農業で特定技能外国人を雇用するには?【基本からチェック】

農業で特定技能外国人を雇用するには?【基本からチェック】

最近うちの農場、人手が不足してます。
どうしたらいいですか?

それならば『特定技能外国人』の雇用も
視野に入れていた方がいいかもだね

聞いたことあるけど、特定技能外国人って何ですか?

では、農業における特定技能外国人について、
わかりやすく紐解いていこう!

今回は、農家でもあり農業関連法人への支援経験が豊富な著者が、特定技能外国人を雇用する方法をわかりやすく解説していきます!

採用担当者はもちろん農業に携わる方なら是非知っておきたい内容です。

そもそも特定技能外国人とは?

そもそも特定技能外国人とは?

「特定技能外国人」とは、新しくできた在留資格「特定技能」を保有する外国人のことです。

特定技能外国人って特に最近よく聞くけど、なぜ?

元々はというと農業をはじめとする14の分野においては、これらが「単純労働である」という理由から、外国人を雇用することが原則認められていませんでした。

しかし、少子高齢化や後継者不足といった社会問題がさまざまな分野において深刻化していることより、「改正入管法」が2019年4月1日に施行され、外国人労働者の雇用が認められるようになったのです。

このように法律で認められるようになったから、近年スポットが当たっているのです。

特定技能外国人って日本語は大丈夫?

外国人が「農業分野の特定技能1号」の在留資格を取得するためには、2つの条件を満たす必要があります。

農業分野の特定技能1号を取得するための要件
・「日本語能力試験N4レベル」以上の試験に合格する
・「農業技能測定試験」に合格する

このN4とかN1というのは、どのくらい日本語を話せるかのレベルを表しています。

ちなみに「日本語能力試験」はN1に近づくほど難易度が高く、農業分野の特定技能1号に必要な「N4レベル」だと以下の特徴があります。

  • 基本的な日本語を理解することができる
  • 日本人が話す日常会話であれば、ある程度は理解できる
  • ある程度の漢字の読み書きができる
  • 自分自身の考え方を表現するのは苦手な人も多い

すなわち、「日本人レベルで日本語をパーフェクトに使いこなすことはできないけど、業務に差し支えないくらいは日常会話や読み書きができるよ」というニュアンスです。

農業法人が特定技能外国人を雇用するための条件

農業法人が特定技能外国人を雇用するための条件

続いて、こちら側の話。

農業法人が特定技能外国人を雇用するための必要な条件について解説していきます。

①直接雇用する場合

農業法人が直接外国人を雇用する場合は、以下の条件を満たす必要があります。

  • 「農業特定技能協議会」に入会して協議会に必要な協力を行う
  • 過去5年以内に労働者を6カ月以上雇用した経験がある
  • 農業分野で外国人材を受け入れる場合に満たすべき基準を満たすことを誓約した文書(誓約書)を作成し、地方出入国在留管理局で受け入れの手続を行う際に他の書類とあわせて提出する

地方出入国在留管理官署については、以下のページで調べることができます。

▶︎出入国在留管理地方出入国在留管理官署

 

そして、実際に特定技能外国人を雇用する流れですが、まとめると以下のようになります。

実際に採用する流れ
求人募集
→ 選考
→ 雇用契約の締結
→ 支援計画の策定(1号特定技能外国人)
→ ビザの申請
→ 生活支援の実施
→ 就労開始
「この辺りがめんどくさい」という方は、まるっとお願いできるサービスもあるのでチェックしてみてくださいね。

②派遣での雇用

次に、農業法人が「派遣」の形態で特定技能外国人を雇用する場合の条件について解説します。

  • 過去5年以内に、労働者を6カ月以上雇用した経験があること、もしくは「派遣先責任者講習」その他これに準ずる講習を受けた者を派遣先責任者として選任している
  • 外国人材を派遣事業者から派遣してもらう場合、その派遣事業者と労働者派遣契約を結ぶ
  • 派遣先の満たすべき基準を満たすことを誓約した文書(派遣先事業者誓約書)をあらかじめ派遣事業者に提出する
  • 法律で定められた支援を行う体制を構築する、もしくは支援内容の一切を「登録支援機関」に委託する
実は、特定技能では「農業」と「漁業」のみ派遣での雇用が認められています。
派遣でスポット雇用できる便利なサービス

農業分野における特定技能外国人

農業分野における特定技能外国人

次に、農業分野において特定技能外国人を雇用する場合、「どういった仕事を任せられるのか」「期間はどのくらいか」「費用はいくらか」など具体的な内容について解説していきます。

特定技能外国人が農業において従事できる作業内容

農業分野において、特定技能1号外国人が従事できる業務は以下の2つがあります。

  • 耕種農業全般(栽培管理、集出荷・選別など、ただし栽培管理の業務が含まれている必要あり)
  • 畜産農業全般(飼養管理、集出荷・選別など、ただし飼養管理の業務が含まれている必要あり)

また、同じ業務に従事する日本人が通常行うような「農畜産物の製造・加工」「農畜産物の運搬」「生産物の販売作業」「冬場の除雪作業」といった作業に従事することも可能です。

特定技能外国人が農業に従事できる期間

現在、特定技能1号の在留資格において、在留期間の制限は「5年間」と規定されています。

ですが、制度自体がまだまだ改正されていくかもしれません。

これについては以下のニュースが非常に興味深いです。
▶︎日本経済新聞「外国人就労「無期限」に 熟練者対象、農業など全分野」

もし、この改正が実現すれば、特定技能1号を有する外国人労働者が事実上無制限で日本での農業に従事できることになります。

将来的には、日本の農業従事者の数割を外国人労働者が占めるといった未来もあり得るかもしれませんね。

特定技能外国人を農業分野で雇用する際の費用相場

特定技能外国人を農業分野において雇用する場合、大体いくらかかるのでしょうか?

まず「給料」に関しては、同種の業務に従事する日本人の給料相場と同程度あるいはそれ以上の給料を支払う必要があります。

また、登録支援機関への支援委託料や、在留資格申請費用などで、特定技能外国人一人あたり年間で30~50万円ほど必要です。

「この辺りの手続きや費用が面倒くさいんだよな…」という方は、特定技能に関する全ての手続きと支援を100%対応してくれるようなサービスもあるのでチェックしてみてくださいね。
▶︎【特定技能の窓】

今後はさらに特定技能1号の資格持ちの外国人が増える?

今までは雇用するときには、そもそも「技能実習」の外国人を「特定技能1号」へ切り替えてから雇用というケースが大半でした(2020年時点、特定技能外国人を雇用する事業者の8割が、技能実習生だった外国人を特定技能1号として改めて雇用)。

ところが最近では、海外での技能試験受験者および合格者が増加傾向にあり、今後は特定技能1号の在留資格を取得する人が増えてくることが予想されます。

さらにスムーズに特定技能外国人を雇用できるような時代がくるのではないでしょうか?

農業法人が特定技能外国人を雇用するにあたって気になることは?

農業法人が特定技能外国人を雇用することが可能であるとはいえ、「日本人を雇用する」場合と比較するとどうしても気になることは多いでしょう。

何か気になることがあれば、法務省が公開している以下の資料が参考になりますよ。
▶︎法務省「特定技能制度に関するQ&A」

まとめ:人手不足に悩んでいる農業法人は特定技能外国人の雇用を視野に入れよう

いかがだったでしょうか?

「今農場の人手が足りない…」という方は、日本人の雇用に限定しなければ道が開けるかもしれません。

特定技能外国人を雇用するにはいくつかの条件を満たす必要はありますが、優秀な人材を自社に取り入れることができる可能性もあります。

特定技能外国人を紹介するサービスもあるので検討してみてはいかがでしょうか?

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