スーパーで一年中みかけるほうれん草。
おひたしにしたり、豚肉とソテーにしたり、卵と一緒に調理したりと大活躍の野菜ですよね。
今回は、管理栄養士でもありほうれん草を栽培している農家の私が、本当においしいほうれん草レシピ3選をご紹介します。
また、記事の最後には、シュウ酸をたくさん含むほうれん草を賢く食べるためのポイントを紹介しています。
どれもサッと作れる簡単な料理なので、今夜の食卓の1品にいかがでしょうか?
ほうれん草で一番おいしいのは根元??
そして農家が教える”ほうれん草の一番美味しい部分”、それは、ほうれん草の根元です。
ほうれん草の根元は、食べにくく、土がついていることから捨てられてしまいがち。
ですが、根に近づくほど甘くなり、根元の赤い部分には骨を丈夫にするマンガンというミネラルが含まれているため、実は最も食べていただきたい部分なんです!
根元は十字に切り込みを入れてから洗うと、はさまった土も洗いやすくておすすめ。
レシピ①:豚肉のほうれん草ロール
たっぷりのほうれん草を豚肉で巻いて、簡単なのにボリュームのある一品。
お弁当のおかずにもぴったりです。
今回は生姜焼き用の薄い豚肩ロースを使いましたが、お肉は豚バラでもロースでもOK!
お肉の横幅が狭い場合は、横に2〜3枚を少しずつ重ねながら並べると同じように巻くことができます。
にんにくと一緒に炒めたり、しょうゆとみりんで照り焼き風にしたり、焼き肉のタレで炒めたりと様々なアレンジが可能です♩
材料(2人分)
ほうれん草 1束
豚肉(生姜焼き用)100g
酒 大さじ2
油 大さじ1
片栗粉 適量
塩 適量
こしょう 適量
ブラックペッパー 適量
作り方
① ほうれん草は豚肉の横幅に合わせて切り揃えます
② 豚肉を広げ、塩・こしょう各適量で下味をつけ、①のほうれん草をたっぷりとのせて巻き、片栗粉適量を表面にまぶします
③ フライパンに油大さじ1を熱し、②を入れ表面に焼き色がついたら酒大さじ2を加えふたをし、蒸し焼きにします
④ 肉に火が通ったら食べやすい大きさに切り、塩・ブラックペッパー各適量をかけ完成です
レシピ②:ほうれん草の巣ごもり卵
半熟卵とほうれん草の相性が抜群の一品。
卵のまろやかさと塩気の効いたベーコンがほうれん草の甘さを引き立てます♩
材料(2人分)
ほうれん草 200g
たまご 2個
ベーコン 40g
油 適量
塩 適量
ブラックペッパー 適量
作り方
① ほうれん草は4cm長さ、ベーコンは短冊に切ります
② フライパンに少量の油を熱し、ベーコンを軽く炒め、ほうれん草を加えて塩・ブラックペッパー各適量を入れさらに炒めます
③ ほうれん草がしんなりしてきたら、フライパンの真ん中にくぼみをつくりたまごを割り入れ、ふたをして約3分、たまご半熟になるまで加熱します
④ たまごの白身が固まってきたら器に盛り完成です
レシピ③:ほうれん草チヂミ
チヂミといえば、韓国料理でお馴染みの食べ物ですよね。
韓国では、チヂミを焼く音が雨の降る音に似ていると言われており、雨の日が降る日はチヂミを食べたくなるそうです。
今回は、鮭フレークとチーズをたっぷり入れて、子どもでも食べやすく仕上げました。
モチモチの生地にほうれん草がたっぷりと入っていて食べ応えがあります。
ご飯のおかずにも、お酒のおつまみにもぴったりです♩
材料(2枚分)
ほうれん草 100g
玉ねぎ 1/2個
とろけるチーズ 40g
鮭フレーク 30g
薄力粉 40g
片栗粉 40g
水 90g
ごま油 適量
〈タレ〉
しょうゆ 大さじ1と½
酢 小さじ2
砂糖 小さじ1と½
コチュジャン 小さじ1
ラー油 適量
七味唐辛子 適量
作り方
① ほうれん草100gはざく切り、玉ねぎ1/2個は薄切りにし、タレは混ぜ合わせておきます
② ボールにごま油以外の材料を全ていれ、よく混ぜます
③ フライパンにごま油を入れ②の半量をフライパン全体に広げ入れます
④ ヘラなどで押さえつけながら焼き、焼き色がついたら裏返します
⑤ フライパンのふちからごま油を回し入れ、焼き色がついたら取り出し同様にもう一枚焼いて完成です
管理栄養士/農業女子のプチコラム
ほうれん草にはシュウ酸が多いと、耳にしたことはありませんか?
そもそもシュウ酸とは、植物類に含まれているアクの成分です。
シュウ酸は人間の身体で栄養素として利用されることはなく、体外へ排出されていきます。
しかし、体外へ排出される前に結晶化し、蓄積していくと尿路結石になるリスクが高くなります。
では、「シュウ酸がたくさん含まれるほうれん草をどう食べるか?」ですが、シュウ酸が水溶性のため、茹でれば溶け出ていきます(ほうれん草の調理に茹でるイメージがあるのはこのためです)。
しかし、茹でることで同時に、ビタミンCや葉酸など大事な栄養素も水に流れでてしまいます。
さて、どうしましょう?
そこで、ほうれん草を食べるときのポイント3つです。
①茹で時間は約1分(短く!)
②カルシウムを多く一緒に食べる
③シュウ酸の少ない品種を選ぶ
ほうれん草を茹でる時は、1分程度のできるだけ短時間にすると、他の栄養素の損失も少なくなるのでおすすめです。
また、カルシウムを含む食材と一緒に食べると、シュウ酸が便として排出されやすくなります。牛乳やごまにカルシウムが多いので、シチューやごま和えもおすすめです。
そして、シュウ酸の量が少ない品種のほうれん草を選ぶのもいいでしょう。茹でなくてもそもそもシュウ酸の量が少ないのでそのまま料理ができて、調理の手間が少なくなります。