小さいキャベツのような形をしている芽キャベツ。どのように栽培されているか知っていますか?
大きくなる前のキャベツを収穫しているのでしょうか?
実は品種も育て方もキャベツとは全く異なります。
育て方は比較的簡単で、1株から80〜90個も収穫ができ、長期間収穫を楽しめることから家庭菜園でも人気がある野菜です。
本記事では、実際に芽キャベツを栽培する農家の私が「失敗しない芽キャベツの育て方」をわかりやすく解説していきます!
種まきや植え付けの方法や時期だけでなく、葉かきのコツや追肥のタイミングまでご紹介します。
栄養抜群で調理も楽な芽キャベツ
スーパーなどではあまり見かけず、イタリアンやフレンチレストランなどで目にする機会も多い「芽キャベツ」。
実はお家の庭や畑で、キャベツよりも手軽に栽培できます。
そして、小さいながら、ビタミンCやビタミンK、βカロテンなどが豊富に含まれていて栄養抜群の野菜なんです。
また、サイズが小さいのですぐ火が通るので調理が楽々です。
鍋やシチューにポロポロッと入れたり、茹でてマヨネーズをつけていただくと最高においしいですよ♩
芽キャベツの特徴
芽キャベツはミニサイズのキャベツのような脇芽がたくさん生えてる不思議な形の野菜です。
脇芽が肥大して丸くなり、芽キャベツとなります。
1株で十分という方は、大きめの鉢植えでも栽培可能です。ベランダでも育てることができるのも嬉しいですよね。
芽キャベツの栽培時期
種まき時期は7〜8月で、苗の植え付けは8〜10月です。
セルポットに種をまいて育苗し、苗を畑へと植え替えます。
収穫可能になるのは、種まき後4〜5ヶ月、植え付けから3ヶ月後です。
芽キャベツの土作り
地植えの場合
地植えの場合は、植え付ける2週間前に苦土石灰を100g/㎡まき、1週間前に堆肥を2kg/㎡と化成肥料(8-8-8)を100g/㎡まき、耕しておきます。
苦土石灰や堆肥を混ぜ合わせてすぐに植え付けると、根っこが痛み、枯れる原因となるので注意しましょう。
畝は高さ15cm、幅60cm以上で作り、水はけがよい環境にしてあげます。
プランター栽培の場合
プランター栽培の場合は、ホームセンターなどで購入できる野菜用の培養土を使用すると失敗が少なくなるのでおすすめです。
芽キャベツは多湿を嫌うので、鉢底に石を敷くなどして水はけが良い環境を作りましょう。
芽キャベツの種まき
種まき時期は7〜8月です(発芽気温は15〜20℃)。
気温が寒すぎたり暑すぎたりすると、発芽率が悪くなるので、種まきのタイミングは注意が必要です。
種まきの手順ですが、セルポットに種を1粒ずつまき、軽く土をかぶせ、たっぷり水をあげましょう。
種まき〜発芽までは土が乾かないように水をたっぷり与えてください。
芽キャベツの植え付け
植え付けの時期は8〜10月中旬です。
ポットよりも少し大きめの穴を掘り、ポットから土ごと取り出しそのまま植え付けます。
ポットの土とプランターの土が馴染むように軽く押さえつけましょう。
植え付け後はたっぷりと水を与えてください。
8〜9月になるとホームセンターなどで苗が販売されるので、色が濃く、太い苗を選びましょう。
苗全体と葉の裏側を見て、害虫と病気の有無を確認してから購入すると安心です。
芽キャベツの手入れ
葉かき
「葉かき」は芽キャベツを育てる中で最も重要な作業です。
芽キャベツは放っておくとどんどん脇芽が生えてくるので、不要なものを摘み取ってやる(摘葉作業)ことが必要です。
なぜこのようなことをするかというと、芽キャベツとなる脇芽が大きく育つスペースを確保するとともに、風通しと日当たりも良くできるからです。
植え付けから約2ヶ月後、脇芽が伸び始めたら株の上から10〜15枚の葉だけを残し、残りは全て取り除いてしまいましょう。
その後も成長に合わせて常に、上から10〜15枚の葉だけが残るように葉かきを続けましょう。
葉かきを怠ると芽キャベツとなる脇芽に日が当たらず、また、養分が分散してしまい上手く育てることができません。
また芽キャベツは上に伸びていき、大きいものだと1mほどになるため支柱が必須です。
大きくなってきたら支柱で支え、倒れないように注意しましょう。
追肥
芽キャベツは肥料をよく使う野菜です。
植え付けから約2〜3週間後、本葉が6〜8枚のときに、化成肥料を30g/㎡与えます。
1回目から30日後に2回目を与え、その後は、収穫中であっても2週間に1度追肥をしましょう。
芽キャベツの収穫
玉の大きさが2〜3㎝で、固く締まっているものから順次収穫していきます。
手で簡単に収穫が可能です♩
下から順番に収穫していき、うまく育てると2ヶ月間ほど収穫を楽しめます。
一気に収穫してもよし、食べる分だけ収穫してもよし、ご家庭に合った方法で収穫しましょう。
芽キャベツの害虫対策
芽キャベツの栽培で失敗したという方は、害虫被害を受けたという方が多いです。
アオムシやヨウトウムシによる被害が多く、放置していると葉を食べられてしまいます。
見つけ次第、殺虫剤をまくか、手で取り除き駆除しましょう。
また、苗を購入した時点で虫がついている可能性もあります。
植え付け前に葉の裏側も見て、虫がついていないか確認しましょう。
土の中に虫が潜んでいる可能性もあるので、防虫ネットをしていても毎日チェックすると安心です。
若手農家によるワンポイントアドバイス
小さいときに形が悪い脇芽は大きくなってもキレイな玉にはなりません。早めに摘み取り、栄養を分散しないようにすることで、他の脇芽がキレイな玉になりますよ。
②また、葉の枚数は常に10〜15枚を維持してください。葉かきのタイミングが遅れると、葉に栄養が分散し脇芽が育ちません。下からどんどん成長していくので、下葉から葉かきをしましょう。
③葉かきは、簡単に手で取ることもできますが、ハサミで切り取る事をおすすめします。そうすると芽キャベツを傷めずに済みますし、残った根もとの茎もそのうちに自然と取れますよ。
まとめ
家庭菜園で芽キャベツを育てる際のポイントをまとめます。
・ 種まき時期は7〜8月で、苗の植え付けは8〜10月。
・土は野菜用の培養土を使用し、水はけを良くする。
・追肥は化成肥料を30g/㎡与える。
・植え付けから約2〜3週間後に1回目、その30日後に2回目、以降は2週間に1度追肥する。
・常に葉の数が10〜15枚になるように「葉かき」をする。
・玉の大きさが2〜3㎝で固く締まったものから収穫する。
・収穫中でも追肥と葉かきは継続する。
芽キャベツは1株からたくさん収穫ができるお得な野菜です。
肥料と葉かきのタイミングを逃さなければ失敗する可能性が低く、家庭菜園初心者でも育てやすい野菜です。
ぜひこの機会に芽キャベツの栽培にチャレンジしてみてくださいね♩