすめです。農林水産省登録の殺菌剤です。
害虫
- アオムシ
- ダイコンハムシ
- ヨトウムシ
白菜の葉に群がり、新芽を食害し、結球が遅れたりします。
食害だけでなく、ウイルスを媒介し病気の原因になるため、予防や対策も必要になってきます。
農薬を使わない予防法としては、白菜の周りに防虫ネットを被せておきましょう。虫が寄ってきたり、産卵を防ぐことができます。
黒い斑点ができる
たまにスーパーの白菜でも見かけますが、こちらは生理障害であって病気ではありません。
栄養過剰によって合成されるポリフェノールの色素なので、安心して食べてくださいね♩
プロ農家のワンポイントアドバイス
本葉が20㎝〜30㎝くらいに育ってきたタイミングで、化成肥料を株間に一握り入れ、土寄せをしましょう。
肥料+土寄せでグッと結球しやすくなりますよ。
天塩にかけて育てた甘くておいしい白菜、あなたも楽しんでみてくださいね♩