シャキッとした歯ごたえで炒めものには欠かせない野菜「チンゲンサイ(青梗菜)」。
火を通してもシャキッとした食感はしっかりと残り、料理のアクセントとしても使えます♩
今回は、チンゲンサイの栽培方法・育て方のコツを農家の私たちが解説していきます。
チンゲンサイの土作り、種まき時期、苗の育て方、収穫時期など基本的な栽培方法だけでなく、最も大事な害虫対策のアドバイスまでご紹介!
わずか1、2ヶ月で収穫できるので、ご家庭でとれたて新鮮なチンゲンサイを味わってみるのはいかがでしょうか?
炒めものには欠かせないチンゲンサイ
収穫したチンゲンサイは、シャキシャキとした食感とほのかに甘みがあります。
油で炒めたり、ゆでてクタッとさせると最高です♩
チンゲンサイの栽培時期
チンゲンサイは春と秋に種をまくチャンスがあります。春まきは害虫が多いため、初心者におすすめなのは秋まきです。
春まきだと40〜50日、秋まきだと60〜70日で収穫できるようになります。
チンゲンサイの土作り
まずはチンゲンサイを育てるための土作りを行います。
畑に植える場合
土作りの手順①:苗を植える2〜3週間前に苦土石灰を入れて耕し、土壌を中性にしておきます。
土作りの手順②:植え付け2週間前に堆肥を入れるとGood!
土作りの手順③:植え付け1週間前には元肥を入れて耕し、高さ10〜15センチ程度の畝を立てておきましょう。元肥は化成肥料を1平方メートルあたり100gまけばOK!
▶︎土づくりの基本を見てみる
▶︎簡単!畝立ての方法を見てみる
プランター栽培の場合
また、プランターで栽培する場合は、市販の培養土を使えばOK!とても簡単です。
チンゲンサイの種まき〜育苗
家庭菜園初心者の方は、ポットである程度まで育ててから、畑に苗を植え替えるのがおすすめです。管理がしやすく難易度が低めです♩
手順①:ポットやセルトレイを準備し、種まき用の培養土を8分目まで入れておきます。
手順②:窪みをつけて1区画あたり2粒ずつ種をまきます。
手順③:薄めに土をかけ、種が流れないように注意しながらたっぷりと水をあげます。
チンゲンサイの植え付け
種まきから10日くらい経ったら、苗を植え替えていきます。
地域や気温によっても異なるので、本葉が3〜4枚程度育った頃が目安です。
それぞれの苗を15cm間隔をあけながら植えていきます。植え付け後はたっぷりと水を与えておきます。
チンゲンサイの手入れ
チンゲンサイは種まき〜収穫が1ヶ月半〜2ヶ月と非常に短いので、手入れは少なめです♩
水やり
乾燥に強い野菜なので、基本的には自然の雨で十分です。
土が乾いた時だけ、たっぷりと水をあげるくらいでOK!(あまりにも乾燥したままだとアブラムシが発生したり生育が悪くなります)。
追肥
追加で肥料を加える「追肥」を1〜2回行います。
おすすめの肥料は、普通肥料のオール8(8:8:8)です。
追肥のタイミングですが、降雨量が多くて成長が悪い時や、葉っぱが巻いていくタイミングで行います。
肥料をまくのと同時に、チンゲンサイの根元部分に土を軽く被せてあげましょう(土寄せ)。
チンゲンサイの収穫
葉の高さが20cmまで達し、根元の部分が丸みを帯びてきたら収穫のベストタイミング!
この時期は種をまいてから大体1.5〜2ヶ月ほど経過した時期にあたります。
収穫時期を逃すと葉や茎が固くなって食感が悪くなるため、タイミングを逃さないようにしましょう。
収穫はハサミを使って行います。切り口が平らになり傷みにくくなりますよ。
チンゲンサイのよくある病虫害・その対策
病気|ウイルス性の病気
ウイルス性の病気には葉や茎が変色したり萎縮する「萎黄病」や「萎縮病」、まだらに斑点が現れる「モザイク病」、葉が巻いて萎縮する「葉巻病」などがあります。
これらの病気は主に葉に現れるため、チンゲンサイのように葉を食べる野菜の場合は被害が大きくなりやすいです。感染した株は直ちに抜いて処分をします。
またこれらのウイルスは主にアブラムシが媒介しているため、原因となるアブラムシの駆除を徹底して行うのが最も有効な予防方法です。
株同士の間隔を15cm程度しっかりあけるのも予防法として有効です。
害虫①:アブラムシ
前述した通り、アブラムシはウイルスを運ぶため、チンゲンサイが病気に罹るリスクを高めます。
ですがそれだけでなく、アブラムシそのものが葉や茎などから養分や水分を奪います。必要な養分がチンゲンサイ本体に行き渡らなくなり、枯らされてしまう可能性があります。
アブラムシを見つけた際はすぐに除去するようにします。
また、アブラムシが寄らないように、シルバーマルチを使ったり、農薬を使うのも対策の1つです。
また乾燥しているとアブラムシが発生繁殖しやすいため、土が乾燥していたら水やりをしましょう(やりすぎは注意です)。
害虫②:アオムシ
さらにアオムシは皆さんがご存知のモンシロチョウの幼虫です。アオムシは葉を食べてしまうことで、チンゲンサイを駄目にしてしまいます。
特にアオムシは食べる量がとても多く、平気でチンゲンサイ一株を平らげます。また少しの衝撃では葉から離れることがないので、しっかりと1匹ずつ駆除しなくてはなりません。
アオムシがいる植物には卵の段階から葉にくっついている場合が多いです。葉の裏側や茎の根元を入念にチェックして、孵化する前の卵を取り除くとより安心です。
さらに前の段階で対処するのであれば、発芽した段階または苗植えをした段階で防虫ネットを掛けておくと卵を産みつけられる心配はありません。
コンパニオンプランツが発する香りで、害虫が寄り付かなくなります。チンゲンサイの近くに植えても、皆さんも知っている一般的な野菜なので特に悪影響はありません。
▶︎コンパニオンプランツについて詳しくみてみる
若手農家のワンポイントアドバイス
チンゲンサイは葉物野菜なため、葉が病気に罹ったり害虫が付くと食べられなくなってしまいます。
せっかく大切に育ててきたのに、最後の最後に、葉を駄目にされてしまってはがっかりしますよね。
そこでチンゲンサイの栽培では害虫予防、特に「アブラムシ」の対策を必ず行いましょう!
・植え付け時、株間をしっかり空ける(15cm程度)
・シルバーマルチを張っておく
・防虫ネットをかける
・アオムシの卵を取り除く
・コンパニオンプランツ(春菊・レタス・ニラ)をそばに植える
・土が乾燥しているときは水やり
・農薬を使用する
(※全部をする必要はありません)
チンゲンサイは栽培時期の融通が効くため、いつでも育て始めやすい野菜といえます。
ぜひこの機会にチンゲンサイの栽培にトライしてみてくださいね♩
それではまた!