炒め物やおひたし、和え物など様々な料理に使うことができ、栄養価も抜群な”小松菜”。
実は、小松菜は家庭菜園初心者でも失敗が少なく育てられること、ご存知ですか?
成長が早く栽培期間が短いのが特徴で、プランターで種まきから最短1ヶ月で収穫が可能です♩
というわけで今回は、小松菜農家が「家庭菜園で失敗しない小松菜(コマツナ)の育て方」を解説します。
小松菜をおいしくいただける収穫のポイントも紹介しますよ。
小松菜(コマツナ)の特徴
小松菜はアブラナ科アブラナ属で、江戸時代に開発された野菜です。
東京都江戸川区にある、小松川地域で盛んに栽培されていたので小松菜という名前が付けられました。
中国野菜のチンゲンサイなどと同じ仲間ですが、小松菜はクセが少ないのが特徴です。
また、成長が早いため栽培期間が短く、種まきから最短1ヶ月で収穫が可能です。
春〜秋と栽培できる時期が長いのもありがたい野菜です。
一風変わった紫小松菜というものもあるので、品種選びも楽しんでくださいね。
小松菜(コマツナ)の栽培時期
小松菜は、種まき〜収穫までが1〜2ヶ月と短期間で育てられます。
一年中育てることもできますが、初心者の方は、10月に種をまき12月に収穫する”秋まき”が最もおすすめです。
害虫被害が少なく、作業の手間が少なくて済みますよ。
秋まきの次におすすめなのが、3月に種をまいて5月に収穫する”春まき”です。
もちろん真冬でも栽培可能ですが、トンネルやハウスを使用する必要があって、中級者向けです。
小松菜の土作り
プランター栽培の場合
プランターは深さ15㎝以上のものを用意しましょう。
ホームセンターなどで購入できる、野菜用の培養土を使用すると育てやすくなります。
プランターの底には石を敷き詰め、土は縁ギリギリから2〜3cm下まで入れます。底に石を敷くことで水はけが良くなり、病気を防げます。
栽培期間が短く何度も育てることが可能ですが、連作の影響を受けやすいので、栽培するたびに毎回新しい土を使用しましょう。
畑で育てる場合
小松菜は土壌が酸性でも育ちますが、酸性の強い畑では種をまく2週間前に苦土石灰を入れて耕しておきます。
1週間前に肥料を入れて耕し(元肥)、高さ10cm程度の畝を立てておきましょう。
小松菜の種まき
小松菜は収穫まであっという間なので”苗”からではなく”種”から育てましょう。
条間を15cmあけて、すじまきをします。
発芽率が非常にいい野菜なので、後々間引く手間を考えると、種のまきすぎには注意です。
1〜2cm間隔で、1粒ずつまいていきます。
上から少量の土をかぶせて、しっかりと鎮圧します。
まき終わりにはたっぷりと水を与えましょう。プランター栽培であれば、底から水が流れるくらい水をあげます。発芽までは土が乾かないように注意です!
小松菜(コマツナ)の手入れ
間引き
小松菜を育てる中で最も大切なのが、間引きです。
一番太く立派な苗のみを残し、他の苗はもったいないですが引き抜いてしまいます。
間引きをすることで栄養を集中させ、立派な小松菜を育てることができますよ。
間引きの方法ですが、手で間引くと横の苗も一緒に抜いてしまう恐れがあるので、ピンセットで1本ずつ抜くのがおすすめです。
間引きの際は、葉の一部が欠けているもの・苗が細いものを選んで抜いていきます。
そして、間引きのタイミングや間隔ですが、
間引き1回目:本葉が1〜2枚のとき、3㎝間隔
間引き2回目:本葉が3〜4枚のとき、5㎝間隔
間引き後は必ず土寄せをし、たっぷり水を与えましょう。
2回目の間引き時に土が固くなっていれば、中耕して柔らかくすることで成長の手助けとなります。
間引くときは思い切って間引きましょう。
遠慮気味に間引くと栄養が分散し、立派な小松菜はできませんし、病気の原因にもなります。
追肥
小松菜は成長も早いので、追肥(追加で肥料を与える)は、なくても大丈夫なくらいです。
もし、葉が萎れていたりして生育が微妙だなという場合は、2回目の間引き後に少しだけ追肥をします。
追肥の量の目安ですが、2列で育てている場合は、列の間に1平方メートル20gほどの少量を与えましょう。
小松菜の収穫
いよいよ収穫です。
小松菜は、背丈が20〜25㎝になった時が収穫の目安です。
収穫方法ですが、株元あたりをしっかりつかんで株ごと引き抜く、または根元のあたりをハサミで切りましょう。
また、小松菜は成長が早いため収穫が遅れるとどんどん大きくなります。
早めに収穫することで、苦味が少なく小松菜本来の味を楽しむことができますよ♩
病害虫対策
小松菜の主な病気の原因3つ
小松菜は栽培期間が短いので病気の心配は特にありませんが、”水はけの悪さ”や”肥料の与えすぎ”、”風通しの悪さ”から病気になることがあります。
水はけが悪い
15cm程度まで育ったら水やりを控えましょう。
湿気や湿度過多による白サビ病発生の原因になります。
肥料の与えすぎ
追肥は適量、または与えないでOKです。
風通しが悪い
間引きの間隔が狭すぎて葉が生い茂ると、風通しが悪くなり、病気になる可能性が高くなります。
記載した間隔で間引きをしましょう。
害虫:アオムシ
アブラナ科である小松菜は、アオムシなどの害虫が好む野菜です。
“秋まき”はそこまで対策の必要がありませんが、”春まき”では害虫対策が必須です。
対策としては、種まき直後から害虫ネットを張っておきましょう。
葉に穴が開いていたりフンが落ちている場合は、アオムシなどの害虫が潜んでいるので、見つけ次第補殺しましょう。
プロ農家のワンポイントアドバイス
さらに余裕がある人向け! 農家さんのように小松菜を育てるためのワンポイントアドバイスです。
①発芽率アップ
種まき後にもみ殻をかけるとさらに発芽率アップ!
②間引きを減らす
春まきの場合、暖かく大きくなるのが早いのであえて間引きを一回にすると良いでしょう。
小松菜を大きくなりすぎないようにする(抑制栽培)というテクニックです。
小松菜(コマツナ)栽培のポイントまとめ
いかがだったでしょうか?
今回はプロ農家による「失敗しない小松菜の育て方」を紹介しました。
最後に、小松菜栽培でのポイントをまとめておきます。
・プランターは深さ15㎝以上のものを用意。
・種まきは条間15㎝あけて”すじまき”。
・上からかぶせる土の量は少なめにし、鎮圧後たっぷりと水を与える。
・間引きは本葉が2枚のときと5〜6枚になったときの2回。
・背丈が20〜25㎝で収穫。スーパーの大きさよりも少し小さいうちに!
家庭菜園で小松菜を早めに収穫することで、苦味が少なく、小松菜本来の味を楽しむことができますよ。ぜひご堪能ください♩