家庭菜園ライフでの一番の悩みといえば「虫」。
虫に食われて収穫できなかった…という経験はありますよね。
どうやら防虫ネットやトンネル栽培というものが有効みたい。
とはいえ、トンネルを張るのは難しそう…。どんな資材を使えばいいのかもわからないし…
という悩みがあるかもしれません。
そこで今回は、普段からトンネルを張りまくっている農家の私がトンネルの張り方、必要な資材や道具、張り方のコツをご紹介します。
これで虫食いに悩むことはありません!快適な家庭菜園ライフが待っていますよ♩
トンネル栽培とは
トンネル栽培とは、ビニールなどの被覆資材をトンネル状に被せて野菜を育てる方法です。
家庭菜園で頭を悩ませる虫食いや病気の原因となる虫を防いだり、寒い時期にも栽培を可能にしてくれます。
家庭菜園ライフがグッと豊かになること間違いなしです♩
トンネル栽培のメリット
トンネル栽培によって得られる主なメリットは
- 防虫
- 防寒
- 防霜
- 防風
があります。
目的に応じて使用する資材を替えることで、栽培に幅を広げられますよ。
例えば、「農薬を使用したくない」という方は、防虫ネットを張ることで、害虫類の飛来を防げます。
「寒い時期にも野菜を育てたい」という方は、ビニールや不織布を張ることで、寒さや風から野菜を守ることができますよ。
ここからは、トンネル栽培によく使用される資材4つを1つ1つみていきます。
防虫ネット|トンネル栽培に使用する被覆資材①
まずは「防虫ネット」。目の細かいネットで、害虫の飛来を防ぎます。害虫類が嫌う、反射材が編み込まれたものが多いです。
目合いの大きさによって防げる害虫の種類が異なるので、目的にあったサイズの物を選びましょう。
目合いの小さいものほど、防げる害虫は多くなります。一方、通気性は悪くなるので、温度が上昇したり、過湿になったりして野菜の成長に影響が出る場合もあるので注意してください。
目合い | 防げる害虫 |
0.4mm | コナジラミ |
0.6mm | ハモグリバエ、キスジノミハムシ、アザミウマ |
0.8mm | アブラムシ |
1.0mm | アオムシ、コナガ、ヨトウムシ、カブラハバチ |
2~4mm | モンシロチョウ、オオタバコガ、ハイマダラノメイガ、ヨトウガ |
ちなみに、プランター用の防虫ネットも販売されています。プランターをすっぽりと覆うことができるので、プランター栽培だけでなく、育苗時にも活躍します♩
寒冷紗|トンネル栽培に使用する被覆資材②
「寒冷紗」はよく耳にするかもしれません。強度のある化学繊維を荒く平織りに織り込んだ布のことです。
通気性と保温性のどちらも兼ね備え、防虫、防寒、防霜、防風とさまざまな効果があり、季節を問わずに使用できる、まさにオールマイティな被覆資材です。
白、黒色のタイプがありますが、使い勝手がいいのは白色です。黒色は遮光率が高いので、場合によっては徒長の原因になることがあります。
寒冷紗のデメリットとしては、防虫ネットより網目が荒いので、小さな害虫類は防げないことです。小さな害虫を防ぎたいなら防虫ネットです。
不織布|トンネル栽培に使用する被覆資材③
3つ目は不織布。繊維を絡めて布状にしたものです。不織布は、保温、霜よけに効果が高い資材です。
寒冷紗より保温効果が高いので、より寒い時期に使用されます。
耐久性が劣るため、トンネル資材としても使用できますが、後ほど紹介する「べた掛け」に使用されることが多いです(トンネル状ではなくベターとかける)。
ビニール|トンネル栽培に使用する被覆資材④
最後は「ビニール」。ビニールは保温目的に、秋から春に使用することの多い資材です。
素材や厚みによって透過率や保温性、耐久性が異なり、換気用の穴が空いているものもあります。
特徴はなんといっても、被覆資材の中で一番保温能力が高いこと。見るからに暑そうですよね。
春先などは、日中に高温になりすぎる可能性があります。そのため、多少保温能力が落ちますが、穴が開いたものを使用する or 朝晩に開閉して換気する必要があります。
トンネルの張り方
ここからはトンネルの張り方を実際にご紹介します。
必要な資材や張り方のポイントを参考にしてみてくださいね。
トンネル栽培に必要な資材
- 被覆資材(目的に合わせて選んでください)
- 支柱
- パッカー(クリップ、洗濯ばさみなどでも可)
- 杭、Uピン
- ビニール紐(ビニールトンネルの場合)
- クワ
被覆資材は、畝の幅の約2倍の幅、畝の長さプラス2~3mのものを用意してください。
支柱も畝の幅の約2倍(被覆資材と同じ)ものを用意します。
被覆資材を留めるパッカーは、専用のものを使用すると、換気時に被覆資材を留めることができるので便利です。文房具のダブルクリップや目玉クリップと呼ばれるタイプのクリップや、洗濯ばさみでも代用OKです♩
トンネルの張り方手順①:支柱立て
畝の幅に合わせて、50~60cm間隔で支柱を立てていきます。畝の端には補強用に斜めに支柱を挿すことで、綺麗にトンネルを張れます。
トンネルの張り方手順②:資材を張る
斜めに挿した支柱の少し先に、杭に結びつけるか、Uピンで被覆資材の端を固定します。そのまま反対側へと引っ張っていき、ピンと張った状態で反対側にも同じように固定してください。
ビニールの場合は、裏表があるので注意しましょう。多くの場合、製品名が書かれていますので、外側から見て文字が読める向きが正しいです。裏表が逆だと、機能が十分に発揮されません。
トンネルの張り方手順③:資材を留める
最後に資材が風でめくれたり、飛ばされたりしないように留めていきます。留める方法はいくつかありますが、一番簡単な方法はパッカーやクリップで資材の地際を留めるだけの方法です。
留める時は、数センチ四方に切った厚手の紙を挟むと、資材に傷がつきにくくなります。
数本おきに、資材の上から支柱を重ねるように挿すのもおすすめです。
頻繁に開閉する場合には手間がかかり不向きですが、風に強くなりますし、害虫が入る隙間を防げるのでおすすめです。
べた掛け
さて、今回はトンネル栽培の解説でしたが、最後に「べた掛け(べたがけ)」というものをご紹介。
べた掛けとは被覆資材を畑に直接掛けることをいいます。トンネル状に組むのではなく、ベターっとそのまま畑にかけるだけでOKです。
軽い素材である不織布が使われることが多いですが、寒冷紗でも可能です。
べた掛けすることにより、種まき後の保温や、発芽後の鳥害、虫害を防げます。
べた掛けの方法
種をまいた後に、畝の上に資材を被せます。
両端をマルチ押さえで固定し、裾部分もいくつかマルチ押さえで固定してください。テンションを張ると発芽後の苗を押さえつけてしまうので、軽くフワッとかけるのがポイントです。