国産にんにくっておいしいけれど、スーパーで買うとなかなかお高いですよね。
ならば、ご家庭で自家製にんにくを作ってみるのはいかがでしょう?
というのも、にんにくは手間が少なく比較的育てやすい野菜なんです。
本記事では、にんにくを栽培する農家が「にんにくの育て方や栽培のコツ」を解説します。
にんにくを大きく育てるコツや肥料を与える時期や病気を防ぐポイントなどを紹介しているので、初心者でも安心ですよ♩
にんにくの栽培時期
にんにくは、夏が終わり少し涼しくなってきた9月〜10月に植え付けます。
気温は20℃前後を目安にし、日当たりと風通しがいい環境で植えつけましょう。
収穫時期は翌年の5月下旬〜6月頃になります。
収穫後すぐは、”生にんにく”として楽しむことができます。鮮烈な香りがたまりません♩
1か月ほど風通しの良い日陰で吊るしておけば、”乾燥にんにく”の完成です。
土作り
プランターで栽培する場合
プランターで育てる場合は畑で育てるよりも収穫サイズが小さくなります。
プランターは幅65cm、深さ25cmのプランターを使用しましょう。
土はホームセンターなどで販売している野菜用の培養土を使用します。
にんにくは過湿に弱いため、プランターの底に石を敷きつめ、水はけの良い環境を作りましょう。
また、にんにくは連作障害が起きにくい野菜ですが、2年〜3年連続して使用すると病気の原因となるため、プランター栽培をする場合は、都度新しい土を使用する方が安心です。
畑で栽培する場合
にんにくは酸性を嫌う植物です。
植え付け2週間以上前にpHを調整しながら、苦土生石灰と完熟発酵鶏糞堆肥をよく混ぜこみます。
プラスαで牛糞堆肥を入れるのも良いです。
根が腐ってしまったり、病気がよく出る畑では一度モンガリット粒剤ネマトリンエース粒剤や微生物資材を投入してみるのが良いでしょう。
また、にんにくは冬を越す野菜なので黒マルチをしましょう。霜を防ぎ保温効果がありますよ。
にんにくの鱗片の準備
にんにくの主産地は青森県でシェアの大半を占めていますが、香川県や宮崎県など日本各地で栽培されています。
そしてにんにくには、寒地向けと暖地向けの2種類があります。
関東よりも北は寒地向け、南は暖地向けの品種を選びましょう。
寒地向けは1株に5〜6鱗片しかない大粒で、暖地向けは10〜12鱗片ある小粒とそれぞれ特徴がわかれます。
スーパーで売られている食用のにんにくでも育てることができますが、品質が安定しないため、ホームセンターやネットショップで鱗片を購入するのがおすすめです。
種まき
9月下旬〜10月上旬頃の気温が20℃〜25℃を目安に涼しい気候になったら植えつけます。
“種まき”というと数ミリサイズの小さな種を想像するかもしれませんが、にんにくの場合、普段食べているあの部分を植えていきます。
塊のまま販売されている場合は、一片ずつに分けてから植えましょう。
尖った方(生長点が上に向くように)を上に向け、株間は15cmほどあけます。
4cmから5cm(人差し指いっぱい)ぐらいの深さに植えつけ、かるく土をかぶせます。
植え付け後はたっぷりと水をやりましょう。
植え付け前に傷んでいないか確認しましょう。
にんにくの手入れ
にんにくは野菜の中でも手間が少ないです。
以下に紹介するポイントさえ守れば、大きなにんにくを収穫できますよ♩
水やり
にんにくには毎日の水やりは必要なく、表面の土が乾いたら水を与える程度でOK。
土が湿った状態が続くと病気の原因になります。やりすぎには注意しましょう。
花芽をカット
4月〜6月になると、とう立ちして花芽が伸びてきます。
そのまま放置すると花芽に養分が取られてしまうため、周りの葉と同じくらいの高さになったら、ハサミで付け根から切るか、横にポキッと折ってしまいましょう
カットした花芽は、あの”ニンニクの芽“として食べられますよ♩
追肥
大きいニンニクを収穫するためには追肥が重要です。
肥料を与える時期ですが、10月に植え付けを行った場合、12月と翌年3月に行います。
特に3月の追肥では葉っぱの色に注目し、葉の色が薄ければ多めに追肥してください。
幅65cmのプランターの場合、化成肥料を20gずつ与えましょう。
畑で栽培する場合は、ぼかし肥料がおすすめの資材です。黒マルチの上から穴にめがけて投入しましょう。
こちらは有機資材なので茎や葉に触れても問題ありません。またマルチの上に乗っかったままの肥料はそのうち雨で溶けて穴に入っていきます。
収穫
収穫時期は5月下旬〜6月頃です。
葉っぱが黄色くなりかけたら収穫のサインです。
花芽を切除して2週間ほどすると、葉の色が緑色→黄色→茶色と変化していきます。
緑だとまだ若すぎで、茶色までいくと鱗片がバラバラになって収穫しづらくなります。
収穫方法ですが、ニンニクの根は強くなかなか抜けないので、スコップ等で根を切りながら収穫するのがおすすめです。
収穫後すぐは”生ニンニク”として楽しむことができます。鮮烈な香りがたまりません♩
乾燥ニンニクの場合は、1か月ほど風通しの良い日陰で吊るしておけば完成です。
病害虫対策
にんにくは無農薬でも栽培できますが、病気にはかかりやすいです。
湿度に弱く、春の長い雨に当たると「赤さび病」や「春腐れ病」にかかることがあります。
水はけを良くしたり、雨が当たらない屋根の下などで栽培することで予防ができます。
プロ農家のワンポイントアドバイス
ニンニク栽培で失敗する最も多い原因は病気です。
無農薬で栽培することも可能ですが、農薬に抵抗がない方は3月上旬に農薬を散布し対策しておくと収穫量が大幅にアップしますよ。
病気が発症してから農薬を散布しても効果が薄いため、少量の農薬を使い予防しておくことがうまく育てるコツです。
まとめ
最後に、にんにく栽培のポイントをまとめます。
・株間は15cmあけ、先の尖った方を上に向けて5cmほどの深さに植える
・過湿に弱いので水やりは土が乾いてから
・追肥は12月と3月中旬頃の2回(葉の色が薄ければ多めに)
・とう立ちして花芽が伸びてきたら抜き取る
・葉が黄色がかってきたら収穫のサイン
にんにくは栽培期間が長く病気にかかりやすいですが、育てる手間は少なく、比較的育てやすい野菜です。
家庭菜園初心者でも美味しく育てることができるので、この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
それではまた!