ハーブティーや肉料理の臭み消しとしてよく利用されているローズマリー。
実は、お家で水耕栽培(水栽培)でも育てることができるのをご存知ですか?
ハーブ料理が好きだし育ててみたいなと思っている方、既にローズマリーを育てているけど株数を増やしたいという方には、水耕栽培がおすすめです。
今回は、ローズマリーの簡単な水耕栽培の始め方・育て方のポイントを紹介します♩
ローズマリーとは
ローズマリーは、地中海沿岸地方原産のシソ科マンネンロウ属の植物です。樹の高さは50~120cm程度で、まれにそれよりも大きくなることもあります。早春から夏にかけて白色や紫色の花を咲かせますが、日本では不定期で咲くことが多いです。
生のまま肉料理の臭み消しなどに使ったり、乾燥させて保存することも可能です。料理やハーブティーとしてはもちろんのこと、度数25度以上のアルコールに漬けて薬用のチンキを作ることもできます。
ローズマリーの種類・品種
ローズマリーは、「立性品種」、「匍匐性品種」、「半匍匐性品種」の3つに分けることができます。それぞれの特徴を見ていきましょう。
簡単に言うと「立って伸びていくか、地を這うように伸びていくか」という違いです。
立性品種
立性品種(「立ち性」とも)は、木のように自立していて上に向かって枝を伸ばしていくという特徴があります。
「アープローズマリー」や「コルシカンローズマリー」などさまざまな品種が栽培されています。
匍匐性品種
匍匐性(ほふくせい)品種は地面を這うように伸びていきます。
条件が揃えばどんどん伸びていくのでお庭のグランドカバーとして利用するのもおすすめです。
「サンタバーバラローズマリー」や「ハンティントンカーペットローズマリー」などさまざまな品種が栽培されています。
半匍匐性品種
半匍匐性(はんほふくせい)品種は、立性と匍匐性の中間といったところで、横にも上にも伸びていくという特徴があります。
半匍匐性品種には「ウッドローズマリー」や「マジョルカピンクローズマリー」などがあります。
ローズマリーを水耕栽培で育てる方法【室内で簡単!】
ローズマリーは土を使わずに育てる水耕栽培でも育てることができる植物です。
ここでは、室内で簡単にできる、ローズマリーの水耕栽培での育て方をご紹介します♩
準備するもの
・ペットボトル
・スポンジ
・発根促進剤
・ハサミなど
ローズマリーの水耕栽培に適した時期
ローズマリーの生育適温は20~30℃なので、水耕栽培を行う時期は春か秋のどちらかがおすすめです。
ローズマリーは耐暑性が比較的強い植物ですが、高温多湿を嫌うので真夏は避けた方がいいでしょう。
気温が中間的な地域であれば、春は5~6月、秋は9~10月が水耕栽培を始めるのに最適な時期となりますが、生育低温の範囲内であればいつでも行えます。
ローズマリーで水耕栽培を行う手順
ここからはペットボトルを利用した水耕栽培の方法を紹介します。
1.枝の切り戻し
10cmほどのローズマリーの枝を用意して、下の方にある葉を全て取り除きます。枝の下部分から水を吸いやすくなるようにハサミやカッターで斜めにカットして水に1時間程浸しておきましょう。
2.ペットボトルの準備
500mlのペットボトルを用意して、飲み口の部分から7cmほど下の所をハサミやカッターなどを使ってカットします。
カットした飲み口を逆さにして残りの部分にセットすれば水耕栽培の容器は完成です。
3.スポンジに枝を挿す
食器洗い用のスポンジを用意して、2~3cm角でカットします。
カットしたスポンジの真ん中部分に十字の切り込みを入れて水を吸わせます。十字の切り込み部分に水揚げしておいたローズマリーの枝を挿して下さい。
4.ペットボトルにセットする
最後に、ペットボトルで作った水耕栽培の容器に水を半分程度入れて、ローズマリーを挿したスポンジをセットします。
ローズマリーは発根まで時間がかかるので、メネデールなどの発根促進剤を薄めた水にすると発根が早くなります。
水交換
水の交換は最低でも2日に一回程度は行いましょう。スポンジが乾いてしまうと枯れてしまうことがあるので、水位にも注意が必要です。暖かい時期は水に雑菌が繁殖しやすいのでこまめに水を交換してください。
発根までは早くて2週間、長いと1か月ほどかかることがあります。根がスポンジの位置よりも下に出てきたら水の量を少し減らしてください。
水位は、根が半分程度浸かるくらいが目安です。根の上部に空気が当たるようにして育てましょう。
肥料
ローズマリーが発根したら水耕栽培用の肥料を与えてください。
おすすめはハイポネックスの水耕栽培用の肥料です。
発根して生育が安定してきたら、水に肥料を溶かした培養液で育てていきます。与える肥料の量は使用するものによって違うので、肥料のラベルなどに書かれている説明書きを読んでから培養液を作るようにしてください。
最初から多く与えてしまうと肥料焼けを起こしてしまうことがあるので、小さいうちは半量からスタートするなど少なめから始めることをおすすめします。
培養液の交換は、3日に1回程度が目安です。また、培養液が濁っているなと感じたら交換してください。
ローズマリーの水耕栽培に適した環境は?
ローズマリーは日当たりが良好な場所を好む植物なので、室内で水耕栽培を行う場合は窓際などに置いて育てていくのがおすすめです。
半日陰でも育ちますが、枝が徒長してきたら日光不足のサインなので日当たりがいい場所に移動してあげてください。
水だけで育ててるうちは気にしなくても大丈夫ですが、培養液を日光に当てると藻が発生するので容器にアルミホイルを巻くなどして対策しましょう。
ローズマリーの水耕栽培を行うポイント3つ
ミントやラベンダーなどのハーブと比べると、ローズマリーは水耕栽培向きの植物ではないですが、ポイントをしっかり押さえることで成功する確率が高くなります。
ポイント①:新しい枝を使用する
水耕栽培に使用する枝はその年に出てきたばかりの新しいものを使用してください。
根っこを出すというのは植物にとってエネルギーを必要とすることなので、古い枝よりも若い枝の方が発根しやすいというメリットがあります。
ポイント②:切り戻し方法
切り戻しは水耕栽培を行う上で重要な作業のひとつです。
切り戻しをする際は水を吸いやすくするために枝の断面がなるべく広くなるようにカットするのがポイント。失敗しないためにも切れ味のいいハサミを使用しましょう。
ポイント③:水量
水量は、少なすぎても多すぎてもよくありません。
根が半分程度浸かるくらいが目安です。生育に合わせて水位を調整してあげましょう。
ローズマリーの水耕栽培は簡単でおすすめ!
今回は、ローズマリーを水耕栽培で育てる方法を紹介しました。
料理に少しだけ欲しいときやインテリアグリーンとしてはもちろん、既にローズマリーを育てていて増やしたいと考えている方にもおすすめです♩
この機会に、土で栽培するのとはまた違った楽しみ方ができる「ローズマリーの水耕栽培」に挑戦してみてはいかがでしょうか?