スパイスの一種でさまざまな料理に利用されている唐辛子。
東南アジアやメキシコの野菜というイメージがあるかもしれませんが、実は日本でも栽培することが可能です。
今回は、数ある唐辛子の品種の中から家庭菜園でのおすすめの品種を紹介すると共に、育て方や栽培のコツをわかりやすく解説します。
初心者でも簡単にプランターで栽培できますよ♩
唐辛子とは
唐辛子は中南米が原産のナス科トウガラシ属の植物の総称です。コロンブスがヨーロッパに持ち帰ったのが始まりで、日本には1542年にポルトガル人によって伝えられたと言われています。
発芽適温や生育適温は25~30℃と高めで低温に弱いという特徴があり、日本では夏野菜として栽培されています。
唐辛子=辛いというイメージがあると思いますが、辛くない品種もあり、ピーマンやシシトウ、パプリカなんかはも唐辛子の一種です。
家庭菜園で育てるならコレ!人気のおすすめ品種4選
今回は、辛味のある唐辛子を中心に、家庭菜園で人気の品種とそれぞれの特徴を紹介します。
どんな品種でも基本的な育て方は共通しているので、あなたが気になる品種を選んでくださいね♩
①鷹の爪
鷹の爪は、日本で最もポピュラーと言っていいほど日本各地で栽培されている品種です。
乾燥させたものを炒め物や漬け物などに加えて利用するのが一般的です。
ほんの少〜し加えるだけでも、いつもの料理の雰囲気がガラッと変わります♩
鷹の爪とひと口にいっても、厳密に言うと「本鷹(ほんたか)」、「八房(やつふさ)」、「三鷹(さんたか)」などいくつかの品種に分けることができます。
②ハバネロ
ハバネロは非常に強い辛味を持つ唐辛子です。日本の唐辛子は50000スコビル程度ですが、ハバネロの辛さは100000~350000スコビルとも言われ、チリソースなどにして加工するのが一般的です。
ガツンした激辛料理が好きな人にはおすすめです。
③ハラペーニョ
ハラペーニョはメキシコが主要産地の青唐辛子です。
それなりに辛味はありますが、ハバネロほどは強くないのでピクルスや肉詰めにしたりして食べることもあります。
苗はホームセンターで販売されていることもありますが、オンラインショップなどで手に入れる方が確実です。
④万願寺とうがらし
万願寺(まんがんじ)唐辛子は、京都府の舞鶴地方で生まれた辛くない唐辛子です。
苦みが少なく甘みがあり、種も少ないので食べやすいのが特徴です。
シンプルに焼くだけでも美味しいですが、炒め物や天ぷらなどにすると絶品です♩
唐辛子の栽培時期・栽培スケジュール
唐辛子は畑だけでなく、プランター・鉢植えでも育てることができます。
唐辛子は種から育てることも可能ですが、家庭菜園初心者の方は苗を植え付けて育てるのがおすすめです。
・種まき:3月中旬~4月上旬(※苗から栽培する場合、ここはスキップ)
・植え付け:4月中旬~5月下旬
・収穫:7月中旬~9月下旬
なお、上記の栽培スケジュールは中間地で育てる場合の目安です。住んでいる地域の気候などによって多少ずれることがあります。
唐辛子の苗の植え付け
唐辛子は寒さに弱いので、気温が上がって霜の心配がなくなってから植え付けましょう。
畑に植える場合は株間を40cm程度、プランターで複数の苗を植える場合は25cm程度は空けるようにしてください。
株間が狭いと風通しが悪くなり害虫や病気の原因となります。
1.ポットがすっぽりと入る位の穴を掘る
2.根鉢を崩さないようにポットから外す
3.植え穴に苗を置いたら周りの土を寄せるようにして上から鎮圧する
4.水やりを行う
唐辛子の手入れ
支柱立て
植え付け後なるべく早めに仮支柱を立てて紐などで固定します。これで風などで倒れたりすることがなく安心です。
苗が少し大きくなってきて花が咲き始めた頃には、1mほどの支柱を立てて誘引(支柱に沿わせる)しましょう。
水やり
唐辛子は根を浅く張る植物なので、乾燥に弱いという特徴があります。植え付け後1~2週間は毎日水やりをしましょう。
その後は毎日の水やりは不要です。天気や土の状態を見て、土が乾燥していれば水やりをしてください。
肥料
家庭菜園でよくある悩みが「思ったより収穫できなかった」という悩み。
この原因としては「肥料不足」が多いです。
唐辛子は収穫期間が長い作物なので、肥料切れには注意しましょう。
一番最初の花が咲いたころに1回目の追肥を行います。肥料をあげるときは苗の少し離れた場所に播くようにしてください。
実がなりだしたら2週間に1度のペースで行います。
量は使用する肥料によっても違うので、肥料袋を確認してから追肥を行ってください。
以下の肥料はバランスも良く、使いやすくておすすめです。
整枝
唐辛子栽培では、日当たりや通気性をよくするために整枝を行います。
プランターで複数育てている場合は、主枝1本と一番花の下の枝を2本残し、3本立てにしましょう。
畑で育てている場合は、一番花より下から出る枝は全て取り除きます。
一番花より上の枝は基本的に放って置いてかまいません。葉が混み合っているところだけ整枝してあげるようなイメージでOKです。
唐辛子の収穫
いよいよ収穫です。
実が赤くなったものから随時収穫していきましょう。
青唐辛子を育てている場合は、実がちょうどいい大きさ(品種ごとに異なる)になったら収穫します。
収穫するときは、手で枝を折るのではなくハサミを使い、ヘタの部分を切り取ってください。
収穫した唐辛子の保存方法
鷹の爪などの唐辛子は、収穫後ザルなどに広げて風通しのいい日陰に置いておくと長期保存が可能です。
育てている品種によっては、醤油漬けにしたり酢漬けにしたりとさまざまな保存方法で楽しむことができます。
唐辛子栽培でよくある病虫害とその対策
病気
・ウイルス病
・疫病
・斑点病
唐辛子の葉が茶色く変色したり萎れてきたら病気にかかっているかもしれません。
病気の種類が特定できるのであれば、薬剤を散布してまん延を防ぐことも可能です。何の病気かわからない場合や農薬を使うことに抵抗がある場合は病気にかかった株のみ引っこ抜いて処分しましょう。
害虫
・テントウムシダマシ
・ハモグリバエ
唐辛子では特にカメムシがよく発生します。害虫の数がそれほど多くなければ見つけ次第捕殺して増えないようにしましょう。
大量発生した場合やアブラムシが発生した場合には、除去するのが困難になるので農薬を使用することをおすすめします。
自家製唐辛子を栽培してみよう!
唐辛子栽培は難易度が低めで初心者の方にもおすすめの夏野菜の1つです。
追肥と整枝にだけ気を付けておけば、あまり手がかからない野菜です。
この機会にあなたも唐辛子栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか?