煮たり焼いたり、和洋中どんな料理にでも使える万能な野菜「人参」。
肉じゃがや筑前煮などの煮物、ポトフやミネストローネなどのスープ、酢豚やきんぴらごぼうなどの炒め物。活躍するレシピは多岐に渡ります。
そんな家庭料理に欠かせない人参ですが、いつもと違ってハーブやスパイスを使ったカフェ風アレンジレシピはいかがでしょうか?
今回は、管理栄養士でもあり、実際に人参を栽培している農家の私が、シンプルかつオシャレな人参の簡単レシピを3つご紹介します♩
人参の種類
人参には西洋系・東洋系の2種類があり、私たちがよく目にするオレンジ色の人参は、西洋系の一種で「五寸人参」という種類です。
五寸=約15cm であることから名前の通り、15cm〜20cmの長さをしています。
一方、東洋系の人参は、金時人参(京人参)なんかがよく知られています。
金時人参(京人参)はカロテンが少なくリコピンが豊富なのが特徴。 カロテンに由来する人参特有の青臭さが少なめです。
人参はスーパーでは1年中手に入りますが、それは時期によって産地を変えながら市場に出回っているからです。
4月から6月は九州や四国、7月から10月頃は北海道や東北、そして11月から3月頃は関東や九州のものが多く出回ります。
産地に着目して、味比べをしてみても楽しいですよ。
人参レシピ①:にんじんステーキ
人参本来の美味しさを存分に味わえる料理です。
ゆっくり、じっくり加熱することで甘味が引き出されます。
ローズマリーとも相性抜群です♩
材料(2人分)
人参 1本
ローズマリー 1枝
オリーブオイル 適量
塩 適量
ブラックペッパー 適量
作り方
①人参1本をラップで包み、レンジ(600W)で約1分加熱し、縦半分に切ります。
②フライパンにオリーブオイル適量とローズマリー1枝を入れて熱し、①を弱火でじっくり焼きます。
③器に盛り、塩・ブラックペッパー各適量で味を整え、オリーブオイルを回しかけたら完成です。
人参レシピ②:やみつき!人参のガーリック炒め
にんにくの香りが食欲をそそる!一度食べると止まらない、やみつきになるレシピです。
シンプルで簡単なレシピで、鶏肉を入れればボリュームアップでメインのおかずに早変わり!
材料(2人分)
人参 1本
おろしにんにく 1片
とろけるチーズ 20g
オリーブオイル 大さじ½
塩 ひとつまみ
パセリのみじん切り(あれば)
作り方
①人参1本は千切りにします。
②フライパンにオリーブオイル大さじ1/2を熱し、人参、おろしにんにく1片分を入れて炒めます。
③人参に火が通ったら塩ひとつまみ、とろけるチーズ20gを入れて軽く炒めます。
④器に盛り、パセリのみじん切りを散らして完成です。
人参レシピ③:【本格】人参のラペ(キャロットラペ)
フランスの家庭料理の定番「キャロットラペ」。「ラペ」とはフランス語で千切り、細切りなどを意味します。
そのままで食べるのはもちろん、ハムやたまご、レタスと一緒にパンにはさんでサンドウィッチにするのもおすすめ!
半日〜1日おくと味が馴染んでさらに美味しいですよ。
材料(2〜3人分)
人参 1本
オリーブオイル 大さじ2
酢 大さじ2
はちみつ 大さじ1
クミンシード 小さじ1/2
塩 ひとつまみ
ブラックペッパー 適量
作り方
①人参1本はピーラーでスライスします。
②人参に塩をひとつまみふりかけ、しんなりしたら水気をしぼります。
③フライパンにオリーブオイル大さじ2を熱し、クミンシード小さじ1/2を弱火でじっくり香りがでるまで炒めます。
④ボールに③、酢大さじ2、はちみつ大さじ1を加えてよく混ぜ、②を加えて混ぜ合わせたら完成です。
人参はβカロテンの宝庫!【管理栄養士プチコラム①】
人参には、βカロテンが100gあたり6900μg 含まれています。
同じ緑黄色野菜であり、βカロテンの含有量が多いとされる春菊では100gあたり4500μg、西洋かぼちゃでは3900μgと、他の野菜と比べても人参のβカロテンの量はかなり豊富であることが分かります。
βカロテンは体内で必要な量だけビタミンAに変換されます。
・皮膚や粘膜の健康の維持
・免疫力の強化
・視力の維持
β-カロテンは油と相性が良いので、油で炒めたり、ドレッシングにするなど人参と油と同時に摂取することで吸収率が格段にUPします。
また、β-カロテンは皮付近に特に多く含まれているといわれています。
スーパーで売られている人参は、土などの汚れを落とすために洗浄されています。
人参の皮は薄くこの工程ですでに皮がむかれている状態になっているので、ご家庭で料理をする際は、皮をむかない方がβカロテンを効率よく摂取できますよ♩
美味しい人参の見分け方【管理栄養士プチコラム②】
美味しい人参の見分け方ですが、「葉を切り落とした後の部分」に注目しましょう。
にんじんは葉が大きくなればなるほど、この付け根の直径が大きくなります。
葉を大きくするために栄養を使うため、付け根が大きいものと比べると、付け根が小さいものの方が甘味が多く繊維質が少ないため果肉が柔らかいです。
人参はどんな食材とも相性が良いため脇役になってしまいがちですよね。
今夜は人参が主役となる料理、作ってみてはいかがでしょうか?