「家庭菜園をしようかな〜」と考えたとき、真っ先に思い浮かぶ野菜はミニトマトではないでしょうか?
サラダに、お弁当の彩りに、食事の一品と、幅広く活躍するミニトマト。
これをお家でたくさん収穫できるとなると嬉しいですよね。
さて、ミニトマトは初心者の方でも比較的簡単に育てることができる野菜ですが、水やりの方法や害虫対策など注意するべき点がいくつかあります。
そこで本記事では、プロ農家が家庭菜園初心者向けに「失敗しないおいしいミニトマトの育て方」を1つ1つ解説します。
ワンポイントテクニックや気をつけるポイントを画像多めで紹介しているので、初めての方でも安心して読み進めてくださいね♩
ミニトマトの特徴
トマトはナス科の果菜類で、原産地は南米アンデス高地と言われています。
トマトには様々なサイズがあり、大玉トマト、中玉トマト、ミニトマトに分類されます。
中でも今回紹介するのは”ミニトマト”。
栽培の手間が少なく、それでいて収穫量が多いので家庭菜園に最もおすすめなんです♩
ちなみに、ミニトマトは単に育てるだけなら「難易度:初級」です。
ですが、おいしい実をたくさん収穫するには、気をつけるポイントなどがちょくちょくあるので、「難易度:中級」にしてあります。
ミニトマトの栽培時期
ミニトマトを種から育てる方法もありますが、苗から育てる方が失敗しにくいので、今回は、苗から育てる方法をご紹介します。
ミニトマトは5月頃に苗を植え、7月にはもう収穫できます。
後ほど解説しますが、収穫を上手く行えば9月ぐらいまで収穫し続けられますよ。
土作り
ミニトマトは畑でもプランターでも育てられます。
ご家庭で育てる場合は、プランター栽培が手軽でおすすめです。
ミニトマトのプランターは深め・大きめのものを用意しましょう。
ミニトマトは背丈が1mには成長するため、浅めのプランターを使ってしまうとバランスを崩し、倒れてしまうこともあるためです。
また、深さ・広さが十分にあるプランターで育てると根がしっかりと張り、株が大きく育ち収穫量が増えますよ。
そして土を敷き詰める前のワンポイントアドバイス。
ミニトマトは水分が多すぎるとおいしく育たないので、プランターの底に石を敷きつめ、水はけの良い環境を作っておくのがポイントです。
土はホームセンターで販売している野菜用の培養土を使います。
トマトを含めたナス科は連作に弱いため、同じナス科を育てた土は使わず、新しい土を使いましょう。
苗植え:苗から栽培スタート
ミニトマト栽培で最も難しいのは、種を植えてから苗に育てるまでの期間です。
種から育てたい場合は、ハウス設備が必要になります。
植え付け適期に間に合わせるには3月に種をまく必要があるのですが、3月は地温が低いため、温度調整が可能なハウス設備が必要になるというわけです。
ハウス設備なしで種まきから挑戦すると、芽が出ずに終わってしまうことが多いので、家庭菜園で育てる場合は必ず苗を購入しましょう(割高ですが)。
植え付け時でも少し成長してきた後でもいいのですが、2mくらいの長めの支柱を立て、麻紐で茎と支柱を8の字に結びます。
将来的に1m以上の高さまで成長し、自身の重さや風で倒れてしまうのを防ぐためです。
苗の成長に合わせて、結びつけの箇所を増やしていきましょう。
ミニトマトの水やり
植え付け後、1週間は毎日水をやります。
それ以降は土の表面が乾いたタイミングで水を与えます。”水やりは控えめ”がポイントです。
日当たりが良く、屋根がある環境がベストですが、屋根がない場所であれば、支柱とビニールなどで雨避け対策をしましょう。
そして、定植後1ヶ月から水やりする水を”液肥(液体肥料)”に変えるのが、本当におすすめしたいテクニックです。
液肥で水やりすることで、後に紹介する、”追肥”の作業工程を丸々カットすることができます。手間が減っておすすめですよ。
また、ただの水やりと比較して実割れしにくいという点も見逃せません♩
ミニトマトの手入れ
わき芽かき
わき芽が出てきたらその都度、摘み取る作業です。
トマトは成長が早く、1週間も放置しているとわき芽が伸びて草だらけになり、栄養が分散してしまいます。
わき芽はこまめにチェックして、”全て“取り除きましょう。
ちなみに、1段目のわき芽をあえて残し育てることで、収穫量を増やす「2本仕立て」という手法もあります。
たしかに収穫量は増えますが、栄養が分散してしまい味が安定しないので、家庭菜園では全てのわき芽を取る「1本仕立て」で育てることをおすすめします。
下葉かき
トマトの見た目がよくなるため、”下葉かき”という作業を行います。
本葉が18枚以上になったら、18枚を残して下の葉から切り取ります。
葉を切ることで日光がうまく実に当たるようになります。
恩恵は色々あり、病害虫防除・色つきがよくなる・養分が実に回るというものがあります。
追肥
(※水やりの項で紹介した”液肥”を使わない人は、こちらの方法で追肥をしましょう。)
実が膨らみ始めた頃に1回目の追肥をします。
1平方メートルに化成肥料40gになるように与えてください。
以降は、2〜3週間に1度を目安に追肥をしましょう。
肥料を多く与えすぎると茎ばかりが育ち実がなりにくいので、与えすぎには注意してください。
(※液肥を使えば、この追肥の手間が一切なくなるのでおすすめ!)
収穫
ミニトマトは開花後50日で収穫ができます。
熟したものからどんどん収穫しましょう。
早めに収穫することで次々と実がなり、うまく育てると9月頃まで収穫することができます。
ミニトマトの害虫対策
ミニトマトの害虫被害の原因トップ3は、オオタバコガ、アゼミウマ、コナジラミです。
オオタバコガは見つけ次第、補殺します。
アゼミウマとコナジラミは非常に小さい虫のため、被害が酷い場合は消毒をしましょう。
プロ農家のワンポイントアドバイス
おいしいトマトを作るには水の調整が最も大切です。
「トマトの栽培に水はほとんど必要ない」と聞いたことがあるのではないでしょうか?
雨などで水を摂取しすぎると実が割れてしまったり、トマトの味も甘くならず水っぽくなります。天気に左右されず土の表面が乾いたら水をやる環境づくりがおいしいトマトを作るコツですよ。
甘いトマトを収穫するためにも、水をあげたくなる気持ちをぐっと抑えましょう♩
おいしいミニトマトの育て方まとめ
いかがだったでしょうか?
おいしいミニトマトの育て方をまとめます。
・種から栽培せず苗を購入する
・大きめのプランターを使うことで収穫量が増える
・設置場所は日当たりが良く屋根がある環境がベスト(雨に弱い)
・植え付け後、1週間は毎日水やり、それ以降は土の表面が乾いたら水やり
・定植後1ヶ月からは水やりする水を液肥に変える
・わき芽は全て刈り取ることで栄養が分散されず品質、収穫量ともに高くなる
・成長が早いためこまめにわき芽チェック
・害虫が多い時期なのでネットや消毒で対策する
・熟したものから順番に収穫。次々と実がなり9月頃まで収穫を楽しめる
そして…収穫後は美味しくいただきましょう♩
農業女子考案のおすすめミニトマトレシピもチェック!
ミニトマトは家庭菜園初心者に最もオススメの野菜です。
この機会にミニトマトの栽培にチャレンジしてみてください♩