ビタミンCが豊富でシャキシャキ感がたまらない野菜”キャベツ”。
葉がしっかりと巻いたずっしりしたキャベツは、家庭菜園でも人気な野菜の一つです。
とはいえ、「キャベツの育て方がわからない」「家庭菜園で立派なキャベツが作れるか不安」という悩みをお持ちではないでしょうか?
今回は、キャベツ農家である筆者が「初心者でも失敗しないキャベツの育て方」をご紹介!
キャベツ栽培でのよくある失敗例、それに対するプロ農家おすすめの対策まで、1つ1つ解説するので安心ですよ♩
キャベツの基礎知識
1年中スーパーで見かけるキャベツですが、実は時期によって特徴が違います。キャベツの種類や栄養素を知って、ぜひ生活にも役立ててください。
キャベツの種類
キャベツは、品種や出荷時期によって冬キャベツ・春キャベツ・夏キャベツと大きく3つに分類されます。
キャベツの栄養素
キャベツは、ビタミンCやビタミンU、食物繊維など豊富な栄養素が含まれます。
特にビタミンCが豊富で、葉3枚分で大人が必要な一日分のビタミンCをカバーできます。
また、ビタミンUというものは聞きなじみがないものでしょうが、「キャベジン」とも呼ばれ、胃に優しい働きをしてくれます。
そのため、主菜・副菜にも料理に添える形でも毎日摂りたい野菜です。
キャベツの栽培時期
キャベツは春・秋・夏に種をまくことができますが、家庭菜園では、夏に種をまいて冬から春先に収穫できるもの(夏まき)がおすすめとなります。
まずキャベツの生育適温は15℃~25℃であるため、真夏の暑い時期や冬の氷点下の時期はあまり生育がよくないのです。
また、春に植え付けて夏に収穫する(春まき)も可能ですが、高原などの涼しい地域でなければ虫の発生が多く、やや難易度が高いので非推奨です。
キャベツは品種によって植え付け時期や収穫時期が大きく変わるため、自分にあった品種選びを心がけましょう。
キャベツの種まき
苗を作る場合には、セルトレイでは1穴に1粒、ポットには2〜3粒ほど種をまきます。その後、土をかぶせたっぷり水をかけておきます。
発芽適温は15~25℃なので、夏は涼しい場所に、冬は暖かい場所に置いておきましょう。乾燥防止のために寒冷紗(かんれいしゃ)をかけておくのもよいです。
また、「手軽に苗から育てたい」という方は、ホームセンターや種苗店で購入しましょう。
いい苗を選ぶポイントですが、茎が太く節間(葉と葉の茎の長さ)が短いものです。
キャベツの育苗
キャベツの育苗では、水の管理が非常に大切となります。
水かけの目安は、朝水をかけて夕方に土が乾いているくらいが理想的です。
一方で夏は水のかけすぎが徒長の原因となり、ヒョロヒョロの苗になってしまうので、やり過ぎには注意です。
苗を置いておく場所は、夏は風通しよく涼しい場所、冬は換気のできる暖かい場所がおすすめです。
キャベツの土作り
キャベツの植え付け前に、畑に肥料をまいて、最後に畝を立てておきます。
肥料はバランスの取れた以下のものがおすすめです。
畝は幅60cmくらいの畝を立てておくと良いでしょう。排水性を高めるために、やや高めの畝にしておくのもおすすめです。
畝を大きく作り、2条植えでの植え付けも可能です。
キャベツの植え付け・植え方
植え付けのタイミングは、セルトレイの苗は本葉が3~4枚、ポット苗では5枚前後が目安です。
植え付けは、苗にたっぷりと水をかけてから行います。
株間は30~35cmくらい、茎を折らないように注意して植え付けします。
植え付け後にもたっぷりと水をかけておきましょう。
キャベツの手入れ
かん水(水やり)
植え付け後すぐは、週2~3回ほど水やりをして根を活着させます。
その後は、過度の乾燥に気をつけておけば、さほど水かけの必要はありません。
水のかけすぎは病気の原因にもなるため、雨が多い年にはあまり水かけをしなくても良い年もあります。
追肥
追肥は以下の2回のタイミングを目安に行います。
〇夏まき冬収穫の場合
②…①の約1か月後で結球し始める時
〇秋まき春収穫の場合
②…①の約1か月後で結球し始める時
なお、上記のタイミングはあくまで目安です。葉色が悪かったり、葉や玉が小さい場合には適宜追肥してあげると良いですよ。
また、追肥と同時にキャベツの根元に土寄せをします。
ただし、キャベツの結球後は根を痛めない方が良いため、その時期は土寄せなどは特にせず根元を傷つけないようにしましょう。
キャベツの消毒・害虫対策
キャベツはほぼ確実に虫の被害があります。虫にとっても非常においしい野菜なのです。
そのため、消毒や防虫ネットで対策をする必要があります。
畑の周りに草が生えている場合も虫の発生原因となるため、こまめに草取りをしておくと害虫対策は万全です。
間違っても、家庭内で使用しているゴキブリ用の殺虫剤などは使ってはいけませんよ。
キャベツの収穫
キャベツが大きくなり、上から押して固いなと感じるくらい葉が締まってきたら収穫時期です。
キャベツの巻きがゆるく軽いうちはまだ早いので、焦らず待ちましょう。
よくあるキャベツの失敗例と対策【専業農家が教える】
家庭菜園でキャベツに挑戦してみても、上手くいかないと悲しいですよね。
そこで、キャベツ栽培でよくある3つの失敗例とキャベツ専業農家が教える対策をまとめてみました。
まず結論から言うと「よくある失敗例」は以下の通りです。
①虫食いが多い
②病気になる
③キャベツが小さい
よくある失敗例①:虫食いが多い
虫との戦いは、キャベツを育てる上で避けては通れない大きな問題です。
キャベツ農家である筆者も夏場には、週1回の消毒をしているほどです。
虫の対策としては、可能であれば消毒をするか防虫ネットを使用しましょう。防虫ネット使用の際は、土との間に隙間がないようにします。また、こまめな草取りや虫の駆除も効果的です。
冬の12月〜2月ではあまり虫の被害はありませんが、それ以外の暖かい時期では虫が発生しやすいため注意しておきましょう。
よくある失敗例②:病気になる
台風や雨が多い年にはキャベツが病気になってしまうこともあります。葉が変色する菌核病・軟腐病、根に異常が現れる根こぶ病などがキャベツの主な病気です。
病気になる原因は、キャベツが風で傷ついたり湿気が多く病原菌が発生しやすいなどがあげられます。
「台風前には根元に土寄せ」「雨水が畑に溜まらないようにする」などして対策しましょう。
加えて、病気になってしまった株は畑の外に出しておくと被害を最小限に抑えられますよ。
よくある失敗例③:キャベツが小さい
キャベツが大きくならず、小さいままということもよくある失敗例です。生育が順調にいかないと小玉のまま収穫をむかえることになってしまいます。
基本的には、水分と栄養がキャベツの成長に欠かせないものです。
大きいキャベツを収穫するためには、追肥と土寄せをしてキャベツの外葉を大きく育てることが大切です。また、キャベツの結球後は畑が乾燥しているようなら水かけをしてあげましょう。
しかし、日当たりが悪かったり畑の排水性が悪かったりしても思うように生育しません。上手くいかない場合には、畑の環境を見直してみるといいでしょう。
おわりに:家庭菜園で美味しいキャベツを育ててみよう!
いかがだったでしょうか?
今回の記事を参考にすれば、家庭菜園でも大きくてきれいなキャベツを育てられます。
特に、病害虫の対策・追肥・水やりがポイントでしたね。
収穫したてのキャベツはみずみずしくて甘いですよ。あなたもぜひ味わってくださいね♩