料理の彩りや香り付けに欠かせないハーブのひとつである”パセリ”。
自分で栽培すれば使いたい時に少しづつ収穫して使えるので料理好きの方に特におすすめのハーブです。
今回は、パセリ栽培に挑戦したいと考えている方向けに「パセリの育て方・栽培方法」を解説します。
手間がかからないのでポイントさえ押さえれば、家庭菜園初心者の方でも簡単に育てることが可能ですよ。
パセリの特徴
彩りや香りを楽しむことができるパセリは、セリ科の二年草のハーブです。
原産地は地中海沿岸とされていて、古代ローマで最も利用されていたハーブとされています。
とても丈夫な植物のため、過度に乾燥しなければどんな場所でも育てることができるのが特徴です。
日本で”パセリ”というと、添え物に使われる縮れたフォルムを思い浮かべるかと思いますが、実はパセリにもさまざまな種類や形があります。
パセリの種類
パセリは基本的に「縮葉種」と「平葉種」の2つに分けることができます。さまざまなパセリの種類とそれぞれの特徴を見ていきましょう!
パセリ(カーリーパセリ)
日本やアメリカで最もポピュラーなパセリです。
とても栽培しやすく、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。葉が縮れてカールしているような形状が特徴で、香りが強く葉は少し硬めでドライハーブなどに向いています。
よく栽培されている品種は、「モスカールド」、「パラマウント」、「中里パセリー」、「グランドパセリー」などです。
イタリアンパセリ
イタリアンパセリは控えめで爽やかな香りが特徴の平葉種のパセリです。
パセリ同様にとても育てやすく、家庭菜園初心者にもおすすめのハーブです。
平葉種のパセリがヨーロッパではポピュラーで、さまざまな料理の香りづけや彩りとして利用されています。
チャービル
チャービルは、さまざまな料理に用いられることから「グルメのハーブ」とも呼ばれています。
平葉種のため、見た目はイタリアンパセリに似ていますが、やさしい風味と特有の甘い芳香が特徴です。
コリアンダー(パクチー)
コリアンダー(パクチー)がパセリ?と不思議に思う方もいるかもしれませんが、実は「中国パセリ」とも呼ばれています。
エスニック料理には欠かせないハーブです。葉はもちろんのこと、根や種子も食用として利用されています。
ちなみに一番強烈な香りがするのは、パクチーの”根っこ”です
ルートパセリ
読んで字のごとく、根(ルート, root)のパセリ。「根パセリ」とも呼ばれ、ニンジンのように肥大した根を食べるパセリです。
味や食感はニンジンに似ていて、ほのかに甘みがあります。
日本ではあまりなじみがないですが、主にヨーロッパなどで古くから親しまれてきた野菜です。
簡単!パセリの育て方|
パセリは地植えとプランターどちらでも育てることが可能ですが、管理のしやすいプランター栽培が断然おすすめです。
ここでは、プランターを使用した、とても簡単なパセリの育て方を解説します。
パセリの栽培時期・栽培スケジュール
収穫:7月下旬~12月中旬
開花期:6月上旬~7月下旬
パセリの栽培環境
パセリは基本的には日当たりのいいあたたかい場所を好みます。
日当たりが悪すぎると間延びしてしまいますが、日当たりがあまりにも良すぎても葉が硬くなる原因にもなります。
好みにもよりますが、葉をやわらかくしたいという場合は、半日陰のような場所に置くのがおすすめです。
耐寒性は比較的強い方ですが、霜や北風にあたると葉が傷むこともあります。季節の変化などに合わせてプランターを置く場所を変えてあげましょう。
用意するもの
- パセリの苗
- プランター・鉢
- 野菜用培土
パセリは根をしっかりはるので、少し深めの容器がおすすめです。
植え付けの目安としては、60cmプランター(横の長さが60cmのもの)ならば2~3株、鉢(10号)ならば1~2株です。お好きなサイズ・デザインのものをお選びください。
培養土も基本的になんでもOKですが、プランターや鉢植えなら5L~14L程度のものが余らずにちょうど良いです。
植え付け
パセリは種からでも育てることが可能ですが、発芽まで10日~20日と日数を要します。たくさん植える場合は種から育てた方がコストを抑えることができますが、そうでない場合は苗を購入して植え付けるのがおすすめです。
苗を植え付ける時期は、4~5月と9~10月の年に2回です。パセリには根を傷つけると根付きにくくなるという性質があるので、定植時は土を崩さないように気を付けて植えるようにしましょう。
また、同じプランターに何株か植える場合は15~20cm程度の間隔(株間)をあけるようにしてください。
植え付け後の管理
パセリは植え付けてしまえば特に管理を行う必要はありませんが、乾燥に弱い植物のため、プランター栽培では水切れに注意してください。
土の表面が乾いてきたなと感じたら水やりをしましょう。
追肥
パセリは次々に葉を出して成長していく植物なので肥料切れを起こさないようにしましょう。
タイミングは、葉が黄色くなってきたなと感じたら液肥などで追肥を行います。冬は肥料を与える必要はありません。
収穫
カーリータイプのパセリの場合は、葉がカールしてきたころが収穫の目安です。
イタリアンパセリやチャービルなどの平葉種は、伸びてきたものを好きなタイミングで収穫します。
パセリを収穫する際は、外の葉の根元から順番に収穫していきましょう。
花が咲いてしまうと葉の成長が止まってしまうので、花芽が出たらすぐに取り除くようにすると長く収穫を楽しむことができます。また、通気性を良くするためにも下の方の古い葉などはこまめに取っておくのが良いでしょう。
パセリ栽培で気を付けたい病害虫
害虫:ヨトウムシ・キアゲハ(幼虫)・アブラムシ
病気が発生したらその部分を取り除いて対処します。虫については、見付けたらすぐに捕殺しましょう。
アブラムシがついてしまうと取り除くのが難しいため、ホームセンターで売られている薬剤のスプレーなどを使用するのがおすすめです。
パセリの保存方法
収穫したてのフレッシュなパセリは香りも良く格別ですが、たくさん採れて使い切れないということもあるかもしれません。
そのような場合、以下の3つのいずれかの保存方法をお試しください♩
水挿し
ガラスなどの容器にパセリを入れてポリ袋をかぶせて乾燥しないように冷蔵庫などで保存すると2週間ほど日持ちします。
葉が黄色くなる前に使い切るようにしましょう。
冷凍保存
きれいに洗ったパセリの水気を取り、葉の部分だけをジッパー付きの保存用袋などに入れて冷凍します。
凍った状態のものを袋の上から揉むだけでみじん切り状態にすることも可能です。
ドライパセリ
お皿にキッチンペーパーを敷いてその上にパセリを乗せて600wの電子レンジで3分程加熱します。
出してみて乾燥が足りないようであれば様子をみながら少しづつ加熱しましょう。
乾燥したパセリは袋などに入れて揉むと簡単にパラパラの状態にすることができます。
プランターでパセリを栽培してみよう
いかがだったでしょうか?
パセリは、栽培する環境だけ気を付けてあげれば簡単に育てることができるハーブです。種類はいくつもありますが、育て方に大差はありません。
キッチンの日が当たる場所などに置いておけば、使いたいときにすぐに収穫できてとても便利ですよ。
はじめての方もぜひパセリ栽培にチャレンジしてみて下さいね♩