今回は、ご夫婦で沖縄のかりゆしすいか農園を経営する上間泉穂(うえまみずほ)さんにインタビューをしてきました。
結婚をするまで、普通のOLだったという上間さん。
沖縄でスイカ農園を経営するまでに至った経緯や、農業の魅力、女性が農業に挑戦することの意義などを詳しくお聞きしました!
結婚して農家になるまでのお話
元々ご出身は神奈川県だという上間さんですが、旅行をきっかけに沖縄が大好きとなり、何度も訪れるうちに移住を決断したと言います。
そんな上間さんが旦那様と出会い、農業を始めるまでのお話をお聞きしました。
【上間さん】
旦那と出会ったのは沖縄に来てからです。
交際していた頃は、両親が農業をやっているという話こそ聞いていましたが、本人は別の仕事をしていて、まさか農家になるとは思っていませんでした。
それが、結婚を機に2人でスイカ農園にチャレンジすることとなり、農業について何も知らないまま農家になることになったんです!
Q. 旦那様のご両親の農園とは別に農園を始めたんですか?
【上間さん】
元々旦那の両親がやっている農園のお手伝いなどをしていたのですが、私たち夫婦が目指していた農業のスタイルがあったので、両親とは別々で農園を始めました。
沖縄には今帰仁スイカと言う有名なスイカがあるのですが、その名前は借りずに、2019年に「かりゆしすいか」と言うオリジナルのブランドを立ち上げました。
Q. 農園を始める前と後で農業に対するイメージは変わりましたか?
【上間さん】
私は元々OLだったので、エアコンの効いた室内で仕事をすることに慣れていて、とても自分が農業をするという想像がつかなかったですね。
それまでの農業のイメージは、夏は暑くて冬は寒い。服は汚れるし、力仕事が多いなど。大変そうなイメージしかなく、正直やりたいとは思えませんでした(笑)
でも、実際にやってみると思っていたよりも楽しいと感じたんです!
夏は暑くて汗もかくんですけど、外で夢中になって作業をしていると、オフィスで働いていた頃のような「汗で化粧が崩れて嫌だ」みたいなことも思わなくなりました。
農業を始めてまず初めに取り組んだこと
こうして夫婦で一から農園を作り上げていった上間さんですが、まずはお客さんに認知をしてもらわないとスイカを買ってもらえないため、農園の名前を広めることから取り組んだと言います。
まず初めに行ったのが、SNSを活用して自分達のスイカを広めて行くと言う方法。
一体どのようなアプローチだったのでしょうか。
【上間さん】
当初からSNSを活用している農家さんはいましたが、販売の宣伝などがほとんどで、栽培過程や作業風景を載せている農家さんは意外にも少なかったんです。
農業未経験の私からすると、農家には色々な仕事があるのに、なぜそれを発信していかないんだろう?と不思議に思っていました。
そこで、Instagramに私たち夫婦が作業をしている様子や、農業を通して日々感じたことなどを投稿していくようにしたんです。
結果として、それが上手くはまり、多くの方に私たちの農園を知ってもらうきっかけとなりました。
Q. 他の農家さんと競合していく中で、差別化を図るポイントは?
【上間さん】
かりゆしすいかの特徴としては、「糖度の高さ」や「シャリ感」などがありますが、農家さんが作るスイカは美味しいが当たり前。味だけで差別化を図るのには限界があると感じていました。
私たちが1番大切にしているのは「消費者との繋がり」です。
知り合いから頂いた野菜は一段と美味しく感じるなんて事があるように、SNSを通して私たちの存在を身近に感じてもらうことで、味以外の部分でも魅力を感じてもらえればと思っています。
実際に、かりゆしすいかの売り上げのほとんどがInstagram経由で、多くのリピートも頂いています!
Q. 1日の農作業の流れを教えてください。
【上間さん】
今の時期は暑いので、畑作業は朝と夕方の涼しい時間帯に行なっています。
朝は6時には畑に行っていますね。うちはハウス栽培なので、暑くて作業ができなくなる10時頃までに一度切り上げて、涼しくなる16時頃から日没まで作業を再開します。
忙しい時期は、一日中フル稼働しているので大変ですが、一年の中でもゆとりがある時期もあるのでそれでバランスを取っている感じです!
普通の会社員と違い、時間が決められていない自由さはありますが、サボったらすぐに作物に影響するので、自分自身がしっかりしていないと農業は大変だと思います。
かりゆしすいか農園のこれからのお話
かりゆしすいか農園を始めて2年が経過した現在、SNSを活用して農作物を販売していくという新しい農業の形で、順調にファンを獲得しています。
そんな上間さんに、かりゆしすいか農園で今後チャレンジしていきたいことについてお聞きしました。
【上間さん】
スイカは、収穫前に熟度や味を確認するために「試し割り」と言うものをするのですが、かりゆしすいか農園では10品種ほどを栽培しているので、たくさんのスイカを試し割りするんです。
そこにお客さんを呼んで、「スイカの食べ比べパーティ」を開きたいと思っています!
一度に色々なスイカを食べる機会ってあまり無いと思うので、味の違いを知っていただきたいです。
Q. 10年後、20年後の将来、どのような農家になっていたいと思いますか?
【上間さん】
日本の皆さんに知ってもらえるような有名なスイカブランドの一つになっていたいという思いがあります。
沖縄は暖かいので、一年を通してスイカを生産する事ができます。本州の方々からすると、冬でもスイカを食べられるというのは喜んで頂けるポイントなので、全国のスイカ好きの方に知ってもらいたいと思います。
女性が農業をするということについて
全くの未経験から、結婚を機に農業の世界に飛び込んだ上間さんが考える、女性が農業をやることの強みについてお聞きしました。
また、ここからは旦那様にもお話を伺う事ができました!
【旦那様】
SNSを活用するに当たって、農作業の風景を投稿していったのですが、僕が農作業をしている写真よりも妻が農作業をしている写真の方が反響が大きかったんです。
農家は男の人がやるというイメージがあるからこそ、女性が慣れない手つきで一生懸命、農作業をしている姿に注目が集まったのだと思います。
SNSを使い、こういった角度からファンを獲得していくことに関しては、男性より女性の方が向いていると実感しましたね!
【上間さん】
男性が軽々と農作業をしている姿よりも、女性がぎこちなく農作業をしている姿の方が、親近感を持ってもらいやすいというのはあるかもしれないですね!
そこから注目してもらって、購買意欲に繋がることもあると思います。
Q. 非農家の女性に伝えたい農業の魅力を教えてください!
【上間さん】
旦那と同じ仕事をしていると、お互いが仕事の大変さを理解し合える点が良いところの一つだと思います!
サラリーマンの男性と結婚すると、相手の仕事のことはわからないことだらけだと思います。
農業だからこそ毎日近くにいて、大変なことも嬉しいことも共有できるというのが、農家の魅力だと思います!
【旦那様】
いつも好きなパートナーと24時間一緒にいられます。
そこが嫌と言う方も、もしかしたらいるかもしれないですけど…(笑)
実際に僕らも24時間一緒なので、その点は農家ならではの魅力なのかなと思います!
あとがき
大好きな沖縄で、旦那様と二人三脚で農業に取り組んでいる上間さん。
農業未経験ながらもそれを弱点と捉えず、むしろ斬新な視点からアイデアを生み出すことで、前向きに農業に向き合っている姿は、生き生きと輝いて見えました。
筆者も上間さんの狙い通り、人柄を知ったことでかりゆしすいかを食べたくなってきました…。
皆さんもぜひ、かりゆしすいか農園をチェックしてみて下さい!
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